ピグの決意。
僕は、勇者、それは、
誰もが知ってる事、
世界を救わなきゃいけない使命を
背負っている。
難しいことは、よく分かんないけど
大切な人達を死なせたくないのなら
世界を壊そうとする悪いヤツらと
闘う時がくるかもしれない。
どんなに強くて卑怯でも
僕は、この世界のために
拳を振るだろう。
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故郷である、村に着いた
家に帰ると、お母さんは、
優しく出迎えてくねる。
「おかえりブー、あら
べニラさんもガイ君も上がってブー」
「お邪魔します。」
ガイ「じゃあ入らせて貰うぞ」
2人ともソファーに座るように
促された。
ピグ「僕は、上に上がるぶー
ここでちょっと待ってブー」
ガイ「おう」ピグは、階段を上がり
自分の部屋に入っていく。
べニラ「ピグさんは、
どうするでしょうね、
出来るだけこの戦いには、
巻き込みたくないんですが・・。」
ガイ「命が危険だからか?
それ言ったらピグ、怒るぞ」
べニラ「それは、分かってます。
あの方は、使命感が強いのは、
知ってますから、
嫌な予感がするんです。」
ガイ「そんなの分からねぇし
悩んだって仕方ねぇだろ」
べニラ「そうですよね」
ガイ「王様になんか言われたのか?」
べニラ「言われなくても分かりますよ
あの人は、大切な人達を戦に巻き込む事を
非常に嫌ってる人ですから・・。」
ガイ「大事に思われてるのは、わかるけど
余計なお世話だな、
自分から巻き込まれて行ってるのに
それぐらいの覚悟は、出来てる。」
べニラ「昔の王様とほんとうに
似てますね、まぁこれ以上
事がややこしくならないうちに
締め上げないとえらい事になるかもしれないですね」
ガイ「それは、言われ飽きたよ
あのメルルって奴、また来ないかな」
べニラ「挑発すれば来るじゃないですか?」
ガイ「そうか、またなんか考えるか・・。」
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きっとお母さんとお父さんは、
僕が行きたいように進みなさいと
言ってくれるから、大丈夫。
荷物をまとめ、下に降りると
お母さんに話しかけられる。
「詳しい事は、知らないけどブー
ニュースラジオで聞いたブー
ピグは、勇者だけどブー
その前にあたしの息子ブー
しんどくなったらいつでも帰っておいでブー
あんまり、気負いするなブー」
お父さんは、お母さんの横に居たけど
後ろを向いて「生きて帰って来いよ」と
呟くだけだった。
その短い言葉でもどれだけ重いかがわかる。
そんなの分からない、でも
王様は、僕をそんな事には、させないと
約束してくれるから・・・。
「そんなの決まってるブー
ちゃんとここに帰ってくるブー
ガイ達、行くブー」
ガイ「いいのか?ピグ」
ピグ「うん、いいブー」僕は、決めたんだ。
大切な人達の為に拳を振るう。
勇者としてじゃなく、僕として、
自分の気持ちに嘘は、付かない。
****************
カーサン都市に向かう為、
森をあるいていた。
ガイ「とりあえず、今日は、
宿に泊まった方がいいよな」
べニラ「そうですね、あの件どうなんですか?」
ガイ「あぁあれな、会ったことがあるし
伝令魔法使えると思うだけどな」
べニラ「それは、挑発できそうですね」
ピグ「何の話ブー?」
ガイ「メルルって奴に会っただろ
一昨日の事件に繋がってるかもしれない
それを本人に直接確かめるだよ」
ピグ「何となくわかったブー
でもガイの挑発に乗るかブー?」
ガイ「やって見なきゃ分かんないだろ
とりあえずやるぞ・・。」
べニラ「まぁ見ててください、
きっと上手くいくと思いますから」
ピグ「そうブー??」
ガイの足元に魔法陣が現れ、
伝令魔法を唱えた。
「俺達はなぁ、今、カーサン都市に
行く為に月の精霊アルテミスがいる
森にいる、来るのも来ないのも自由だが
俺達を狙うって事は、それなりの理由が
あるんだよなぁ、負けたままでいいのかよ
それともプライドがないのか?
答えろよ、聞こえてるだろ??」
メルル「聞こえてるに決まってるでしょ!!
うるさいわね!!行けばいいでしょ
そこに居なさいよ!今から向かうから!」
ブチッと伝令魔法が切れ、
ガイは、グーサインをしていたので
どうやら上手く行ったらしい。
ピグ「これからどうするブー?」
ガイ「ちょっと奥に行こうぜ
待ち伏せてやるんだよ」
ピグ「まぁいいブー、じゃあ行くブー」
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メルル「そこで待ってなさいって
言ったのにいないじゃない!」
事前に仕掛けた魔法で丸聞こえだ。
メルル「どうしようかしら
どうせ、逃げる為に先に進んでるに
決まってるわ、とりあえず
行くしかないわね」
俺の狙い通り、メルルは、
奥に進み、俺達がいる所にたどり着いた。
ピグ「こんなわかり易い罠に
引っかかるブー??」
ガイ「静かに!聞こえたらどうするんだよ
やって見ないとわかんないだろ」
べニラ「まぁ、ガイに任せましょう。」
ピグ「心配ブー・・・。」
メルルは、ガイが仕掛けた罠に
足を引っ掛け、豪快にコケてしまう。
「何なのよ!!こんなの
仕掛けたの誰よ!!」
ガイ「俺だ!!ココであったら100年目!
なんちゃって!?」
メルル「貴方、あたしに殺されたいの?」
ガイ「されたくねぇよ、でも
お前は、俺達を殺しに来たんだろ」
メルルは、立ち上がり、
ナイフを差し向けられる。
「そうよ、大人しくここで
死んでもらえるかな、そしたら楽なんだけど・・。」
べニラ「そうは、行きませんよ、
やられるのは、あなたの方です
聞きたいことが沢山あるんです
捕まってもらいますよ」
メルル「嫌に決まってるじゃない!」
べニラ「だそうです。やりましょうか
少し卑怯ですが、さっきので
分かりました。貴方は、
罠にかかりやすい人なんですね」
メルル「何を言ってるの?そんな訳ないでしょ??」
べニラ「あんなわかり易い罠に
かかる人がそんな事を言えるですね」
メルル「ほんとムカつく男ね」
べニラ「それはどうも」ニコッと笑い、剣を引く。
メルル「そっちがやる気ならやってあげる」
颯爽と走り抜け、拳銃を引き出して
銃弾を撃った。
べニラは、向かってくる玉を切り裂き
剣を地面に刺す。
メルル「何をするつもりなの?」
べニラ「さっき卑怯かもしれないと
言いましたね、俺は、世界の為なら
やり方が汚くても卑怯でも構わない。
あなたに今からすることは、
そういう事です。」
メルル「ほんと、何言ってるかわからないやつね」
地面から剣を引き抜いた瞬間、
目に見えるほどの強い電流が
メルルを縛り付け、気絶させた。
ガイ「こんなにも上手く行くと思わなかったぜ
地雷魔法ってスゴイだな」
ピグ「こいつをどうするブー?」
べニラ「起きたら、問いただすですよ
あの事件と関係あるのか・・・。」
ガイ「まぁそうだよな、じゃなきゃ
こんな手荒な真似するはずないもんな」
べニラ「とりあえず宿に向かいましょう
こいつは、俺が背負いますから」
ガイ「そうだな・・・。」
***************
「カーサン都市 宿屋 部屋。」
念のため、メルルを軽く縛り付け、
起きるのを待つ。
ガイ「こんな魔法が使う日が来るなんて
思わなかったよ。」
べニラ「俺は、沢山ありましたよ
敵に仕掛ける罠としては、
大変、便利ですから………。」
ガイ「そうかよ。」ピグ「目が開いたブー!」
目を開け、目の前には、ガイ達がいた。
メルル「よくもあんな卑怯な事をしてくたわね!!
何するつもりなの!!まさか・・・。」
べニラ「だから言ったでしょ、忠告は、しましたよ
あなたに聞きたいことがあるんです
ちゃんと正直に話したら
解放してあげますから・・・・・。」
メルル「そんな事じゃないのね、
聞きたいことって何よ」
べニラ「何を考えていたか知りませんけど
一昨日、帝国の街中でテロが
あったのは、知ってますよね、
その首謀者のお仲間なんですか?」
メルル「正直に言うわ、そうよ
でもあなたにあたし達、組織
カタストロフィは壊せない。
だって最強だもの・・・。」
べニラ「自惚れるのは、いい加減してください
最強のひとりがこれとは、笑わせないでくださいよ」
メルル「自惚れてなんかいないけど
強いのは、確かよ、罠にはまわなかったら
あたしだって強いの!」
べニラ「そうですか、貴方が組織一員と
わかった以上、野放しする訳に行きません。」
メルル「話が違うじゃない!!」
ガイ「敵の言うことを簡単に信じるなよ
味方でもない奴に嘘をつくなんて
容易い事だろ・・・・。」
メルルは、ガイを睨みつけ、
縄を力づきで解き、窓から逃げようとする。
べニラ「逃げるのは、勝手ですが
あなた達、カタストロフィは、
この世界を壊すつもりなら
受けて立ってあげますよ」
メルル「壊すに決まってるでしょ
逃がしてくれてありがとうね
そうした事を後悔させてあげる
絶対、あなた達を許さない!!」
べニラ「そうですか、勝手にしてください。
その思いを打ち砕くだけですから・・。」
メルルは、窓から飛び降り、逃げていった。
ピグ「逃がして良かったブー??」
べニラ「捕まえて、閉じ込めたとしても
意味は、無いでしょ、それより
組織のアジトを突き止める方が先です。
上手くいくといいんですが・・・。」
ピグ「なんのことブー??」
べニラ「カレンさんから貰ったんですが
体に付けると、人間が発してる魔力の色で
今の居場所が分かるんです。」
ピグ「ん?分かんないブー、
この腕に付けてるのは、何ブー??」
べニラ「これもカレンさんに貰ったやつです。
ターゲットが止まると反応して
光り出すんです、指す方角進むと
ターゲットを見つけられるという
優れものらしいですよ」
ガイ「つまり、メルルは、バッジを付けられ
それで居場所が分かるんだ。」
ピグ「何となくわかったブー、、
まだ光ってない事は、まだ着いてないブー」
べニラ「そうですね、時間が
かかかりそうですね、気長に待つしかないです。」
*******************
「カタストロフィのアジト」
メルル「何なのよ!!このバッジ気持ち悪いわ!」
バッジを外し、地面に投げつけ、
踏み潰す・・・・・。
フリッツ「そんなに怒らないの、
可愛い顔が台無しだわ」
背後から現れ、ソファーに座った。、
メルル「そんな事ない!!もう疲れた寝る!」
フリッツ「はーいお疲れ様ね!
何なのかしら・・・。これは、」
バッジを拾い、炎魔法で爆破させる。
フリッツ「敵の罠に気づかないなんて馬鹿ね
壊しておいたから、見つかることなんて無いでしょ」
粉々になったバッジを見つめて
不敵な笑みを浮かべた。
続く




