条件さえ揃えばチートな剣に出会いました
「えっと、とりあえず僕に合いそうな武器はありますか?強く握っても壊れない剣とか。」
「ミズハ?人の話を聞いていたか?人間が作った武器を握り潰せる奴が一般的にそれより脆い魔法使いの武器を買ったところで結果は見えているだろう?」
知ってるよ!だったら何でこんなところに連れてきたの?!意味ないじゃん!
「そうだねぇ…。ところでどれぐらい力持ちさんなんだい?見掛けからはそのようには見えないが…魔女様と同じ感じかぇ?」
「ああ、彼も見かけによらず化け物レベルに強いぞ?人間で言うところのBランクレベルの魔物を一発殴ってKOさせたり、一般的な魔術師が使えない高度な魔法を初心者魔法と考えている奴だしな。」
「それはまたすごいねぇ。見ないうちに飛んでもない方たちを仲間にしたんだねぇ。」
あのさ、お願いだから化け物扱いしないでいただけませんか?!僕はいたって普通の女の子だよ!男装はしているけどそれだけだよ!普通の人間だって頑張ればそれぐらい出来るでしょ!え、無理?聞こえません知りません!
「すいません。僕の話は良いので武器の剣なんですが。」
なんか、ただ買い出しに来ただけなのにぐだり始めているので早く終わらして帰りたくなってきた件。もう疲れた、帰りたい。
「店長?そう簡単に握っても壊れないのはあるかい?さっきもいったが、普通の木刀並みの固さなら片手で簡単に折れるそうなのでな。」
片手言わない!化け物扱いするなって言わなかったっけな?!後でとっちめよう!ただ、ここで文句を言うと余計な話が増えるので我慢する。そう、我慢ができる優しい女の子なんだよ僕は!やけくそじゃないんだからね!
「そうだねぇ。固いだけで言うなら無いことはないよ?条件はあるけどねぇ。」
「本当ですか?それはいったいどう言う?」
「ちょっと在庫を探してくるねぇ。」
店長が店の置くに入っていった件。暫くすると結構細い剣を持ってきた。見かけからすると簡単に折れそうだけど。
「これなんてどうだい?」
店長が鞘から剣を抜くとそれこそ細い剣。刃は片方だけであり峰打ちもできる。アマミちゃんは殺すのを基本許さないので手加減するにはちょうどいいかな?
「えっと、なんだか簡単に壊れてしまいそうなのですが?」
「まあ…見かけも中身もそのまんまの剣だねぇ。」
ちょっと待って!じゃあただのおんぼろじゃん!
「確かに見かけはそうだな。とはいえ店長。何かしらあるんだろう?」
「ああ、これはある奴から売ってもらったんじゃが、当本人曰く魔力を注ぎ込むことにより強化されるものらしいねぇ。
彼はそれほど魔力を持っていなかったようでねぇ…辛うじて折らずにすんだが使えないから売るみたいな話だったねぇ。」
「要は注ぎ込んだ魔力に依存して強くなる剣といったところか?」
「そう言うことじゃ。その子がこれを売った彼よりも魔力を持っているなら可能性はあるねぇ。」
「年のためだが、実際に検証したか?要は魔力の高いやつに実際に使ってもらったとかだけど。」
「それがねぇ。売った彼曰く相当魔力に自信があったと言う話でねぇ。まあ、剣くらい直そうと思えば直せるけどねえ。まあ、検証は出来なかったねぇ。
彼の話を聞く限り、彼の魔力はマジーラ殿程ではないにしても一般の魔法使いよりは高かったみたいだしねぇ。」
一応ここは武器屋だから武器は直せるのだろう。ただ、検証していないから本当に固くなるかは分からないとのことだね。
「まあ、取り敢えず触ってみないことには分からないだろう。ミズハ、手にもって確認してみた方が良い。」
「わかりました。」
と言って、剣を持つ。うん、普通の剣だ。細身の剣と言うこともあって、体が少女の僕でも持ちやすい。
「で、どうすれば良いんですか?」
「その剣に魔力を送り込んでみるんだねぇ。まあ、やり方は…ともかく送り込もうと念じれば誰でも出来るねぇ。私でも出来たしねぇ。」
「自分のように杖で魔法を打つ形か?」
まあ物は試しだしやってみよう精神でやってみるよ。まずは適当に魔力を持ってきて…あーどれぐらい入れれば良いんだろうか?ま、まあ…話を聞く限りマジーラさんより魔力があれば良さそうだし、逆にアマミちゃんはキチガイだからそんなに要らないよね!
取り敢えず、真ん中とって一般魔術師の1000倍ぐらい入れてみる。え?どこの基準の真ん中かって?僕基準だよ文句ある?!
「な、なんだなんだ?」
「ほぇ…?この剣の真の姿かぇ?」
魔力を適当に突っ込んだら青白く輝き始めた「けん」。べ、別にこの「けん」に「剣」と「件」を掛け合わせた訳じゃないよ!
念のため、今度は力強く握ってみる。これもどれくらいが良いんだろう…この段階で間違ってへし折ったら元も子もないじゃん!うーん、まあ、ジワジワ入れていこうかな。
検証の結果…まあ、握力2t位までは全然平気っぽいことが分かった。うん。え?人間が握力2000kgって可笑しいって?だ、だって力吸いとれば出来るし…僕単体の力じゃないからね!
この店長さんの言っていることが正しければ、魔力を突っ込めばその分固くなるとの事。具体的にはどれくらいか分からないけど…少なくとも本当に固くなっているのは間違えなさそう。少なくとも初見のあの細さで2tの握力に耐えれるとは思わなかったし…。
シリーズ化していることもあるので、タイトルを見直そうと思います。そう言えば、この小説は在庫込みでそろそろ50万字を突破します。うーん、結構書いているのにタイピングスピードが上がらないのは何故なのか。