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十七話 私達で騎士団を作る!!

おはようございます!

今日も一日頑張っていきましょう!

マリアの話を一通り聞いた小雪達は、

彼が明るく振舞っていた時と騎士達に出くわした時の態度を思い出し、比べていた。


誰にも信用されない悲しみと辛さに悶え苦しみ、自分自身の血に罪を感じている。

徹は蒼真を助けてやりたいと思った。

少なくともそれは三人に共通している点として取れる。



「……蒼真を助けてやりたい!

マリア、どうしたら良い!?」


だが、マリアは。


「……残念だけどあんた達に出来ることなんて無いわよ。

これを話したところで、私達に出来るのは蒼真ちゃんを励ますことくらいなのよ。


今の蒼真ちゃんを励ましても何にもならないんだけれどね」



何にも出来ない?

そんなわけない。

徹は必死に考え、答えを導き出そうと足りない頭を働かせる。



「……ん、なら騎士団潰せば?」


「!?」


マリアは小雪の発想に驚愕した。



「その発想はなかったな!

んじゃ、早速……」



「馬鹿なの!?」


流石にダメだと気付き、再度振り出しに戻った徹は溜息を吐いた。



「……んー、何かいい手はないかな」



「あるよ」


梓が俯きながら呟いた。



「……え?!

や、社、それはなんだ!?」



「……ん、私達で騎士団を作る!」


は?

と言いたくなったが、マリアも何かいいアイデアを思いついたように頷いた。



「それ良いわね!

私の顔を通じれば、新木場にお願いして新しい騎士団を作ることなんて簡単よ!」



「えっ、でも俺ら三人しか居ないぞ!?

蒼真を入れても四人!そんな騎士団存在するのか?」



「良いのよ、存在するかどうかじゃない!

今は、出来ることを全力でやってみるしかないの!」


早速!と言わんばかりに、

マリアは端末で新木場に通話をかけるために、裏口の方へとスキップで去っていった。



「……騎士団って言っても、

俺ら素人と魔女だぞ……?」


「いいんじゃねぇの?

そんなもん、後で鍛えて豪傑にしてもいいしな!どうにでもなりやがるわ!」


彼女はやる気満々だ。



「騎士団って面倒臭そう。

大体、団体とかあんまり好きじゃないんだよなあ……人が多いとうるさくて眠れないじゃん」



そういう問題かよ、と二人は珍しく意見が噛み合った。



_______すると、走ってこちらに向かってきたマリアはいつになく嬉しそうに駆け寄って。



「新しい騎士団の申請、大丈夫よ!

今日の昼までに王室の前で騎士団長と騎士団名を決めときなさい!


後は新木場がどうにかしてくれるわよ!」



「やった!よかったです。

マリアさん、ありがとうございました!」



「いいのよ!

そんなことよりも、頑張ってちょうだい!

あんた達に賭けてみることにしたわ!」



上機嫌のマリアに礼を言って、

喫茶マリアを後にすると、三人は王宮へ向かう途中に騎士団長と騎士団名を決める小話をし始めた。



「……騎士団長は、社でいいよね」


「うん、異議なし!騎士団名はどうす……」


円滑に話を進めていこうとする二人の会話は話に納得がいかない彼女に遮られた。



「な、何言ってんの……ですか!!

私が出来るわけないじゃないですか!!」



「社、言葉があやふやだぞ」



「うるさい!」


ローブに身を包んで、半分見えない顔を赤らめた彼女は怒ったように徹へ飛びかかる。



「やめろっての!!

だったら、誰がやるんだよ!」



「ジャンケンで負けた人でいいんじゃない?ですか!!」


思いつきだが、決めるのは難しい。

結局、その決め方に。



「……最初はグー、じゃんけんっ!!」



_______ともあれ、騎士団長は小雪になった。

二人がパーの小雪が見事にグーで一発負け。

少年は肩を落とした。



「……そんな、なんで僕が……!!

これじゃ目立っちゃうじゃないか!!」


「どこにキレてんだよお前」


「次は騎士団名ですね。

どうしますか?」


彼女が呟いた直後、思いついたように徹が発した言葉で騎士団名が決定した。



眠りの騎士団(ヒュプノス)


今後、この騎士団がこの世界を揺るがす最強の騎士団に変わろうとはまだ誰もこの時、知る由すらない。



_______数時間後。

王宮にて申請を済ませた彼らは、

《理想郷》にとっての4つ目の騎士団。

《眠りの騎士団》を結成した。


新木場も蒼真のことは心配していたらしく、これを機に彼が明るくなってくれることを祈っていると、激励の言葉をくれた。


後は蒼真を《円卓の騎士》から脱退させて、こちらの騎士団に入れるのみ。

彼らは近くにいた《円卓の騎士》の兵士に声をかけた。



「魔女野郎……おっと、口が滑った。

蒼真の居場所?


ああ、今頃なら懲罰房で俺らに逆らった罰を受けてんだろうさ。

ところであんたら何も……!!!」


意気揚々と楽しげに今の状況を説明している兵士にイラついた徹は、思わず殴り飛ばしてしまった。

王宮から出てきたばかりの彼らの現在地は、《円卓の騎士》の領地のど真ん中。


そんな場所で兵士を殴り飛ばしてみれば、

何が起こるかは一目瞭然だ。



「……テメェ!!

この場所で俺に喧嘩売るたぁ、良い度胸だな!


お前ら、全員ぶっ殺してやる!!」


鼻血を手で抑えて、激怒した男は周りにいた兵士達に三人を敵とみなすように命じた。

その態度から推測するに、この辺を仕切ることを任されたそこそこ上の立場の人間なようだ。



「……くっそ、やっちまった!!

こうなりゃ、強行手段だ!!


おらぁぁぁああ!!」


なかなか腕っ節の強い彼は、

剣を持って襲い掛かってくる兵士にも動じずに拳を振り上げる。

兵士達の剣による攻撃を軽い身のこなしですり抜けるように避けきり、彼の攻撃の乱打で押し切ろうとする。


_______だが、騒ぎを聞きつけた兵士の増援が止まらない。

地面には徹に倒された兵士が複数蹂躙しているが、目の前にはその数を圧倒するほどの人数。



「……ダメだ、眠い。

こんな状況なのに、睡魔が……」


バタッと音を立てて、崩れた小雪。

寝息を立てて眠っているようだ。


街のど真ん中で止む終えずに、

梓が詠唱を手向けようとした瞬間だった。



「……危ねえな。

お前ら、どいてろ!」


明らかに人間業ではない速度で、

徹の目の前に立っていた男五人を拳で蹂躙した少年は目を瞑ったまま、二人に命じた。



「小雪、また!?」


「またってどういうことですか!

小雪君がなんか……」


徹は確信し始めていた。

彼の身に宿っている謎の力を。


眠りに起きる最強を。



更に動きを速くして、彼は拳を乱打した。

剣を振り下ろすも、彼の残像を追っているだけの兵士では到底小雪には追いつけない。


僅か数分だっただろうか。

増援によって増えた兵士も簡単に崩れ落ち、

地面に転がって気絶している。



「……ちっ、時間か」


再び、パタリと倒れると、

小雪は目覚めて、世界に一言紡ごうか。



「……おはよ、世界」



梓も彼の身体の秘密を疑った。

もしかしたら、魔術師の才能を秘めているのかもしれない。と。


《眠り勇者》の覚醒はまだ。


序の口レベルにも達していなかった。


昨日はすいません。

眠すぎて無理でした。


次回もまたよろしくお願いします(゜∀゜)

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