シュウカツ
俺は今シュウカツに忙しい。
周りのみんなも同様だ。
目を血走らせている奴もいる。
形振り構わず飛び回っている奴もいる。
うまくいけばいいが、しくじるとこの先どうなるかわからない。
シュウカツする人数に比べて、対象が少な過ぎるのだ。
選り好みのし過ぎとの批判もあるが、こればかりは譲れないものがある。
とにかく、狙いを定めた所は必ずモノにしないと。
俺自身、かなり追い詰められていた。
思うようにシュウカツできないのだ。
仲間の中には、いくつもモノにした奴もいる。
横取りできればしたいくらいだが、そうもいかない。
そんなある日、いけそうな所を見つけた。
他にもそこを狙っている連中がいるが、俺は負けない。
何しろ、手引きしてくれる知り合いがいるのだ。
絶対勝てる。間違いなく勝てる。
成功すればこっちのものだ。
後はどうとでもなる。
そして遂にその日がやって来た。
俺は胸を高鳴らせて出かけた。
幸い、他の連中は俺の動きを知って手を引いたようだ。
そいつらの気持ちもわかる。きっと歯軋りして悔しがっているだろう。
何しろ、俺が行くのは女子校。
男なら誰もが夢見る場所だ。
俺は妄想が膨らみ、涎を垂らしてしまった。
それも仕方がない。
俺達吸血鬼にとって、若い女の生き血は最高なのだから。
シュウカツ。生き血の蒐集活動。わくわくする言葉だ。