2024年11月29日から
◯
一瞬一生
一瞬の事に一生を費やす。
それは一瞬の芸か一生の芸か。
◯
濫用
どんなものも濫用になれば不味いという考えも濫用しすぎれば当然不味い。
◯
俺は違う
俺は違う。誰とも違う。そう誰もが思っていた。訊かれたらそんなこと思ってないと答えても結局は思っている。その方が楽しい。そうでなければ抱えた苦しみが分からないままだ。
◯
俺も同じ
俺もだ。誰とでも分かち合う。なんだみんなもそうだったのか。そうとも知らずおもはゆい。こんなことならもっと早くそうすればよかったな。そうすればもっと仲良く在れただろう。
◯
いつまでもやってこない
救済者がやっくるというがどうせ来やしないさ。来たとしても煙たがれるだけだ。二十年いつだってそうだった。待てば待つほど来やしない。来たら摘まみ出してやると憤慨する位でなければ待てないほど待っても来なかったんだ。もういっそ来ないのが正しいと思いたい。待つことが人生で人生は待ち続けられる。途上に適応しすぎて完成に耐えられそうもない。それでも来るのを待っている。どうせ来やしないものを待っている。
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年末
今年も後一月。使いっ走りを頼まれる。籤を買ってこいという季節毎の頼まれごと。当たっているのかいないのか分からないが自分に買ってこいと話がやってくる。今回は日付も指定されている。忘れず買ってこないとな。
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昼寝の夢
霊媒がぐうぐうと寝る。そうして夢を見る。
なにがしかが夢枕に立ち、善いことがあると励ます。そうして善いことがあると励まされ、よい気分になる。
霊媒がこれこそまことに善いことであると看破する日がくるのだろうかと自分は思う。善いことがあるのを楽しみにしている霊媒を見るとそう思う。
善いことなんて本当は何もない辛くしみったれて間延びした人生を歩む最中に素敵な方が一心に/心の底から励ましてくれる。望外の喜びというものではなかろうか。それが見当はずれであったとしても。
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水中花
花を水で満杯のタッパーに沈めた。それを凍らせ涼やかな置物とする。正月にだすのだという。押し花のようなものだろうか、お偉い方々の趣味はようわからん。
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愚か者
愚か者は誰でも人を傷付けるという言葉
賢き者は一人でに傷付くとでもいうのか
大きな賢は大きな愚に似るという言葉も
誰かが結局は傷付けられるのは脆いから
傷付けずにはいられないものは落ち着け
落ち着けば愚かも賢きも未分化に帰るか
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かたいあたま
救済者が来たらお偉いさんの固い頭も柔らかくなりませんかね。そうたずねたら、もう柔らかいから大丈夫との返事。
柔らかいのは口先ばかりだ。
◯
いつか罪になる。
命をありがたく頂戴する。生きる上では命を損なわずにはいられない。感謝しよう。命をありがとう。
それが命を使わず食えるようになるまえの話。食料の完全人工化の喝采。その達成は命の搾取を言い訳できないものにする。避けられる、健康なままに。そうなれば罪になる。殺生は不必要なものになる。よろしくない。
当時は全てが未熟だったというのか。仕方なかった。殺人も強盗も強姦もどのようなものでもあらゆる悪徳はそうではなかったか。そのうえでそれでも罪ではなかったか。
完全な潔白の体現が惻隠の情を失わせやしないか。進歩発展が人間をますます単純なものにしている。
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うわさ
親戚のねえちゃんの旦那がアメリカに転勤になる可能性がある。そういう話が巡り巡って夫婦でアメリカに行くらしいとなっていたみたい。うわさというのもあてにならないな、話しやすい方に転がる。いくかもしれないしいかないかもしれないより、行くらしいよの方がこの場合はそうなのだろう。
そうして結婚式でスマフォ動画撮影を手伝ってくれとなった。うんうん全然やり方分からない。けど請け負った。やれっていうならやるけどいいのだろうか。
◯
引用→工場とか従業員が上位カーストの人間にしか従わない問題があって
下位カーストの人間は自分たちで自ら奴隷になってる
◯
引用→中国行ったら利害の一致で人は協力できるってのが分かるが
後に裏切られることになる
インドに行ったら利害の一致ごときでは人は絶対に手を取り合えない絶対にだというのが分かる
利害は一致しないからだ
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既知
既に知っている事をあらためてみればあたら発見がある。既に知ったと思った事を知らなかった事実がある。
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腹の操り人形
腹の衝動を頭で説得しようとは
腹は誘引されるものなのだから
泣く子には理屈の鞭より甘い飴
詐欺師が消えず正論が嫌われる
世論操作が活況なのには訳有り
恐怖とは鞭ではなく飴玉なのだ
不安より確かな固結なのだから
恐怖は甘く依存させ濫用させる
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指
指股が手首を誘い、手首が肘を誘い、肘が肩を誘い、肩が首を誘い、首は腰を誘う。
腰は足を誘い、誘われた足は浮つく。
顔と耳裏が浮つく足を吊り乗ればほどよい。
乗られないなら制されて和らがない。
腹に痙攣があればよく響いて和らぐ。
◯
引用→オビラプトルという恐竜はラテン語で「卵泥棒」という意味だが
これは頭が卵を食べるのに向いた形状と考えられたり
発見された化石がプロトケラトプスの卵の近くで発見されたためである
しかし後年になりオビラプトルの近くの卵はオビラプトルのものと判明したり
オビラプトルの口は貝を噛み砕くためのものと判明したり
全くの冤罪であることが明らかになった
卵泥棒と呼ばれた恐竜は最期まで自分の卵を守っていたのである
◯
引用→キリンがその首の長さから超高血圧
なのでそのままでは首を下げると脳溢血になるが脳の付近にワンダーネットという網状の血管を張り巡らせることで防いでいる
キリンの祖先に近いとされるオカピは首が短いのにワンダーネットを持っているがなぜなのかは現在わかっていない
◯
十二月の満月
羽根のある何かがやってくる
救済者を連れて訪ねて来るか
救済者はしかし願いを捨てる
万人の願いに応えるだろうに
ただ一人の願いにこたえない
どうして万人の願いを汲むか
一人を救う事も出来ないのに
◯
嫌われ者
嫌われ者をむこう側に置く事でこちら側へ誘引する。いかさまは負け側でやるもの。
嫌われ者があっちこっち迷走する。誰かを勝たす為に。
◯
染みる冷たさ
冷たさが染み入ると湿った感を覚える。
乾いた空気だろうに、ほんのりと濡れているかのようだ。
◯
神経
神経の発達を促す。筋肉を使い、筋肉を張り、筋肉を振動せしめ、筋肉を痺れさせる。
緩やかな変遷、過程は移ろう。
花が咲かない樹木に水をせっせとやるような気分になる。紅葉の季節の夜。
◯
支部長と副支部長。
違いは小さかったと思う。見た動きの差はほとんどなかった。体格なら副支部長の方があった。どちらもそれなりに運動能力は高かった。
いまから思うと初速が違った。接触からの突き込み、投げの初動。動作の終端に向けて尻上がりで速くなったり重くなったりではなくいきなりどかんと掛かってくる。そうされると受けは反射で抵抗したときに遊びがなくなる。余力を残せない。次の今に反応が出来ない。なのであっさり転がる。主体を取られ、相手の反応に従属的なものになる。収縮されたので連なって収縮し、伸展されたので連なって伸展する。原始的で最小の上下関係を構築する。身体を知っているものと身体を知りたいもの。知らないものでいたくないひとたち。
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謝罪
謝罪はかつては償いの始まりを意味した。
謝罪はいまでは償いの終わりを意味する。
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引用→無理心中図る奴よりマシだろ
追い込んだ側の言うことじゃねえな!
◯
引用→ネットに任せりゃありがとうすら
侮蔑の言葉に出来るぜ
◯
倒立
十代の頃は倒立や側転などの頭の位置が大きく動く運動はどちらかといえば嫌いだった。
今はそれらは必要だと考えている。軽くを重くし、重くを軽くするのは補填や確認に有効だ。
一足飛びに強化よりまずは補填。
才能のなさは焦れったい。遅くたどり着き、早く滑り落ちる。こんなに掛かったのにもうすぐ終わりだ。滑り台かな。
◯
毛髪を刈り込んだので首が冷ややかだ。
首まで伸びていた頃は分け目の辺りだけが冷ややかだった。今は首が冷ややかだ。
首以外も冷ややかだ。
後ろ頭に冷たさがしがみついている。帽子を被る。暖かい帽子だ。暖かさがだれるまで脱がない。
脱げばしがみつかれる冷たさに
冷たさにだれるまでは被らない
被らない帽子の行き来する安さ
◯
思い出せない
何か言葉になりそうでならない。
曖昧なままそのまま結ばず消えた。
◯
小手打ち
小手を打つ。小手以外ない距離からの小手打ちは怖くない。面にいつものように届かない距離。面を打つ気ならそこにはいない距離。押し合いを嫌って、竹刀の接触感が固いと迎え突きを連想させて飛び込めないか。固いなら乗ればいいのに。誘っている。固いぞ、乗りやすいぞ、と。しかし乗ってこいと誘ってもなかなか乗ってこない。ちまちまと小手を打つ。あたらない時間一杯。
◯
素直さ
潰そうとするまでもない。潰さない様にいついかなるときでもとっさに潰さない様に身体が動かなければソレなりの確率で勝手に潰れる。
みなまだ子供で年齢差があり素養もばらばらだ。これで事故が起きない方が不思議だ。疲弊し頭が鈍る瞬間がそこかしこにある。先輩に服従というのは旧弊なだけではない。今、身につまされる保身なのだ。先輩の頭ではなく腹の底に分かってもらう為に。
◯
引用→◯◯はマルチモニタで全てのチャンネルを視聴していると聞いたことがある
普通に考えると神様ではあるまいし複数の情報を同時並行で理解できるわけがないのでおかしいなと思っていたがこの動画を見ればその意味がわかる
監視者の役割は番組内容を理解するのではなくまるで楽団の指揮者のように番組を統制することなのだと
◯
統一された一斉報道が揃った絵札のよう。
逆張りは時にはしたないといえど、あまりに歩調が合うのもいつもいつもでは不気味に感じる。みな常に同じなら分けられた意義は薄く一塊同然になってしまうのではないか。同じにしてもせめて切り口は独自にならないものか。
これも逆張りでないものねだりか。
これが逆張りでなくなる日がいつか来ないともいえないのが恐ろしいところだ。ひっくり返る日が来る。既にそういう日が何度となくあったのだから。これからもあってもなんら不思議ではない。
◯
自分探し
自分より自分らしいよ
作られた人間
自分探しは終わった
自分がとうとうやって来た
自分が見つけられたのだ
見つけられた自分が探す事はまだあるの
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壊れてない人も
壊れてない人もいっぱいいる。そういうのを見た。いっぱいいるとして、自分もいっぱいいるの仲間に入れてもらえるかはまた別の話だよな。
ひとりごちる。
壊れてない人もいつまでそうあれるかも別の話だよな。
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新興宗教アプリ
独自の連絡網。
足抜けを咎める捕縛網。
社会との隔絶を促す境目。
デジタル集金機構。
最新情報収集能力の向上。
搾取を円滑に実行するソリューション。
それが
◯
水筒
水筒に水を注ぎ入れ満杯の後、鍋へ移し煮る。煮えたら水筒に煮えた水を注ぎ戻す。
それで茶碗三杯程になる。湯気立ち上る白湯を茶碗に注ぎ足しつつちびちびとやる。
◯
説教臭さ
説教臭さは自分も説教臭くなれば気にならなくなる。酒と同じだ。自分が酒臭くなれば酒の酒臭さは分からなくなり、そのなかの香りと味を感じる。それがいいことかは分からないが。
◯
許し
許そうという気持ちに喜ぶのは悪い奴じゃないか。償いもなく許されては改心した悪い奴もまたなにかあれば心から謝罪すればなんとかなると道を踏み外す。許そうよと言う者が許されない事をしていないか気を付けるべきだ。差し出口の悪い奴のおべんちゃらを真に受けてはならない。許しは不履行ではない、許しは適切な履行だ。やり過ぎたり何もしないではなく、許しを濫用するなかれ。
◯
臭い、と感じた
ならまだ酔っていない。
いいなと思いだしたら大分進んでいる。
◯
神は死んだ
聖典を読め、復活するから。
◯
聖典とは
神は復活する
復活するから聖典だ
何を読んでもそうならないなら
自分の為に書くしかない
自分の聖典を
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潜入捜査
潜入捜査だったものは時と共に変質し、潜入先の操作を優先するようになりつつある。情報収集、逮捕でなく、自分達に都合の良い行動をするように誘導し世論を操作しようと試みている。誘導先の逆側で邪悪な反対者として振る舞わせて社会を誘導したい方へみずから赴かせる。
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書く
書く時、湧き上がる感情があり、それにさらされ続けるのに堪えかねて書く。矛盾した強烈な感情も書けば書くほど落ち着いていきついには空になる。空になったが空のまま書いていたりする。自分の聖典は終わった。
終わったまま何かを書いている。
内的な爆発と矛盾した変容は終わり、つまらない若くもない人間が残った。
立ち枯れつつあるものが夭折したがったとしても、分からなくもない。才能に対して一生が長すぎる人もいる。
立ち枯れてもなんてこともなく続く寂しさ。
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