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鏡写しの幻想世界(ファンタジーワールド)  作者: 蒼榛(あおはる)
雪の里編
9/35

いざ、帝都へ!

どうも蒼榛です!今回もぜひ読んでいってください!

 美玲がこの家に来てから二週間ほど過ぎた朝、私はいつもの時間に目を覚ます。


 眩しい日差しが降り注いでいる中、ゆっくりと瞼を開ける。朧げな視界が少しづつ鮮明になっていく。そんな中、私の視界にまず映し出したのは、私と同じ顔をした女の子であった。彼女は、私と向かい合う形で頭一つ分くらいの距離で小さく寝息を立てながら眠っている。いや、正確には寝ているふりをしている。

 

 嘘つくなって?じゃあ、証明して見せよう。この通信魔法で。


『おはよう、美玲』

『……おはよう、お姉ちゃん』


 ほら、返事があった。言ったでしょ?

 この二週間で分かったことが一つある。彼女の起床するタイミングだ。彼女は、私が起きた瞬間に意識が覚醒している。最初は偶然かと思ってたが、一週間以上全く一緒に目を覚ますもんだからもう必然と言っていいだろう。やはり、私たちには強い結びつきのようなものがある。

 けど、今日に限って美玲は目を開けなかった。昨日だいぶ魔法の練習してたから疲れたのかな?


『どうする?寝直す?』

『うん、もうちょっとだけ』

『りょーかい、じゃあわたしも』


 私が寝ることが彼女の睡眠の手助けになるかもしれない。そう思いながら、私もまた目をつぶるのであった。

 

 その後、二人して寝坊したのは言うまでもない。



 太陽の日差しが部屋の窓から入らなくなってきた時に、私たちは揃って下に降りると、そこには既に料理が二人分並んでいた。横で既に食べ終わり、身支度を始めているグルースとルドーを横目でチラッと確認した。


「ごめん、寝坊した!えーと、今日の朝食は……?」


おや、これは……


 昨日までと打って変わって、質素な料理となっていた。牛乳と乾パン。いかにも保存食って感じだ。これはつまり……


「食糧もうなくなった感じ?」

「ああ、だから今から帝都に向かう」


 ルドーが上着を羽織りながら答える。帝都に向かう際は少しきちっとした服装に着替えるのだ。


「え?ほんと!?じゃあ、私たちも連れてってよ」


 その言葉にルドーの顔色が険しい表情へと変わる。


「お前たちは危ないからダメだ」

「大丈夫!私たち秘密の特訓してたんだから!ねっ、美玲!」

「うん、なるべく足引っ張らないように頑張るから……」


 この二週間で美玲も少しずつではあるけど、自分から主張することが増えてきたような気がする。


「……だってよ?どうするグルース」


 物越しに隠れてたグルースが「ん?」といいながら、出てきた。まだ、服を羽織って入るがボタン等を留めていない、まさに着替えてる途中って状態である。


「まあ、いいんじゃね?どうせ、止めても無駄だろうし」

「……そうだな。もう一度言っておくが、帝都への道のりは本当に危険を伴う。もしかしたら、たどり着く前に息絶えることもあるかもしれないぞ」

「はいはい、わかってるって。もしそうなったらちゃんと看取ってよね?」

「当たり前だ。ただそうなるリスクを少しでも避けるために帝都に着くまでは必ず俺たちの見える範囲で行動しろ」

「はーい」

 

 美玲の方に目を向けると、頭を何度も上下に振っているのが見えた。


身支度を整え、いざ出発となったところで、


「あ、ごめん!ちょっと寄ってくとこあるからここで待ってて!」


 美玲からの通信魔法での指摘を聞いて、咄嗟に言葉を発した。


「おい、唐突に何を」

「すぐ終わるから!ほんとごめん!じゃあ行くよ、美玲!」

「え?あ、うん!」


 美玲の手を掴み、彼女を連れて駆け出した。

 目的地は……もちろん、あそこである。


「ただいまー!!」


 もう癖になってしまった挨拶をいつも通りして扉を開けると、そこにはやはりいつも通り怪訝そうな顔をこっちに向けるサリーがいた。


「また来たのか、言っておくがもう教えることはほんとに……」

「今日、帝都に旅立つよ」


 私は、相手が話終わる前に単刀直入にこう言った。


「……そうかい、死なないように気を付けて」

「あいよ。じゃあ、また!」

「……ああ、また」


 そう言って、直ぐにまた扉を方に向けて走り出そうとすると、


「え、ちょっとさすがに簡潔過ぎでは……?」


 美玲から抗議のようなものが飛んできた。


「いやだってグルース達待たせるのもあれだし」

「それもそうだけど……お世話になったんだし、お礼くらいは言わないと……」

 

 美玲の言うことは最もだ。実際にこの二週間魔法に関して多くのことを教えてもらった。あんなことやこんなことも。まあ、そこら辺はあとで見てからのお楽しみってことで。


「わかった、わかった。サリー、ほんとありがとね。はい、次は美玲の番だよー」

「軽い!軽すぎるよお姉ちゃん!」


 こうやって突っ込む美玲も私を「お姉ちゃん」と呼ぶ美玲にもだいぶ見慣れてきたなって思う。 


「えーと……じゃあ、私から。この二週間、魔法のこととか色々と教えてくれてありがとうございます。とても勉強になりました。あと何か言うこと……あ、必ず田野理沙さんを連れて帰りますから、待っててください!」

「ああ、待ってるよ。いやぁ、君たちにはこっちも結構楽しませてもらったよ。帝都への道のりは魔物とかもいるから気を付けて。じゃあね、いってらっしゃい」

「はい!行ってきます」


 サリーが美玲に優しく微笑んで、美玲が明るい笑顔で答えた。私の時とは大違いである。


「ちょっと前から思ってたんだけど、美玲に対してだけ異様に優しくない?」

「それは、君の態度の問題だ」

「えー??」


 そんな悪い態度を取ってるつもりはないんだが。むしろ、とてもいい子でしょ私は。

 

 さて、そんなこんなでサリーとのお別れを済ました後、急いで戻ったわけだが、


「疲れたー、死ぬー。ちょっと休憩ー」


 靴の権能を美玲が使えないので、走ってここまで来たのだがなにせ距離が結構ある。

 行きは何とかなったけど、帰りも走るとなると体力が大きく削られた。やはり、美玲の言う通りもう少しゆっくりしとけばよかったか。


『自分に回復魔法撃たないの?』


 美玲が、息を切らしながらも通信魔法でそう呼び掛けてくる。確かにそれを丘の上では使った。だけどなぁ。


『グルース達にまだ見られたくないからなぁ』


 そう、どうせならもっとあいつらをびっくりさせてやりたい。まあ、これしきのことで驚くかどうかわからんが。


『……なるほど』


 どうやら、納得してくれたらしい。しかし、なぜそこで私の左手を両手で握るのだ。

 

(ああ、そういうことね)


 彼女から伝わる魔力でそれを理解する。確かにこれならバレないかもしれない。私も彼女に魔力を送り返して答える。


「よし、もう大丈夫!っということでレッツゴー!!」

「回復早いなおい!」


 突っ込まれはしたが、多分今のからくりには気づいてないだろう。

 

 さあ、長い旅路の始まりである。果たして、私たちを待つものは天国か、はたまた地獄か。現時点では何もわからない。ただ一つ言えることは、この旅路の果てに帝都が待っているということだけだ。

読んでいただきありがとうございます!次も10日後くらいに投稿する予定です!

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