魔女の知識は教育者の精神にもダメージ与えます
「帰ってきたんです!」
「あ、お帰り。今日は学校どうだった?」
「聞いてくださいなんです!全然楽しくなかったんで…!」
「なんだ?今日は賑やかだな。いや、最近は毎日そうか…と言うよりミズハとアマミが来てから静かだった時がない。」
僕の名前をあげるのは止めてくれませんか?!アマミちゃんが殆ど主犯だよ!
「お帰りなさい。今日は何処に行っていたんですか?」
「あ?あー、まあ、いつも通りだ。」
マジーラさんってなんか隠している気がするんだよね。どうやら前手紙の依頼を受けたときからおそらく手紙の依頼主に呼び出されているような気はするんだけどそれ以降の情報が探偵云々と言うかなんかグレーと言うか…まあ、僕らに害がなければいいか。
「それよりアマミ?学校が楽しくなかったんだってか?何かあったのかい?」
そう言えばそんなこと言っていたような気がする。学校なんて強制教育だし…ぶっちゃけ社会に関わるって自由を全部奪われる気しかしないからそういう組織的なところにアマミちゃんが関わるようになることは避けたかったんだけど。
「そうなんです!今日、薬草学の授業で出てきた薬草について全部説明してあげたんです!そしたら先生に『煩いから廊下に立ってろ』って文句言われたんです!酷いんです!知っていることを何でしゃべっちゃいけないんですか!」
「あー、アマミ?もう少し詳しく話してくれないか?」
どうやら、授業中先生が今日授業で使う薬草類を机に並べたところ前の席にいたアマミちゃんが…おそらくいつものように興奮ぎみに…全ての薬草について名前から用途、副作用まで全部語ってしまったらしい。
まあ、先生の立場にしてみればそれが正解だろうが不正解だろうが煩かったのだろう…そういう理屈である。
因みにアマミちゃんの薬草や薬学系の知識は尋常じゃない。おそらくそこら辺に専門家や研究員がいたとしても軽くそれを凌駕するんじゃないかと言うレベルである。
マジーラさん曰く、魔女は素質で薬に関与するものの知識は非常に高いらしい。細かい理由は500年生きているマジーラさんもよくわからないそうではあるが、戦うために魔力を上げた魔法使いと違い、薬学を極めようと魔力を上げたのが魔女だから…と言うのがマジーラさん論である。
「うーむ…アマミ?学校と言うのはアマミ独りじゃないんだぞ?他にも学生がいるだろう?アマミのペースだけにあわせるのは先生は難しいんじゃないのか?」
「先生の知識は嘘ばっかりなんです!あれじゃ、あの子が折角犠牲になってまで薬草になってくれたのに可哀想過ぎるんです!だったらちゃんとした知識を持つべきなんです!」
「しかしだなあ…」
「マジーラさん。アマミちゃんはこう言う子なんです。逆に変な圧をかけて潰さないでくれませんか?」
「お姉ちゃんはよくわかっているんです!ミズハさんについてきて良かったんです!」
「ミズハ?お前も少しは常識を知った方がいいと思うが?」
「そのよくわからない常識が嫌いなんです。だから僕は組織が嫌いなんです。」
「うーむ…結局は姉妹は似ると言ったところか。」
姉妹じゃないけどね!けどまあ…
「アマミちゃん?学校の先生はそう言うところは頭が固いからそれこそ馬鹿にしていれば良いよ。嫌ならサボってもいいし。」
「ミズハ?流石にそれは言い過ぎだぞ?」
「僕は学生時代バカ真面目に先生や同期の意見を鵜呑みにしていました。その結果、生きるのが辛くなりました。それだけです。」
「はぁ…この二人は極端すぎる。大丈夫か?」
前作の続きからなので若干、導入部分が雑ですが…まあキャラクターも一部ぶっ飛んでいるからイイカナ?