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自分自身が棚に上がってはいけません

 毎度恒例アマミちゃんがどっか行っちゃいそうなので慌てて追いかけることにします。


「バナナが沢山なんです!」

「ああ、そう言えばこう言うのが趣味なやつもいたな。」


 なにそれ?趣味の問題?!趣味でバナナ売ってるの?!


「このバナナさんは茶色いんです!腐ってるんですか?!」

「いや、チョコレートバナナだ。チョコレートかけられている。」

「かけられているですか!なんだかエロいんです!」


 何でだよ!勝手にR認定しないでよ!と言うより今はお祭りなのかな?チョコバナナって普通そういうイベントのものだよね。と言うより魔法使い横丁でそんなどう見ても人間が作ったものが置いてあるのは意外と言うか不思議と言うか…うん。


「折角だから貰うんです!10本ぐらいです!」


 持てないでしょ!普通のバナナとは違ってチョコかかってるよ!手提げやリュックとかには入れれないよ!


 取り敢えず、今回の目的から外れ過ぎているので1本買ったら即退場しました。最近、アマミちゃんが迂回しすぎて話が進まないので投げやりです。


「ところでアマミちゃん?さっき蛇の墓を作った際に小瓶を使っていたみたいだけど、何に使ったの?」


「これですか?!はい!毒液を回収したんです!」


 毒液?


「蛇さんが猛毒を持っていたので採取したんです!とりわけ使用用途はよくわからないんです!持ったいないのと誰かが欲しがるかもしれないんです!」


 本当に、特に目的もなにもなさそうだな!


「折角ですから誰かに飲ませてみたいんです!」

「おいやめろ。おそらくあの蛇の色から察するに、麻痺系の毒を持つ魔物だ。毒を受ければ、体が麻痺し最悪心臓麻痺で死ぬぞ?」


 何でそんな物騒な生き物が、魔法使い横丁のそばの森にいるんですか?!危ないよね!


「じゃあ、なにかに使えそうなんです!保管しておくんです!」


 いや捨てようよ。アマミちゃんが持ってるとまたろくでもないことになりそうで怖いんだけど!何?アマミちゃんは毒物を集める趣味でもあるの?!


「あー、ミズハ。なんだか色々考えているようだがこれも魔女の特性だ。薬品に関わりそうなものには目がない。

 少々というか性格は全般的に魔女としてあるまじきところもあるが…やはり本質は魔女で間違えなさそうだ。」


 マジーラさんがよくわからないけど、アマミちゃんのことを魔女と認めているようである。なんだかなあ。


「で、まずは服の購入だったな。こっちだ。」


 結局服の購入は避けれないようである。こうなったら、マジーラさんにせがるかアマミちゃん可愛さアピールで何とかしてもらうのを祈るばかりである。


 え、ドケチだって?いやいや、いま所持金20万G無いんだからね?!これで武器を買うんだからね?絶対足りないからね!


「さてここだ。」


 取り敢えず、言われたところに入ってみたけど…あれ、いたって普通である。てっきり、魔法使い横丁とかどうとか言うものだからマントだらけとかそれこそ三角帽子だとか魔法の杖とかそんなもんばっかりだと思っていたんだけど。


「どっちが美味しいか食べ比べするんです!」


 ちょっと待てい!!どうして服屋に入って食べ比べが発生するの?!布なんて食べても絶対美味しくないよ?!


「アマミ?服屋でバナナを頬張るのはどうかと思うが。」


 よくよく見てみると、さっき買ったチョコレートバナナとどっから引っ張ってきたかわからないけど普通のバナナで食べ比べしている女の子がいる。どっから出したかはどうせ鞄のなかだと思うけどそういう問題じゃないよね?


「駄目なんです!こういう頭を使うときには取り敢えずバナナを食べれば良いって相場が決まっているんです!」


 なんの相場ですか?!いや、確かにバナナは糖分と他の栄養素の都合上頭に糖分が行き届きやすいんだけど…食べすぎたらただ太るだけだよ?!精々2~3時間に1本だよ?


 なんか、色々突っ込んでいたら喉が乾いたので、僕も補充のため牛乳を飲んでみることにする。今日はパックである。ところで◯◯オレみたいな飲み物が流行っているらしい。今度買ってみようかな。


「お前たち、食い物や飲み物は良いから何かしら服を探さないのか?」

「お腹が空いては戦ができぬです!」

「それほど興味ないですし。」


 そう言えば、そろそろお昼である。お腹が空いてきた。


「ま、全く…女子の世話はこんなに大変なものなのか?誰か教えてくれ。」

「多分アマミちゃんが例外だと思います。」

「自分自身を棚にあげないでくれないか?」

「棚に上がれば良いんですか!あ、彼処に高いところがあるんです!」

「あ、アマミちゃん?そこよじ登ると色々転倒してきて生き埋めになっちゃうよ?」

「そ、そうなんですか!この店は危険すぎるんです!訴えるんです!」


 商品棚によじ登ろうとして止めたらこれである。流石に人間の店屋でも、商品棚によじ登られることを想定して作ってるものはないと思う。最近、どっかでSNSに流行っているかは知らない。


「すまない、もうすぐ昼になる。午後も冒険者の武器とか買うんだろうから早く選んでほしいのだが。」


 マジーラさんがなんだかやけくそになってる気がするんだけど…少なくとも僕に非はない。面倒事の原因は大抵アマミちゃんだし、うん。

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