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鏡写しの幻想世界(ファンタジーワールド)  作者: 蒼榛(あおはる)
雪の里編
3/35

美玲の世界

どうも蒼榛です。家の説明って難しいですね……

短めなので気軽に読んでいってください!


扉を開けるとそこは一面クソ緑だった。


「……何よこれ」


 結構楽しみにしてたのに、一気にやる気がそがれてしまった。

「ごめん、実は私もここがどこなのかよくわかってない」


 なんと、こちら側の住民である美玲もここがどこだかわからないらしい。

 それに今は、夜である。正直ほとんど周りの景色は見えない。

……最初から詰んでない?


「あ、でも来た方向はなんとなく覚えてるから、なんとかなると思う」


 そう言うと、そそくさと歩き出す。おい、待て待て


「ほんとに大丈夫……??」

「うん、多分大丈夫」


 信用していいのかと思いながらも、それ以外選択肢がないので後ろを付いていく。草をかき分けながら進み、やがて長い草はなくなり、その代わりに大きな木々に囲まれる。いわゆる森の中ってやつだ。


「こっちかな」


 木の枝を手で時々どけながら、案外迷いなく降りていく美玲にちょっと感心する。いや、逆に怖いんだけど


「ちょっとちょっと、なんでそんなに迷いなく降りれるのよ」


 思わず聞いてしまう。すると、帰ってきた答えは意外なものだった。


「だって、この道筋だけちょっと木々が少ないでしょ?」


 そう言って、前を指さした。正直、私にはあまり違いが判らない。


「私、ここ通ったとき無我夢中だったから、あんまり記憶ないんだけど、怪我したり止まったりしたりはしなかったから、木々が少ないところに促されるようにして走ったんだと思う」


 だから、この道で間違いないと。本人がそういうなら、多分そうなのだろう。


「……ほら、出口が見えてきた」

 

 本当にすんなりと森を抜けて、拍子抜けしてたが、目の前の景色に見てさらに腰が抜けるかと思った。

 茶色の地面を塞ぎこむように、黒色の地面が横切っており、それはまるで規則をもってるかのように縦に横にと伸びている。道の傍には、よくわからない長い棒が立っていて、先っぽから強い光が放たれている。そして、その道路に接しているように作られた四角い建物からは、白い光がこぼれている。


「何なのこの建物は。もしかしてこれが家なの?」

「そう、これが私の世界での家。四角くてかっこ悪いでしょ」


 恰好悪いかはともかく、目の前に広がる景色は今までに見たことがないものだらけであった。


「凄い景色ね……。一体、どんな魔法使ったらこんなことなんのよ……」

「ううん、この世界では魔法なんて使われてないよ」


 冗談……かと思ったが、美玲の顔を見るとどうやら嘘はついていないようだ。自分の顔なのだ、表情である程度わかる。


「じゃあ、どうやってるのこれ?」

「う~ん……簡単に言うと、科学技術っていうのかな。難しいことは私にもわからないけど」


 どうやら、魔法の代わりにかがくぎじゅつとやらが発展したのがこの世界のようだ。


「……そう。で、あんたの家はどこ?」

「えーと……多分こっち」


 また曖昧な返事だが、さっきのこともあるので多分大丈夫だろう。多分。


「さあ、さっさと行って、さっさと終わらせちゃいましょ。私、もうお腹空いて帰りたくてしょうがないんだから」


 いつもなら、食事を終えて寝る準備をしているような時間だ。正直、ちょっと眠くなってきた。

 闇夜の街頭に照らされている小さな二人は、まるで本当の姉妹のようだった。




「で、ここで間違いないのね」


 思ったより時間は掛かったが、何とか目的地へとたどり着いた。


「迷った……ごめん」

 

 そう、結局ここまでの道筋は一筋縄ではいかなかった。正直、ここまで来れたのが奇跡だと思う。それも美玲がすぐに道が違うことに気づいたおかげだ。あそこで気づかなかったら、本当にどうなっていたのかわからない。


「いいって、ちゃんと無事着けたんだから。っていっても大きな家ね」


 見上げると、そこには大きな四角い物体が建っていた。屋根は、色は下から見るとよく見えないが真ん中を頂点に斜め下に向かって左右に伸びている感じで、壁面はすべて白色だが、表面が少しザラザラしていて、見るからに固そうな素材が使われている。窓は、ざっくり数えて正面から見て上の方に小さいのが一つ、下の方に大きいのが一つ、合わせて二つほど付いていて、どうやら二階建てのようだ。入り口扉の前には小さなスロープが付いており、その三段分の階段を上がると扉の前に着くっていった感じだ。


「じゃあ、早速……」

「待って」


 私が歩みを進めようとすると、美玲から止めの一言が入る。

「ほんとにいいの?もしかしたら、酷い目に合わされるかもしれないよ……?」

「大丈夫だって。そんなに心配なら私に念でも送っときなよ。失敗しませんようにって」


 そう言ってはにかんでみせると、


「……わかった」


と少し不安そうな顔をしながらそう答えてくれた。


「じゃあ、改めて。行ってくるね」

「うん、私は……あの車の後ろから見守ってる」


 黒くて重厚な感じのするとても大きなものを指さしながら言ったところを見ると、どうやらあれが車というものらしい。

 数段ある階段を上り、扉の前に立つ。そこで一つ疑問が湧く。


「この扉、どうやったら開くの?」


 そう、この扉にはドアノブがなかった。あるのは長細い銀色の飾りみたいなものだけだ。


「その、右側の長いやつを引っ張れば開くよ。……鍵が閉まってなかったら」


 ほうほう、とりあえずこの飾りみたいなものを引っ張ればいいんだな。


「よっと、あ、開いた」


 つかんで思いっきり引っ張ると何の抵抗もなくその大きな扉は開いた。どうやら、鍵とやらは閉まってなかったようだ。

 そして、私は美玲の家へと入っていく。

 さあて、ショータイムの始まりだ。

読んでいただきありがとうございます!次回も来週中には更新したいと思います!

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