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底辺刑事と異世界精霊の365日  作者: ドン・ヅ・マリ
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精霊との出会い(4)

・ この物語はフィクションです。

・ 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。

・ 登場する地名、固有名詞等は全て架空のものです。


※ タイトルに「刑事」とつきますが、基本的に事件は発生せず、

  推理要素もありません。

※ 内容的には日常路線・・・・・と思います。


なんでも一つ願い事が叶うとしたらなにを願うか。


この命題は思考の一人遊びの代表格ではないだろうか。


不老不死、特殊能力、使いきれないほどの大金等々、誰もが一度は


考えたことがあるだろう。


今の俺は現実にその命題を突き付けられている。


ここで何と答えるのが正解なのだろうか。





不老不死・・・・・・・これは却下。


はっきりいって、もう生きていてやりたいことなんてなにもない。


やりたくないことばかり。


やりたくないことをやらないようにするのがやりたいこと。


こんなネガティブな俺にとっては、残り数十年人生が残っているというだけで


うんざりなのだ。


それが不老不死、永遠に生きるなんてことになったら確実に気が狂う。


よってありえない。





特殊能力。


これは・・・・・ありだな。


サイコネキシス、魔法、予知そして時間停止。


やはり時間停止能力が最強だと思うんだよな。


疲れたときに時間を止めて一休み。


緊急事態でテンパりそうな時に時間を止めて深呼吸。


被疑者やクレーマー的被害者とやりあってブチ切れそうな時に


時間を止めてクールダウン。


・・・・・・使用用途の発想が貧困な気もするが、時間停止が出来たら


夢が広がるよな~。


ということで、精霊さんにお願いしてみると、


「あんたねぇ~、時間停止なんてありえないでしょ!

 世界の理に反するでしょ~が!」


と怒られた。


そもそも俺が想像しているファンタジーな特殊能力は存在せず、


授けることも出来ないとのこと。


・・・・・・・・・なんか夢から現実に戻された感じだ。





ではやはり金か?だがそれはなんともつまらない。


それに、俺はもともと金がかからない人間なのだ。


物欲は無いというより欠如しているというレベル。


貧乏舌で高級なものを食いたいという願望もない。


服装も無頓着。


車は走れば十分。


住むところにもこだわりはない。


嗚呼、俺にとっての幸福とはなんなのだろう・・・・・・・・


幸福の意味さえ見失って久しい気がする。


「何?幸福?幸福ね!その願いダルダバノ聖泉の森の管理者である

 アタシが叶えてやろうじゃないの!」


契約成立とばかりに手を握ってくる精霊さん。


幸福を叶えるって・・・・・自分自身でさえ見失っている幸福を


授けることなんてできるの精霊さん?


思わず『お前に幸福がわかるのかー!!』と問い詰めたくなったが、


笑顔で手を握っている精霊さんを見ていたらそんな毒気も抜けてしまった。


まあ、本気で見返りを期待していたわけでは無い。


悪い精霊ではなさそうだし一年くらいなら相手をするのも面白いかもしれない。





どんづまりでじり貧な人生が劇的に変わるとは思えないが、


なにかしら新しい展開があるのではないか。


そんな淡い期待を胸に、俺は精霊さんの手をつまむように握り返した。



御閲読いただきありがとうございます。

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