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第一話 最初から眠いや、第1話だけど問題ある?



ーー十年前。

人類が全ての生命体の頂点に君臨していた頃、人類は一人の《魔女(ストレガ)》の手によって滅亡の一歩を大きく踏み出すこととなる。

世界を混沌の海に陥れた《魔女(ストレガ)》は古くから伝わる禁断の魔法書《世界暦書(ワールド・カルチャー)》を主人である《魔王》に譲渡してしまった。


__そう、此処から全ての歯車が噛み合わなくなった。世界の均衡が簡単にも崩れる音。


人類が生存出来る確率が5(パーセント)を切った世界の幕開けを。


ーー現在。

今を生きる一人の青年が起き上がった。


「んっ…なんだ世界滅ぶの夢か…おやすみ」


「待て、小雪!!夢じゃない、起きろぉぉお!」


コレは、気怠げ勇者、小清水 小雪が、後に《眠り勇者》という大英雄として世界に名を轟かせるまでの物語である。






……もう認めるしかない。

僕は完全に道に迷ったようだ。

《魔王》が世界を《世界暦書(ワールド・カルチャー)》で改変させてから約十年。齢、六歳だった僕は親と妹を失った。

でも、だからと言って復讐心が目覚めるわけでも、

戦闘意欲があるわけでもない。


僕は昔のことを忘れて、ゆっくり眠れる世界を作れればそれでいい。

全てのことを水に流す代わりに、平和で安定した世界が実現することを。



現在の季節は冬。真冬の寒さに負けないよう、厚着はしているつもりだが、それでも足りない。

それに、さっきから同じところをぐるぐると廻っている気がする。


昔の地図を頼りに歩いているが、世界を改変したせいで地形までもが改変されてしまったのか、地図通りの道になってはいない。



もう半ば面倒になってきていたので、巨大な瓦礫の小さな隙間に入り込み、岩壁に背中をつけると、凍えた両手を温めるために脇の下に押し込んだ。

このまま、眠ったら気持ちがいいだろうな。

もうこの際……死んでも大丈夫。


でも、僕の生きる力とやらはまだそこまで限界が来ていないらしく、寒さを乗り越えようと必死に体温を脇に掻き集めている。

冷たい星の光と爪のように長い三日月によって、周りを囲む岩柱は硬い手足の骨のように見え、辺りの静けさは正に墓地のソレだった。

吐き出す息が真っ白で空中に浮遊し、たちまち消える。寒い夜になりそうだけれど、下手に動き回って迂回中の魔族に見つかるよりはこのまま、ジッと動かずに日の出を待っているのが賢い手だ。


僕はジッと脇の下に押し込んだ両手に心地よささえ感じながら、日の出を待った。

そうは言ってもまだ夜中の二時。


僕が動ける許容範囲内の体力は既に限界を超え、もしココで魔族に襲われようものならば必死に走って逃げることは出来ない。

ーーだが、僕が考えている最悪が起こった。



「……なんか人間の匂いがするぞ?

この辺の瓦礫の下ら辺から…」


最悪だ。

最底辺魔族の森の番人、猪鬼(オーク)が僕の匂いを嗅ぎつけて、背中を預けている岩壁のすぐ後ろを火のついた木の枝を持って、近づいてきている。

このままでは、猪鬼に見つかるのも時間の問題だ。


だから、僕は次の手段に出るしかなかった。

一番手っ取り早く回避を推奨する敵から見つかっても問題がない方法。

それは……!!


「やっぱりか!岩壁の裏から人間の匂いがすると思って、来てみれば居るじゃねえか!

美味そうな人間のガキがよ!!


お?ちょっと待てよ、死んでない?

俺は死肉だけは食いたくねえんだよ…!

何つーか、底辺魔族だったら何でも食うみたいに思われたくなくてよ!」


オークさんは僕の顔を飴でも舐めるかのようにペロリと舐めた。

死人と生人の区別がつくのだろうか。

彼は残念そうな表情をして、僕の目の前から去って行った。



_____死んだフリ!!


もし、相手が猪鬼じゃなければ死肉を身に付けている生きた人間だと簡単にバレてしまったかもしれない。

奴等は脳が足りてない底辺魔族だ。


もし、バレてしまったとしても___


「あ?てめえ、生きてやがんな!

此処の肉、食わせろ!!」


「いや、死んでますよ。

何言ってるんですか…致命傷です」


「マジかよ…死人は要らねえ!」


ーーって言えば、きっと了承して何処かに消えてしまうかもしれない。



僕は岩壁に寄りかかり、地面に腰掛けると、脚を開いて目を瞑った。

砂漠や氷山などの寒々とした空気が取り巻く環境ではなく、数ヶ月か前には人が住み、幸せな家庭を築いていた街であれば凍死することはない。


ーーはずだった。



「おいでー、おいでー、こっちの川を渡って仕舞えば、君も晴れてユウレイだよ〜!

早く、早く!今なら渡るだけ!渡るだけよ!」



家電製品売り場とかでよく見る押し売りのような態度で周りがモヤモヤとした空気に覆われている場所にある川の先のお祖父さんは優しい表情のままに手招きをしている。

渡るだけで楽になれる。

ーーそんないいことはない。

何もかも面倒くさい僕には…。



ーーッッ!!

もう少しで川を渡り切るというところで、目が覚めてしまった。

恐らくアレを昔の人の言葉で言うのであれば、三途の川という奴なのだろう。


けれど、目的は達成した。

僅かに寝ていると思っていたが、岩壁と岩壁の隙間から木漏れ日のように射し込む太陽の光が目覚まし代わりに僕を起こしてくれた。

つまり、朝になったということ。


昼の間であれば、高位の魔族以外なら屋根がない空に顔を向けることは出来ない。

彼等の弱点は太陽の光だ。


太陽の光さえ、見せて仕舞えば魔族なんて怖いとは思わないが、魔法も武器も持ち合わせていない特殊異能を使いこなすことさえ不可能な人間にはあり得ない対処法だ。



さあ、ここからどうしようか。

普通のテンプレファンタジー小説であれば、世界の命運を背負った若き勇者の主人公が魔王の軍団を倒していくという物語で、ハッピーエンドを迎えられるのだが。


別にそんなことは望んでいない。

もし、この世界がこのまま腐敗し切っていようとしても、僕は寝ていられる自信がある。

これだけは曲げたくない。






岩壁の間から顔を出すなり、僕が目にした光景は___



「やっぱり、居やがったか!

仲間を呼んで来て正解だったぜ!」


「おおおお!オー君、やったな!」


「河童のワシにも食べさせてくれろ!」


「牛の鬼、この牛鬼様が貴様をぎゅうぎゅうに握り潰して食ってやりたいんだ!牛だけに、ぎゅうぎゅうってな!

がははははははは!!」



ーー四体の底辺魔族が僕を美味しそうなものを見る目で涎を垂らしながら、岩壁の前で待ち伏せしていた。

面倒臭い。

日に弱いことを理解しているのだろう、やはり彼等は日傘を差していた。


魔王に仕える魔族というものでありながら、何故日傘なんて可愛らしいものを差し、まるで開店前のケーキ屋さんに並ぶ女子のように待ち伏せ出来るのか、そのイカれた神経が知りたい。

一部寒々しいことを言ってるヤツも居るし…。



「オイ、テメェ!!

俺らの食べモン何だから、さっさとそこに座って、殺されろ!逃げんな!!」


いや、そりゃ逃げるでしょ。

自分が喰われるかどうかの生死を彷徨う状況下で回避を頭の中で推奨しないやつといえば、テンプレファンタジー小説の勇ましい主人公くらいだ。


残念ながら僕には余力などない。

一年中寝ていられる生活をしたいくらい、世界が魔物に襲われていようとどうでもいい。


……以下の理由があるために、僕は岩壁から出てくる自分を捕らえようと必死に腕を振りかざす魔族の輩達の腕を気怠げなステップで掻い潜ると、一目散に走ろうと一歩を踏み出……!!



……せなかった。

眠い、とにかく眠い。


なら、早く終わらせればいい。

何を?相手の魔生を。


ーー、一撃で仕留めればいい。


「ふぁーあ…ねむい。

魔物さん魔物さん、おやすみなさーい!」



僕の手には右ポケットから取り出した素晴らしい武器が携えられていた。

魔族が相手であれば最強クラス、人間が相手であれば、ただの変な人。


僕は、特別道具の一つである。

「手鏡」を取り出すと、少しだけ距離を取り、太陽の光が直射で当たるように鏡を、太陽と魔族四匹に傾けた。



刹那に放たれる光線は魔族四匹の身体を容易い程、簡単に貫き、身体に穴を開けた。

何が起こったのかさえも気づけないままに、彼等は「おやすみなさい」を実行した。


永遠にこの世界からおやすみなさい。を。



____続く。















いつかこんな勇者モノを書いてみたかった!

なんて思った果てに書いてしまったハイファンタジーです。

拙い文章で紡いでいく物語ですが大丈夫問題ありません。作者も気だるい感じで書いていきます。


尚、レビューと感想、採点等は面倒臭がり屋の作者でも返せるものは全て返します。

ブクマもレビューも全て返します!!


twitter↓

@sirokurosan2580


更新速度は出来れば毎日!無理であれば、マイペースに書き進めていきたいと思っていますので、どうか暖かい目で見守っていてくださると嬉しく思います。

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