漸く武器を買う話になりました
「マジーラさん。ようやく収集しましたけどこれはどう言うことですか?予め言っておきますが説明不十分の場合アマミちゃんを泣かせた罪は許しません。」
「全く、もう少しアマミの加護は押さえた方がよいぞ?ともかく、これで魔女とはどう言うものか分かっただろう?」
「魔法使いとしての目線はです。こんなことが人間で起きるとは到底思えません。」
「だが、人間も魔女を恐れている。それは知っているだろう?」
「どこかで聞きましたけど、だからなんですか?アマミちゃんも種族の壁を越えて仲良くなりたいと言っていました。僕的にはアマミちゃんを魔女としてではなく独りの女の子として扱ってほしいです。」
「当の本人は魔女であることを言いふらしているような気がするが。」
「別に魔女云々ではないです。魔女だからという理由で特別扱いしないで欲しいと言うところです。」
「ブーメラン刺さっていないか?」
「僕はアマミちゃんにとっての最適案に従っているだけです。魔女云々ではありません。」
「あー、分かった分かった。ただ、さっきも見た通り魔法使いは魔女によって助けられた部分もある。君がどう言おうがその事実は変わらない。今後もアマミを導くならそれを頭の片隅にいれておいてくれ。現状、あの魔女にとっても頼れる存在は君しかいないんだ。そこを忘れないように。」
「僕だけですか?マジーラさんのことを師匠と呼んでいますけど。」
「…いや、あの子の今後を考えると僕よりも君の方が重要だ。」
それはどう言うこと?と、聞く前にマジーラさんは店長と話をし始めた。まあ、アマミちゃんには借りがあるし、だからこそ世話はすると決めているけど…アマミちゃんにとって僕はそんなに重要な存在?
「なるほどねぇ。武器や防具を買いに来たんだねぇ。随分話がずれてしまったよ。」
それは貴女が原因じゃありませんでしたか?!本当にそうだよ!今回は適当に買い出ししてとっとと帰ろうと思ったのに話が明後日にいっちゃったよ!
「ともかくだ。こうなる可能性もあるから、魔女だと言うことも桁違いや稀少な魔法は使わないようにと言うことだ。」
「すいません、それはアマミちゃんに言ってください。僕は関係ありません。」
マジーラさんの顔がお前も同罪だ、と言っているように見えるけど無視します。ほら、なにも言わないから問題なし!
「それで、魔女様とミズハ殿はどういった武器をご要望で?」
なんか殿扱いされるようになってしまった件。冒険者ギルドでも様扱いを受けた記憶がある。どうしてこうなってしまうのか。とはいっても、もう帰りたいのであーだこーだ言うのはもうやめます!
「ミズハは剣士だ。ただ、ちょっと握力が高すぎてな。人間が作り出した武器では武器が握力に耐えられないそうだ。出来るだけ壊れにくい武器はないか?」
「握力が高すぎると言うとねぇ。ここにある剣は所詮は人間が使うものに魔法の付加効力をつけたようなものだねぇ。取り分け、接近戦を強いられる魔法使い用の武器であって前線用の武器じゃないねぇ。付加効果は魔法使いの応用で付けているけど頑丈かと言われると心配だねぇ。」
「そう言えば、どうして魔法使いの町に剣なんて売っているんですか?それこそマジーラさんが持っているような杖とかロット系の方なイメージが強いです。」
「それはそうだろう?人間の場合、冒険者パーティーを組むなら前衛が武術師、後衛が魔術師として組む。魔法使いも同じだ。全員魔法が得意なだけであってパーティー組むなら前衛も必要だろう?」
マジーラさん曰く魔法使いは人間より10倍以上魔力が強いそうである。とはいえ、基本魔法使いがパーティーを組むなら魔法使いのみで組むのが常識だという。
「人間だってパーティー組む際にゴリラやチンパンジーとは組まんだろう?そういうもんだ。」
だから例えが生々しいな!もう少し綺麗な具体例はないの?!
「まあ、魔力がそもそも論高いからそれほど武術を使える必要はないが、前衛の場合はそれこそ人間で言う剣とかそう言うものから魔法を出すことが多いな。基本は遠距離、万一近場に来られたら接近でもある程度は立ち回れるようにだな。」
うーん、まとめちゃうと…人間で言うところの魔法騎士とか魔法剣士の分類かな?まあ、冒険者パーティーで魔術師onlyパーティーなんていないから結局前衛役を置く必要性があるらしい。
とはいえ、結局魔法使いなんだからメインは魔法だろと言うことで剣自体はそこまで強化されていないと言うことである。代わりに杖から魔法を出すのと同じように剣から魔法を放つといったところ?僕なりの解釈である、多分あってるよね?!
因みにアマミちゃんは武器なんて持っていなくても魔法を片っ端から使っているようだけど…一般的な魔術師は一応何かしら持っているしアマミちゃんが例外ってことにしておこう。