敵状視察
「翌朝」疲れを癒せたかと思えば
すぐに敵状視察と来た。
まったく、疲れさすことしか
させないなんて、神様は、意地悪ですね
世界の平和の為には、仕方ない事
なんでしょうけど・・。
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「ダズル森。」
何の変哲もなく、アジトらしき
廃墟や建物が見つからない。
地図を渡されたが、
あてにしたのが悪かったのか??
ハヅキ「無さそうだね
確かここのはずなのに・・。」
べニラ「もしかしたら
罠かもしれないですね・・。」
ハヅキ「その可能性は、ないと思うけどね
用心に越したことは、無いけど・・。」
ハヅキは、跪き、草むらに
異変を感じて、魔力で少し、浮かす。
四角状の扉がミリ単位で開き
すぐさま、静かに閉じる。
べニラ「階段が見えましたね」
ハヅキ「そうだね、どうやら
ほんと見たいだね、
見つからないうちに帰えらないと
余計な戦は、避けたいし・・・。」
メルル「その余計な戦に
出会したちやったみたいね」
目の前には、少女の横には、
見たことのない男がいた。
ハヅキ「君は誰かな??」
べニラ「メルルさんって言う人ですよ」
ハヅキ「ふーん、可愛い名前だね」
ニッコリと笑い、メルルを照れさせる。
「べ、別に可愛いなんて
言われて嬉しくないんだからね!」
「本音がバレバレだぞ
敵に褒められ位で照れるな」
メルル「うるさいわね!
照れてなんかない!!」
「そうか・・・。」
べニラ「カタストロフィ、
あなた達のアジトですか?」
「そうだがそれがどうした?
今からここを壊すつもりか?」
べニラ「そうしたいのは、
山々ですが、今日は、敵状視察
に来ただけです。」
「そうか、それは、残念だな
帝国騎士団ごとみな殺しに
してやったのに・・。」
べニラ「出来ないことを言うなんて
随分、自分達を過信してるみたいですね
貴方達ごときに騎士団は、
壊せないですよ」
メルル「そうかしら?
そんなの分からないじゃない
やってみないと・・。」
ハヅキ「まぁまぁ、僕達は、
今は、君達と争う気は、ないんだ
だけど、売られた喧嘩は、
買うのか決めるのは、騎士長だからね」
べニラ「なんで俺に振るんですか?」
ハヅキ「何となくだよ」
べニラ「逃がしてくれる訳ないですよね」
「そりゃもちろん・・。」
べニラ「分かりました、戦うしか
選択肢がないみたいですね・・。」
ハヅキ「じゃあやるってことかな??」
べニラ「まぁそうなります。」
ハヅキ「ふーん・・・。」団員に合図して
2人を囲んだ・・。
「流石、天下の騎士団は、違うよな」
メルル「呑気に言ってる場合じゃないわよ!
ジョン!こんな大人数どうするの?」
「ここで捻じふせれば、あとが楽になるだろ」
メルル「そんな事を出来る確信があるの?」
ジョン「さぁな、そんなの知るか・・。」
メルル「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ハヅキ「なんか揉めてるみたいだね」
べニラ「そうですね、今2人って言いました?」
メルル「そうよ!!皆は、さっきまで
ここにいたけど他の国に
破壊活動しに行ってるわ!!」
小声で耳元で囁いているが
丸聞こえだ。
べニラ「いい事を聞きましたね、
団員、世界各国に連絡魔法紐を
張り巡らしてください。」
団員達は頷き、魔法を唱えた。
ジョン「お前が口を滑らすから
お偉いさんが勘ぐったじゃねぇか?」
メルル「うるさいわね!てかドンだけ
地獄耳なのよ!小声で喋ったつもりなのに・・。」
べニラ「あれが小声って言うですかね??
誰だって聞こえると思うですが・・。」
メルル「嫌味な奴ね!!」拳銃で
銃弾を打つが咄嗟に剣で切り刻まれる。
べニラ「殺す気ならもっと早くしてください、
止まって見えて仕方ないですよ」
メルル「もう、ムカつくわね!!」
ハヅキ「そんな怒ったら可愛い顔が台無しだよ」
メルル「何言ってるのよ!そんなのあたしに
通じると思ったら大間違いよ」
ジョン「さっきまで通用してたけどな」
メルル「やかましい!!」ジョンの
足を思い切り、踏みつけ、悶絶していた。
ジョン「痛いなぁ!!八つ当たりは、やめろよ」
メルル「あたしは、魔法では、
誰にも負けないんだから」
ハヅキ「スーパーマジカルシャウト!!」
メルルが発した魔法陣を消去して
その上、一定時間、魔法を使えなくした。
メルル「なんでそんな、超強力魔法を使えるの?」
ハヅキ「実力かな??」横から
矢が飛んできて、素早く避ける。
ジョン「そのキザな喋り方、凄い癪なんだよな」
ハヅキ「そう?それは、残念だね」
ジョン「おいおい、男もイケる口かよ」
ハヅキ「まさか、俺は、ノーマルだよ
それより、よそ見しない方が身の為だと思うけどね」
べニラが背後から、剣を振り回す。
ジョン「おっと、危ねぇな、お偉いさんよ」
飄々と避け、笑みすら浮かべている。
べニラ「よそ見する方が悪いでしょ・・。」
騎士団員達は、矢を無限に撃って
避けるが、どんどん、逃げられる場が
奪われる。
ハヅキ「作戦通りだね、 ホワイトローブ!!」
魔法陣から透明な糸が現れ
固く頑丈で2人を締め付ける。
べニラ「ほんと、貴方は、隙がない人ですね」
ハヅキ「それは、褒めているのかい?
余計な戦は、避けた方がいいだろ」
べニラ「まぁそれもそうですね」
ハヅキ「女の子に乱暴な真似は、
したくなかったけど、ごめんね
罠にかかる方が悪いだけどね・・。」
メルル「貴方も嫌味な奴だったのね!!」
ハヅキ「そりゃ長い付き合いだから
写つちゃっても仕方ないでしょ」
べニラ「本人がいる前でよく言えますね」
ハヅキ「冗談だよ」陽気に笑い
べニラは、呆れ果て、団員達を引き連れ
去っていた・・・・・。
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「王宮 応接室」王様「突然、すまないな
ルイーダ首相・・。」
「嫌、そんなのは、いい、
うちの国にテロ組織のアジトがあるのだろ」
王様「さっき、報告があってな
ダズル森にほんとにある。」
ルイーダ「そうか、それは厄介じゃな
街中の警備を厳しくしないとな」
王様「カタストロフィの事は、
俺が何とかする。ルイーダ首相の手は、煩わせない。」
ルイーダ「ルベルの件、責任を感じているのか?」
王様「帝国刑務所に閉じ込めたつもり
だったが、どうやら裏でカタストロフィと
繋がっててたみたいで、それに気づけなかった。
生かすべきでは、無かったみたいだ。」
ルイーダ「自分の情けが仇ってなったとでも
言いたいのか?それは、違う。
ルシウスの息子がここまでクズとは、
知らなかったんだ、ワシもお前も
世界を手に入れる馬鹿げた事を
未だに夢見てるとは、仕方ない男じゃ・・。」
王様「ルイーダ首相には、ほんと頭が上がらない
カタストロフィとルベルを早く何とか
しなければ、平和は、崩れ去ってしまう。」
ルイーダ「そう、気負いするな
今日は、テロを行われる予定だった
それを阻止できただけでも
国民の命は、救われたんだ。
後は、スラドで起きた火事の件を
調べてからじゃな・・。」
王様「それなら、今、スラドの首相が
調べてくれてる、報告は、夜になりそうって
たしか言ってたな」
ルイーダ「分析に時間がかかるみたいじゃな
その時まで待つしかないか・・。」
王様「ルイーダ首相は、帰ってくれて
いいからな、なんせ物騒だからな」
ルイーダ「心配症じゃな・・・。」
王様「状況が状況だから、仕方ないさ」
ルイーダ「お言葉に甘えて、帰れさせて貰おうか
またカタストロフィについて
分かったら教えてくれ、
それと王様が助けを呼べば
いつでも駆けつけてやる
それだけは、胸に留めて置いてくれ・・。」
王様「分かった、ありがとうな」
ルイーダ「じゃあな」応接室を去っていた。
一つ気がかりな事がある。スラドの火事現場を
写した写真には、業火で燃やし尽くされ
ほとんど焼け野原状態だった。
写真を見ている限り、人間の仕業だとは、思えない。
いくら魔力が強くてもこんな業火は、
放ってない。それにあの村は、
広く、人口が多く、家も多い。
あそこまでするには、至近距離で
大人数でやらなきゃいけない。
写真だけじゃ分からんし、
直接、現場行ってみないと分からんな・・。
明日、早速行こうか・・・。
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「夜 王宮 書斎室」王様「そうか、
カタストロフィというメッセージがなく
何も残されてないんだな」
スラドの首相「そうですね、
彼らでは、なく、他の者の犯行の方が
可能性が高い、また分かったらご連絡します。」
王様「おう、それは、助かる。
ご苦労様だったな、ゆっくり休んでくれ」
スラドの首相「ありがとうございます
じゃあ失礼します。」
伝令魔法で話を済ませ、ソファーに座り
眠りにつきそうになる。
ドアが開き、そこには、べニラが居た。
「お疲れ様です。王様、
アジトの場所、地図通りでしたよ」
王様「そうか、敵には、出会したりしなかったか?」
べニラ「まぁしましたが、大丈夫でしたよ
何か分かりましたか?」
王様「最近起きたテロは、カタストロフィ関連が
ほとんどって言うだけだ。」
べニラ「それでも進歩じゃないですか」
王様「そうなのか?ダズルまで行ったのに
早いな、明日になると思ってたんだが・・・。」
べニラ「ハヅキ副騎士長の強力なループ
で早く帰れたんですよ、あれは、助かりましたね」
王様「移動魔法って難しくないか?」
べニラ「誰かさんみたいに失敗して
知らない土地に飛ばされるって事は、
無いですからね・・。」
王様「俺じゃねぇか!学生の時の話だろ
明日、スラドに向かおうと思う。」
べニラ「分かりました。俺は、
明日は、騎士団での仕事があるので
お仲間の同行上ならいいですよ」
王様「そうするつもりだ。
たまには、ゆっくり休めよ、べニラ」
「貴方に言われたくないですよ、
お疲れ様です、王様。」
王様「ほんと嫌味な奴だな」
べニラ「ハイハイ」軽く微笑み、
また一人になり、ソファーに
寝ころび、いつの間にか眠ってしまった。
俺も人の事は、言えない。
でも休んでる暇があるのなら
平和を崩れ去らないように食い止める事に
最善を尽くすそれだけだ。
続く




