魔女VS毒蛇
まず分かるのはここは公園じゃない。と言うより森の中である。見たことのない植物も生えている。
「す、凄いんです!こんな植物さん見たことないんです!あ、あのキノコさんもなんです!あ、これは…」
なんかアマミちゃんが色々叫びながら走っていっちゃったんだけど大丈夫?!
「アマミ?あまり離れるな?ここの森は魔物の強さも魔法使い水準だ。気を付けないと…」
「ギャー!!何かに噛まれたんです!!」
え?!フラグ建築する前にフラグ回収しないでよ!
「だ、大丈夫?」
急いで行ってみると、体長1m位の黒と黄色の蛇がアマミちゃんの足に噛みついている!
なお、蛇の歯は前歯2本である。どう見ても毒蛇である。
「助けてくださーい!噛まれている感じがするんです!泣いちゃうんです!うわーんなんです!」
アマミちゃんが一応泣いているんだけど…はっきり言う、毒歯はアマミちゃんの足に刺さっていない。確かに触れているんだけど…おそらくこの蛇も頑張って噛もうとしているんだけど…刺さっていない。何故なのか。
どうしようか検討していたら脇から赤い光線が飛んできた!見事に蛇に命中。蛇は燃えながら吹っ飛び…数メートル先に落っこちた。
「何が起きたの?」
「おい、大丈夫か?」
「あわわわ!!蛇さんが燃えているんです!治療するんです!」
どうやら、マジーラさんが魔法で燃やしたらしい。で、もう、敵だろうが何だろうが、怪我したら速攻助けにいくアマミちゃんの安定行動である。
「おい、蛇に近づくな!と言うよりあの魔物は強力な毒を持つ。回復薬を持っているから早く着けないと手遅れに…」
「ううう…酷いんです!蛇さん…死んでしまっているんです!綺麗に出来てももう動かないん…です!何てことして…くれるんですか!!」
アマミちゃんが泣いちゃっている件。なお、蛇の様子を見ると、蛇は見かけ上ただ眠っている状態になっている。ただ、アマミちゃん曰く死んでいるらしい。うーん、まあ、蛇はどうでもいいとして、魔力が一般的な魔術師の1000000倍持ちの魔女でも生き返らすことはできないことがわかった。即ち、結局のところ死んだら終わりである。
と言うより、マジーラさん曰くなんだか大変なことになってるみたいだよ?!アマミちゃん大丈夫?
「うわーん!師匠なんて…嫌いなんです!どうしてこんだけ…で殺してしまう…んですか!蛇さん何…も悪いこ…としていないん…です!酷すぎ…るんで…す!」
「ちょ、ちょ、…落ち着け。取り敢えず足を見せてみろ。」
アマミちゃんが棒立ちで泣いている中、マジーラさんはしゃがみこんでアマミちゃんの噛まれたであろう足首を観察している。直感だけど、これどうすればいいんだろう。
「ど、どういうことだ?アマミ、君は本当に噛まれたんだよな?」
「噛まれたん…です!そんなことより…蛇さんが死んでしまった…んです!酷い…んです!酷すぎるん…です!」
そんなことよりそれこそアマミちゃん大丈夫?!毒が回って云々何てないよね?
個人的だけど、アマミちゃんの誰に対する優しさが蛇のことを心から悲しく思っているんだと思う。ここら辺もアマミちゃん特有の性格である。観察していると、結構こういう性格は回りに好かれやすい。僕には到底真似出来ない。
ただ、過度すぎると言うか…流石に攻撃しに来た魔物にそれを適応するのかと言う疑問点があると言うか…うん。
「うわーん!どうするんで…すか!!何とかす…るんです!」
「す、すまないミズハ。自分には対応出来そうにない。どうにかならないか?」
だから投げないでよ!
「あ、アマミちゃん?取り敢えず、足は大丈夫?」
「噛まれただけなんです!それより蛇さんがー!」
「うんわかった。取り敢えず、僕の背中の方に行って?」
こういう面倒くさいときは、背負ってしまうのが一番早いので背負ってつれていくことにします。背中がびちょびちょのぐちゃぐちゃになるかも知れないけど別に怪我する訳じゃないし問題ないでしょ。
「ミズハさんの背中モフモフなんです!顔を擦り付けるんです!」
ぐちゃぐちゃの顔で僕の背中に擦り付けないでください。冷たいです。それとモフモフってどういうこと?!
「うー、ミズハさんの髪の毛で遊ぶんです!」
遊ばないでよ!…って、勝手に帽子を取らないで!髪の毛詰め込むの大変なんだから。
「ミズハ?アマミ大丈夫か?」
「蛇さんの罪は重いんです!後で呪われるんです!」
「マジーラさん。アマミちゃんのペースに乗っては行けません。先へいった方が良いです。」
「誰がアンポンタンですか!酷いんです!」
「わ、わかった。こっちだ。」
アマミちゃんが僕の毛をパタパタさせたりして色々気になりますが別に死ぬわけではないので放置して着いていきます。
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