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僕は怪力少女ではありません!断じて!

「それにだ、君達は冒険者だろ?そんな防御力皆無に等しい服を着ていてどうする?アマミは魔女なんだから魔力や魔法をより効率よく使える装備服の方が良いし、ミズハは剣士なら鎧とか何かあるだろう?」


 そう言えばそうかもしれない。でも、そう言うのってなんか高そう。後、僕はこれでもレディだからね!鎧ガチガチ何て言う服は御免だからね?


「魔女の服ですか?!それは着てみたいんです!もっと魔女っぽくなるんです!師匠ナイスアイデアなんです!お礼にこのキノコをあげるんです!」

「うん?あー、すまない。気持ちだけもらっておく。」


 毒キノコを突きつけられても冷静に対応できるマジーラさんってなんかすごい。


「まあ、アマミは買い出しに出かける気になったのかな?」

「魔女なんです!魔女になるんです!最強になるんです!」

「ミズハはどうだ?」


 うわー、アマミちゃんを見方につけるなんて卑怯だぞー!


「えっと…因みに服以外も買いにいきますか?僕は剣士ですが剣を持っていませんし。」

「うむ?別に構わないが…何か気になるのかい?」

「えっと、先日ちょっと冒険者育成学校の先生とやりあったのですが…」

「まてまてそれは初耳だぞ?」

「そうなんです!先生をノックアウトしちゃったんです!」

「はい?」


 マジーラさんが半目でまた見てくるんですけど!


「そ、そんなこと言ったらアマミちゃんだって、カオスな結界貼るわ校庭水浸しにしちゃうわその後全部蒸発させちゃうわ色々やっちゃったじゃん!」

「あれは不可抗力です!ミズハさんはえーっと、うーんとー、このキノコを食べるんです!」


 言葉が思い付かないからって毒キノコを出すのはやめようよ!


 なんか喉乾いたので、冷蔵庫から牛乳瓶を取り出して来ました。最近はパックが多いけどたまに瓶もあるよね。


「すまない。アマミの話はもう聞いているし、もう諦めている。頼むからミズハだけでももう少し常識人であってくれ。」


 なんか頼まれたんですが?


「えっと…先生を倒すのは駄目ですか?」

「育成学校にいる職員は未来の冒険者を担うエリート達に決まっているだろう?それをミズハみたいな若手の冒険者がボコボコに出来ると本当に思っているのか?

 第一、先生の立場にもなってみろ。おそらく屈辱で数週間はろくに再起できなくなる。」

「向こうから喧嘩吹っ掛けてきたので知りません。」

「だからそこをだな…ま、まあ…相手が偶々手を抜きすぎたと言うことにすれば納得は出来なくはないが…まあ、さっきもいったが、アマミじゃないんだからもう少し自我を押さえてくれ。」

「なんか馬鹿にされているんです!今度、師匠が歩いているときにバナナの皮を敢えて下に置くんです!つるって滑って転んでみるんです!」


 嫌がらせがみみっちいな!しかも本人の前で胸を張って堂々言う奴がいる?!


「ゴホン。で、どこまで話したかな?あー、そうだ。で、先生を倒したときになんかあったか?」

「あ、はい。木刀で戦ったのですが、戦っているときに3つに折れちゃいまして…しかも強く握りすぎてです。ですので、強く握っても折れない剣が欲しいのですが?」

「まず、確認しておくぞ?一般人は強く握っただけで木刀は折れないからな?そこは理解しているか?」

「え?いや、お互い戦ってて折れることはあるのではないですか?」

「それは戦ってて、相手とぶつかり合うからだ。ただ握っただけで曲げようとしたわけでもないのに折れてたまるか!」

「あ、それでしたら問題ないです。折れた部分の2ヶ所のうち一ヶ所は相手の剣とぶつかったからです。」

「もう片方は?」

「握りつぶしたんだと思います。握った部分の直径が半分ぐらいになって手の後が…」

「あー、もういい、わかったわかった。ミズハの怪力は規格外だ。それで十分。」

「マジーラさん?僕の力を確認するために握力勝負しませんか?」

「ダメなんです!師匠の手が肉片になっちゃうんです!」


 その発言はグロいよ!R指定になっちゃうから止めて!しかも肉片にはしないよ!もぎ取るだけだよ!


「ちょっと話が脱線しすぎだ。えっと、要はミズハの怪力でも耐えれる剣を買いたいんだな?」

「はい、万一の時に折れるのは御免ですから。あと、握力勝負ですが手がダメなら頭でも良いですよ?」

「ダメなんです!師匠が胴体だけになっちゃうんです!」


 もう少しR指定から逸脱する突っ込みが欲しいんだけど…え、こんな話題にする方が悪いって?レディに喧嘩吹っ掛ける魔法使いの方が悪いでしょ!まあ、マジーラさんは500歳だから中身はお祖父ちゃんだけどね!お祖父ちゃんと言えばなんなんだけど…なんか臭くない?


「えーっと、で、買うのは生活服と装備服…剣も買うならついでに冒険者に役立つアイテムとか買った方が良いな。とはいえ、費用がかさむことになるけど大丈夫か?」

「大丈夫ならそれこそ豪華な服を何着も持っています。」

「うむ…まあ、弟子の成長祝いだ。少しはこちらからも出そう。」

「僕は対象外ですか?」

「いや、自分はそうは思っていないが?」

「アマミちゃんの師匠はマジーラさんですが、僕はただの付属品ですので。」

「そんなことは思っていないぞ?少なくとも自分はミズハもアマミも大切な家族の一員と思っている。」

「そうですか。」


 マジーラさん曰く、僕は家族の一員らしい。なんか、イラッとする自分と半ば安堵する自分がせめぎ合っている気がする。


「師匠とお買い物なんです!楽しみです!一杯買ってお金を使い果たすんです!」


 止めて!今破産したらアマミちゃん学校行けないよ!と言うより、マジーラさんがある程度出してくれても本当に破産しそうで怖いんだけど!


「まあ、他にも買いたいものがあれば現地で考えればいいだろう。じゃあ、明日はアマミも学校休みだし買い出しだな。…お、な!若干話に気をとられ過ぎて焦がしてしまった!」


 えー!若干焦げ臭いと思ったらそれか!何だか今日は質素な食べ物になりそうです。

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