表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/39

多少頑丈でも限界というものがあります

「お姉ちゃんなんですー!怖かったんですー!」

「よしよし。もう平気だよ。マジーラさん、もう見つけたんで瓦礫の外に出ていただけませんか?瓦礫を下ろします。」

「…いや、待ってくれ。どうやら被害者はアマミだけじゃなさそうだぞ?」

「どう言うことですか?」


 マジーラさんが斜め上に指を指したのでその方向を見ると…なんと言うことでしょう、3m位上に子供が浮いてるではありませんか。


「ミズハ?その子供を下ろしてくれないか?」

「あー、ちょっと待ってください。」

「うわ?!おいおい、瓦礫まで下ろせとは言っていないぞ。」

「ごめんなさい。この魔法は対象のものを同時に浮かすものです。下ろす場合は全て同時に降ります。」

「そうか。分かった。まあ、もう少し下ろせば手が届くからそこからは何とかしよう。」


 マジーラさんは何だかんだで子供を回収した後結界の外につれてきて寝かせました。この浮遊魔法は結界の中でのみ発動なので外に出せば浮かなくなります。後、発動初期に結界の外にいれば発動しないからマジーラさんや僕は浮いていません。


「じゃあ解除して平気ですか?」

「慌てるな。今子供がいたんだぞ?おそらくこの一軒家…この牧場か何かの主の家と見た。まだ誰か住んでいる可能性がある。もう少し全体を見てくるから待っていろ。」

「じゃあ僕も探しますか?」

「出来れば宜しく…」

「お姉ちゃん!怖かったんです!真っ暗だったんです!側に居てほしいんです!」

「…マジーラさん、アマミちゃんをなだめる優先でもいいですか?」

「まあ、構わんだろう。」

「アマミちゃん?お願いがあるんだけど、マジーラさんが誰かをつれてきたら治療をお願いできるかな?」


 さっき見つけた子供は若干切り傷があるし…瓦礫に埋まっていたことを考えると致命的な怪我をしている可能性もあるので治療してしまった方がよい。


 後、アマミちゃんが若干興奮状態なので僕は探しに行くのではなくアマミちゃんの面倒を見ることにしました。


 そして20分後…


「これで全員っぽいな。ミズハ、魔法を解除して構わんぞ?」

「分かりました。」


 魔法を解除して瓦礫を下ろします。


「大変なんです!すぐに全部直すんです!」


 アマミちゃんが瓦礫に手を向けると…もとの一軒家に戻りました。ねえ、これこそチートじゃない?


「皆さん目を覚まさないんです!どうしてですか!」


 家にいたのはおそらく両親と息子の3人である。父親は頭から血を流していたけどアマミちゃんが瞬時治療してしまったので無傷。他も同様で外傷はない。え、アマミちゃん?怪我すらしてなかったよ!どう言うこと?!


「見た限り生きているから大丈夫だろう。とは言え、事情は説明しない訳にはいかないな。起きるまで待機だな。」

「はぁ…いつになったら帰れるんでしょうか?」

「まあ、そのうち気づくだろう。」

「じゃあもう1回飛行練習なんです!飛ぶんで…キャーーー!!」


 ちょ!さっき事故ったんだから大人しくしといてよ!箒に跨がって今度は上方向に飛んでいった件。あっという間に見えなく…って、何処まで行くの!!


「ま、マジーラさん!アマミちゃんの帽子を預かって下さい!アマミちゃんを連れて帰ります!ここで待っていてくれませんか?!」

「ど、どうやってだ…第一上空は酸素が少ない。あの速度で行ったらあっという間に酸欠になるぞ!」

「だから急ぐんです!行きます!」

「だからどうやって?」


 再び魔力や技術を回収する。技術はアマミちゃんの箒から…あれぐらいの距離なら十分に吸収範囲内…魔力はアマミちゃん含め回収しまくれば足りるでしょ!


 もし仮にアマミちゃんが全魔力を使ってるならそれ以上の魔力がないとおそらく追い付かない。だけど、アマミちゃんから大量に魔力を吸収すればアマミちゃんは少しでも失速するはず!


「行ってきます!」

「だから何処に…って、な?!」


 ジャンプをすれば猛スピードで地面が離れていく。アマミちゃんは見えないけど、力の位置だけで場所はわかる。絶対捕まえるから!


「見えた!」


 すぐ横には既に雲がある。大分苦しいけど…もう一踏ん張り!アマミちゃんは失速しているようでどんどん近づいていく。


「ウ…ワーン!何も…ないん…です!」

「アマミちゃん!箒にブレーキ…を掛けて!!」

「お姉ち…ゃんな…んです…!」

「ブレーキ…掛けて!!!!」


 その瞬間、アマミちゃんの上昇が止まった。瞬時にアマミちゃんに追い付く。


「はぁ…はぁ…アマミ…ちゃん、大…丈夫?」

「ミズハさ…ん大丈…夫ですか…!顔が…青い…んです!」


 不味い、アマミちゃんも青くなっている。このままだとどっちも酸欠か凍死する!


「は、話は…後!降り…るよ!」

「お姉ち…ゃん!この速…度で地面…降りたら助から…ないん…です!」


 確かにそう。今のアマミちゃんのコントロールで地上に降りたら大変なことになる!おそらく自然落下の方がまだ遅いと言ったワケわからないことになる。


「このま…まじゃ死…ぬ!一緒に…急降…下。タイ…ミング見…て止…める!」


 アマミちゃんの手を掴んで地上に急降下する。


「ギャー!怖い…ですー!!心臓…止まっちゃんで…すー!お疲れ…様でし…た!」


 勝手に終わらせないでよ!第一それだけしゃべれればまだ余裕あるでしょ!


 そのまま地上に急降下中。配下の建物がある程度の大きさになったところで止まることにする。とは言っても、まだ上空数キロはあると思う。とは言え、雲よりも明らかに数キロ以上高い場所よりはまだましだからね!


「はぁはぁ…すー。うんこれぐらいならなんとかなるかな。」

「高いんです!人がゴミのようです!」


 ごめん。この高さだと、人は小さすぎて見えないよ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキングタグ:各小説ページ下部サンプル
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ