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結局何をしたかったんだろう?

「そ…そんなことは一切思っておりません。我々は魔女様に作っていただいたこの環境に安堵しております。ただこの綺麗な天候を見まして魔女様がお怒りになったと…」

「自覚があるんですか!私は皆さんの優しさが、この町の雰囲気が、売っているものが、全て大好きなんです!だから、綺麗な町に付加価値を付けただけなんです!

 どうしてそれだけで、被虐的になっちゃうんですか!皆さんと仲良くなりたくて私も頑張って魔法を考えたのにどうして分かってくれないんですか!酷い…んです!酷すぎるん…です!誰も友達…になって…くれないんで…す!」


 アマミちゃんが泣き出してしまった件について。なんだか、皆を諭したいのかただの我が儘なのか全く分からない。


「こんなの嫌なん…です!どうして、皆さん自分の町に…そんなに自…信がないんですか!それこそ、魔女に堂々…と接してほしかったんです!私は魔女だけど…明るい町は大好きだけど…そんな、化け物じみ…た扱いは嫌なん…です!

 魔法使いさんと…も友達になりたいんです!上下関…係は嫌なんです!一緒が良いんです!どうしてまだ皆…さん土下…座しているんです…か!」


 魔法使い達は完全に硬直してしまっている。はた目から見れば、取り分け大泣きしているため、尋常じゃない程の魅了効果が発せられている女の子である。魔女としてではなく、女の子を集団で泣かしてしまったと言う罪悪感の方が強すぎるのではないのかな?


「こんだ…け綺麗な町…なんです!素晴ら…しい町なんで…す!美味し…い町な…んです!もっと堂…々とするんで…す!そして、この魔法…のように…より綺…麗な町にするんです!その方…が良い…んで…す!皆さんと…そん…な町にし…たい…んです!

 魔女は…私は、皆さんを守…るためにいるんです!破壊する…ためには、罪を押し付けるためには…いなんです!皆さ…んと友達になりたいん…です!仲良くす…るんです!種族の壁…なんて壊っしゃうん…です!」


 そのまま、アマミちゃんは泣きながら黙り混んでしまった。感情の制御に限界が来たみたい。個人的、所々良かったんだけど…アマミちゃんは知らないうちに回りが集まるキャラだから、主導権を押し付けるようなキャラじゃないんだよね。流石に荷が重かったかな…お疲れ様。後は僕らの仕事。


 アマミちゃん目線で見れば、本当にただ魔法使いと仲良くなりたかっただけなのかもしれない。それを、魔女だからと言うだけでしかも驚くような魔法を使ったと言うだけで皆の扱いがそれこそ危険な魔女になってしまったことに耐えられなかったんだと思う。


 ただ、仲良くなりたくて一生懸命だった女の子とその行為を全く他の昔の魔女と照らし合わせて判断する大人たち。その認識の違いが一人の女の子を苦しめることになった件。


 自分等がこうだったからきっとこいつもそうなる、俺らの経験上それは正しい…というだけの仕打ちは僕も痛いほど受けたことがあるので気持ちはわかるよ。後で、チョコバナナもう一本買ってあげようかな?


「ねえねえ、友達になろう?」


 完全に静寂に包まれたのち…不意にこんな声が聞こえた。声の主は知らないうちにアマミちゃんの側にいる。よくよく見ると…あれって、さっきアマミちゃんの魔法を見て外ではしゃいでいた子じゃないかな?


「そうだよ。友達になろうよ!」

「そうそう!私もあの魔法見たよ!スッゴクきれいだった!」

「俺もそう思うぜ!な!」

「じゃあ俺も友達になる。」

「「「どうぞどうぞ!」」」

「え?!嘘だろ?」


 どっかの漫才コンビが来たぞ!さっきの女の子含め4人の10歳前後の子供たちである。


「…と、友達が出来たんです!魔法使いさんの友達なんです!じゃあ遊ぶんです!かくれんぼなんです!私を捕まえたら勝ちなんです!

 えっと…景品はバナナなんです…あ!もうバナナ不足なんです!酷いんです!ミズハさん後で補充するんです!逃げるんです!」

「あ、ちょっと待って!」

「それなんか違う遊びじゃね?」


 アマミちゃんがバナナを掲げながら店を出ていった件。そしてそれを追いかける子供たち。


 それかくれんぼじゃなくて鬼ごっこだよね!しかも、この子供たち絶対土下座していた連中の子だよね!勝手にどっか行っちゃうけどいいの?!え、アマミちゃん?あー、あれは現状放っておいた方が吉って占いに出てるから無視します。


 子供たちの親っぽい魔法使いは現状の処理が出来ていなく呆然としてしまっている。他の魔法使いたちも同じ様である。ねえ、武器を買いに来たんだよね僕たち?!


「マジーラさん?アマミちゃんが色々滅茶苦茶にしたまま出ていきましたけどなにか言いたいことありますか?個人的に全てに言い返せる自信があります。」


 なんかマジーラさんに好き勝手された気しかしない件。


「ほら、アマミはいなくなったぞ?もう元に戻っても良いんじゃないか?」

「しかし…」


 こっちを完全に無視である。酷すぎるんですけど?!


「しかしも何もないだろう?実際、アマミからも聞いただろう?別にこの町に危害を加える気もなければ、ただ仲良くしたかっただけだと。

 取り分け、こんな感じの雰囲気は嫌だと言っていただろう?それをこうやって反発していてどうするんだい?魔女にそれこそ喧嘩を売るのかい?」


 漸くの黙認のあと、土下座していた魔法使い達は立ち上がり解散していった件。


「申し訳御座いません。私の娘が魔女様についていってしまいまして…あの、ご迷惑をおかけしていなければ良いのですが?」


 そんなことよりどこ行ったかの方を心配しようよ!子供が行方不明だよ!


「それなら大丈夫だと思います。因みに、アマミちゃんは先程のチョコバナナ屋さんの方へ向かっています。

 鬼ごっこならばそこら辺にいけばお子さんにも会えると思います。」

「あ、ありがとうございます。すぐに迎えにいきます。」


 よく分からないけどお礼を言われました。何故なのか。

 タイトルはミズハの感想だそうです。

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