2023/06/17 から
○2023/06/17
くび。
夢の中、自身の首が落ちた。頭を落っことして終わる。また始まる。そして落として終わる。似たような夢を三度四度と見る。首というものがいかに外れ易いかを身をもって知る。ああ夢というのが何らかの啓示であればよいのに。きっと無意味に首が落ちた。身体を失った。あるいは首を失った。その違いがなんだというのか。痛くも痒くもない夢の中で落下し転がる首になる。そんな事に何の意味を見出だせばよいのか。軽くなった。そしてそれくらいだ。抽出できそうな事は。
便器の水が溢れて首まで浸かった夢とどっちがましだったろうか。
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引用➡峰に刃とかギザギザとかついてると
指で押さえて痛いから削ったりするのツライ
引っ掛かかって動かしにくいし
汚れ詰まって不衛生で料理にもツライ
とてもツライ
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頭部より抜け出て。
霊媒は言った。身体から抜け出て戦場へ赴き争いを治めるのを見た。僕は言った。僕はそんな事を決してしないだろう。
それで治まるのなら誰かが既にそうするだろう。だがそうはならず日々死者は増え続ける。それはそう出来ない理由があるのだろう。そもそもそんな事は出来ないか、そうする事で悪化するのだろう。
超越した存在がある時、解決する。素朴で簡潔な怠惰。割りと好きな考えではある。いつか誰かがやるさ。やりたいやつがやるさ。そしてきっとそれは自分ではない。そうして棚に上げて忘れて眠ろう。うっかり鍋を焦がした晩の様に。
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引用➡廃ビル残置物処理の仕事やってたときゴリゴリの都心にあったんですよ
外から見ると4階建てくらいなのに中入ったら気持ち悪い階段してて6階あるんですよ
無機質なコンクリの部屋にクソデカい謎のシンクとかデカいテレビ置きっぱだったんですよ
私は見てないけどそこで結構な数出てきたDVDが暴れる女が薬物かなんか注射されて大人しくさせられて
代わる代わる犯されるみたいな内容だったらしくて警察沙汰になったんですよ
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よく
よく似た別物がある。真逆は反って似る。
外から聞き慣れない鳴き声がする。
鳥だろう。確認はしないが。どうにも気になる。二度三度する。机をこつこつと叩く。窓を叩くような鳴き声がする。
そんな鳴き方をする鳥がこの辺にいたのをしらなかったが。するということはいたのだろう。知らない内に。気になるが見たいとは思わない。きっと平凡な鳥がカーテンの外にいるだけ。
左目の視界が少しだけ焼け付いた様になってからどうも視界の隅が気にかかる。そのせいか気にしすぎるのだろう。些細な事柄を。
○2023/06/24
仲良く。
父や母のように慕う。親とさほど仲良くないとしても何となくは分かる。誰かに二心なく親しむ。まあしばらくすると冷めた対応をされるのだが。
神や仏なるものも尊敬をしても親しむべきでないのだろうか。父母に対する様に安堵する事が不敬であるならば、そこには冷めた功利が残るだけではないのか。よそよそしく敬し伏せ畏れるばかりならばなんと淋しい事だろう。しかし、そうして欲しいならばそうするだろう。救いというのも何とも味気ないものだと思いながら。
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引用➡イラクで放置された戦車にのって遊んでた子どもが後日劣化ウラン弾の汚染で死にましたとかいうのみてから嫌い
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理想の擬人化
理想が各々の内にあるだろう。それを人形に凝集させる。
なったなら文字で表現する。そこで冷静になってそれを眺めるとこんな人間はいないとなる。
現実の人間はもっと分からないもの、いやそうでもないか分かる。この二極間をふらふらしていたり極へ一時的に達し留まったり又ふらふらしたりする。
現実の人間は切り取られる者。理想の擬人は切り取った物。
似てはいても同じになることはそうそうないだろう。もうしばらくはそうあって欲しい。
現実と理想に差がなくなった時代は現と夢の区別が難しいだろうから。
人間を文字にする。理想が人間になる。分析と理想又は空想。それらが同じ事柄になる日が遠ければいい。
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使用感
使用前 使用中 使用後
そのそこにある触感。行為が育む。行為の結果としての感触。
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引用➡「帰ってきた男」だったかな
「中年…それはいくばくかの金の力でかろうじて存在を許されているようなものだ」
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引用➡そうすることで全ての小さな女の子が自分がお姫様になることを夢見ることが出来るようになるからです。
最後にこれ付ければ何言っても許される気がしてきた
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讃えたのは技術でなく心情の吐露。
ただ素晴らしいので讃えた。
相手をいい気分にしようとか自分を演出するとか良好な関係の構築とかはすっかり忘れた。素晴らしいから讃えた。讃えた事で相手の気分を害し自分の印象が最悪になってこれまでの関係が終わったと印象付けられるとかは少しも思いもしない。素晴らしいから讃えた。ただただ讃えた。一心に讃えた。二心なく讃えた。ただそれだけが欲しかった。
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引用➡男なら幸せになろうなどと思うな!
幸せになるのは女と子供だけでいい!
男なら死ねい!
昔はこれを男自身が言ってた
今は女が言う
この違いは大きい
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引用➡核融合の世界では「あと50年、あと50年と言われ続けて50年」というジョークがある
○2023/06/28
再来
医大へ。お茶を飲む。昼時なかなかの混雑。日本語意外の言語も聞こえる。喫茶店。やや早くきたので診察まで一時間半待つ。昨日は寝苦しい夜。夢は見なかった。少し眠い。
症状は変わりない様に感じる。よくなっていたり悪くなっていたりしても微小だろう。多分。今日は何をするか聞いてない。また検査か。様子見か。病院というよりホテルの様な感じだが病院には違いないのだろう、どうにも気が滅入る。
若さと健康というのは失われると惜しいものだなあ。
目の出血は収まり。
よくなりつつある。八月に検査して何語ともなければ年一回の検査でよさそうだ。
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引用➡見よ魔女が吊るされている
だから魔女は存在するのだ
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引用➡カルトの本当の怖さって嘘で騙してくるところにあるんじゃなくて引き返せないところまで引きずり込むところにある
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濫用された言葉が擦りきれ、別物になる。
分析は始まりから終わりまで予定を通りいつもの通り収益に落着する。背景にはいつも資本。みんな仲良く儲けよう。みんなよりいっぱいいる大勢を忘れて眠ろう。
既にみんなは増えすぎた。みんながいれば十分だ。
我々が作用し我々が享受し我々が進める。そこに我々がいればあとはいくらでも流入する。代えがきく。そう言い聞かしているうちは。疑問は忘れよう。後戻りはできやしない。
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引用➡蹄鉄理論という左右
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敗北の教訓は死んでなければ得られる。
ただ、負けに不思議の負けなしという言葉もあるように、うんざりするほど定石をなぞる負けばかりだ。
そうして同じ教訓を集め続ける。同じ教訓を集めなくてもよくなる日まで。ではその日は来るのか。来る。いつかは。
死ぬかうっかり勝つ日は。
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引用➡人間は絶対にミスをするという工学の基本を忘れないでほしい
○2023/07/09
冷たい踵。
冷めた踵に流れ込む温かな血液による熱感。
丸く熱い感覚。熱い左右の踵に載っている冷えた身体。
凍えたまま温かな空間に入り、暖められながらのろのろとして動く感覚。
いましがたまで冷めていた。いつでも。
いま起きた。いつでも。そんなことはないのに。
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余人には見えない。
心に月を渡される。実体のない架空の月。冷たい砂の静かな月。龍に乗り、途中で列車に乗り換えてしばらくして到着する。地下への通路を通り散策を楽しむのが味わいか。
鏡を覗き込むと吸い込まれ、月へ。
抱えられる程度の大きさ。
視界の隅で浮かび光っている。
どれかが正解かどれも正解かみなうそか。
知らぬ内にあるのだろう。冷たい砂の静かな月が。
とんと覚えのない。ぴんとこない遠くて近い避暑地。
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引用➡会者定離
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太陽でも火星でも金星でも土星でもない。
そして増えない。一つ。月だった。心に月を持たされる。月を眺めるに感慨があったろうか。見上げては夜の街に月、夜の山に月。景色として十代の頃好きだった月。
心に月を抱える持ち主。そこまで好きだったのか。遠くに眺めるにはよいだろうと考えている。よくよく考えても欲しくはない。欲しくはないからこそ渡されたのだろう。
いつだって欲しいモノほどくれやしないのだから。
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心の鏡。
鏡もやはり欲しがった覚えがない。鼻毛を切る時しか見ない。髭の長さは手の感触で判別できる。ぼんやりとして、不健康そう。自分の顔。あまりしげしげとは見たいと思わない顔。そこへ鏡。月に鏡に旅行に探検。楽しみ方が分からないものたち。
すごい。欲しくならない。欲しい人へは決してやらないだろう数々。うまくいかない需要と供給。どこからかきてもて余すもの。野心。希望。理想。三毒の美名。
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引用➡アメリカの経済紙コラムに書かれてた事だが
「売人と娼婦の間に生まれる子供が
物理学者(インテリの代表的イメージ)になる確率は
限りなくゼロである(一応配慮した言い回しだが実質ゼロの意)」
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引用➡「世界の解像度がどこまで必要か?」という問題は創作の場に於いては昔から叫ばれるけど
読者の知識レベルが上がれば上がるほど被写界深度は狭いほうがいいというのが俺の今のところの結論
トールキンの時代とは一般市民の所持する情報の量が違いすぎる
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引用➡個人的に好きなのがフロギストン(燃素)の歴史
燃素派の「今は酸素派の主張が信じられているが真実はいつか理解される時がくる」ってガチの負け惜しみ好き
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世の中。
霊媒は言った。:悪い所ばかり見ようとするから世の中が悪く感じる。
そうその通りなんだろう。世の中には良い所がたくさんあって悪い所なんていうのは極々一部分なのだ。残酷な終わりや惨めな余生なんてのは隅にある。窓枠のアルミサッシの間で死んでいるカナブンの様に。医療用覆面に絡んだ羽虫を取り損ない破損させた時の様に。しかしいつまでも煩わされているのだ。
悪い所なんてあってもお釣りがでるくらい良い所がある。まったくその通りだ。よし。自分が悪い所にいるのでなければ。よし。自分はそうならないと感じるならば。よし。自分の所はそうならない。
そしてそうなってしまった所も人ももうない。よしだけが残る。だからよしという。
新しい建物が出来、新しい人が入る。街の小さな荒野はそうして消える。
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薬の。
内科へ。痔の薬を買いに。空いている待合室。空調が唸る。清潔な空間、洒落た絵画。待つ事ができる全て。薬がないと暮らしにならない。不平不満を溜めて。見て見ぬふりばかり上手くなった。左目の視界不良も見て見ぬふりだ。右目があるさ。いつまであるかは見て見ぬふりだ。
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引用➡前にイラン人からイスラム教に誘われたことマジであるけどまじでそう言ってたよ
「イスラム教徒は優しくて親切。仕事がないお金がないって困ってる同胞がモスクに来たらみんなで仕事紹介したりお金出し合ったりして助ける。キリスト教やユダヤ教も昔はそうだったけど今はもうそういう助け合いの精神は無い。自分は自分。他人は他人。冷たい。死んだ宗教」
って言ってた
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引用➡泳ぎ上手は川で死ぬ
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とうとし。
素晴らしき行い。それを裏打ちする精神。克己、忍耐、不屈、献身。それらが内から沸き上がって一身を突き動かす。なんて凄い。そうさせたのがその人以外の誰でもないのなら。
たとえ初めのうちは本当にそうだとしても、すぐにそれは煽動になる。そんなもの信じてもいない人がうたう。みずからやるなどもってのほか。讃えに讃えてやらす。それはまるでやらないのが悪いことのようだ。そうして素晴らしき行いによって現出した理想の結果が霞むほど生臭い煽動の犠牲と癒えない苦痛が山積するのだ。
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ゴキブリのし。
重低音。羽の羽ばたき。ふと見上げると壁にゴキブリ。
シュッ。殺虫剤を吹き掛けた。走り去る黒い虫。音ががさがさと部屋に響く。しばらくして静かな空間に戻った。もう音はしないだろう。
ゴキブリの死だ。
ゴキブリの死んだ晩はどうにも気分が悪い。
暑い。
汗が吹き出して皮膚が湿っている。座っているだけ。
ゴキブリがもう少しゆっくり動くなら捕まえて逃がしただろう。ゴキブリを殺す度にそう思う。
腹が煮える様に暑い。
湿った皮膚はぬるく気持ち冷たい。
いきものの死はゆううつ。
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引用➡『何を言えるのか』が知性で『何を言わないか』が品性とはよく言ったもので…
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引用➡牛瘪は、牛の青汁。
そんな牛瘪の正体はというと、牛の第一胃袋の中で半分消化した牧草を、鍋の汁にしたものだ(調理してもしなくても牛瘪と呼ばれる)。
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