無闇に魔法を作るのは止めましょう
「な、なんだぇ?回りのものがどんどん戻っていくぞぇ?」
「ああ、気にするな。いつものことだ。」
マジーラさんがクールすぎる。いよいよアマミちゃんのおかしさに適応してしまったみたい。あー、常識ってなんだっけ?
「…これが魔女様の力かぇ。」
さぁ、どうなんだろう。第一、アマミちゃんは魔力が魔女と比較しても100000倍はある。魔女なのかアマミちゃん特有なのか全く不明なんだよね。とかなんとかいってるうちに店は元通りで、木々は元に戻るを通り越してより生い茂ってしまった件。これで良いのかな?
「あー、えーっと…呆然としているところ大変申し訳ないのですが…空を飛ぶ箒の件は…?」
アマミちゃんが空気を読まないでまたトンデモ魔法を使っちゃったから話がそれちゃったよ!
「そう言えばそうだったねぇ。要は魔力を証明するには魔力によって何かを蓄えると言ったものがあれば良いねぇ。」
早めに復帰してくれて良かったよ!これで、グダグダされたら帰れなくなる。
「蓄える系ですか…考えてみます。」
「ミズハ?何か案はあるのか?」
「ありません。」
「即答だな。それで良いのか?」
「アマミちゃんと考えると言いました。」
「し、しかしだな…」
マジーラさんは放っておいてアマミちゃんと話し合うことにします。
「飛びたいんです!新しい魔法を覚えるんです!…そうです!お姉ちゃんを増殖させる魔法を作るんです!」
何考えてるの!影分身じゃないんだよ!ドッペルゲンガーは御免だよ!死んじゃうよ!
「あ、アマミちゃん?その魔法は僕の心臓に悪いから止めて。」
「ギャー!ミズハさんが病気なんです!今すぐ治療するんです!心臓を胸から出すんです!」
死ぬわ!物理的に出して治療するなんて初めて聞いたわ!
「僕は平気だから…それよりアマミちゃん?店長さんの話聞いてた?どうやら魔力を使って何かを蓄えることが出来れば箒に乗れるらしいよ?」
「乗れるんですか!今すぐ乗るんです!」
人の話聞いてた?!
「えーっと、魔力で何かを蓄えるとかだって。アマミちゃんって、何かを保管しておく的な魔法は使えない?」
「保管ですか?!ホッカイロです!」
いやいや別に親父ギャグ求めてないからね?!と言うより、殆ど一致していなくない?
「貯める系なら…うーん、ちょっと待ってください…出来たんです!」
出来た?出来たってどう言うこと?
「貯めるための魔法を作ったんです!」
え、えぇ…魔法を作ったよこの子?
「アマミ?魔法を作れるのか?」
「キャンディーは美味しいんです!」
一応聞きたいんだけど…話が噛み合っていないと思っているのは僕だけ?
「マジーラさん?僕の常識として…魔法は作れるものですか?」
「うーむ。作れないとなれば嘘になる。でなければ、自分や他の魔法使いが今使っている魔法は何が発端か不明になるからな。
ただ…新たな魔法を作るにはそれ相当の実力と経験が必要だな。まあ回りに布教するとなるとそれこそ難易度は上がるが…個々人で使用する分では出来ないことはない。」
「とは言ってもねぇ。魔女様とはいえこの子にはまだ早すぎるとは思うけどねぇ。下手に魔法を作って失敗すると大惨事だねぇ。」
「これでどうですか!」
だから、話聞いてた?!大惨事になるっていってるよこのおばさん!…ん?何も起きない。
「あー、しまったんです!蓄えるものその物がないんです!対象がなければ意味がないんです!お姉ちゃん、どうしてくれるんですか!酷いんです!断罪なんです!今日は一緒にお風呂に入らないと寝てるとき一緒の布団に潜り込むんです!」
また僕の責任なの?!しかも、その罰が実現可能おろか只のご褒美になってるよ!ってか、ただアマミちゃんが甘えたいだけでしょこれ!
「まあ、ミズハが風呂場でアマミと戯れるのは構わんが…それより蓄えるものとはなんだ?」
「良いのかぇ?魔女様は女性じゃぇ?ミズハ殿と入るのは問題がありそうだかねぇ?」
「すいません戯れるとはどう言うことですか?」
「お前ら一度一緒に入っているとき録音テープか何かで音を録音しておけ。」
「普段から一緒に入ってるのかぇ?魔女様も大胆だねぇ。将来ミズハ殿のお嫁さんかぇ?」
「結婚式なんです!式場を探すんです!」
ねえ、話がどんどん明後日の方向に行っていると思うのは僕だけなのかな?
「えっと、アマミちゃん?蓄えるって?」
「式場どこですか?!」
はい終了、終了!落ち着くまで待ちましょう。
「で、蓄えるってなんの話だ?」
「はい!えーっと、お姉ちゃん!それを貸すんです!」
「うん?剣?別にいいけど。」
「やったんです!これで、最強なんです!」
意味がわからないんだけど?!とか言っているうちに、アマミちゃんは剣の他、手提げ袋やらを一ヶ所にまとめていく。
「こうするんです!」
「うん?」
「消えた?」
アマミちゃんがちょっと手を降ると、剣やら手提げやらが一瞬で消えたんだけど?
「何が起こったかぇ?老いぼれには分からないねぇ。」
「アマミ?どう言うことだ?」
「ちょちょいのちょいなんです!」
もう一度手を降ると、再び現れた。
「異空間魔法です!異空間を作ってそこに物を保管したんです!蓄えるんです!もっといれるんです!」
アマミちゃん?!どこにいくの?!店屋に走っていっちゃったので皆で追いかけます。