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勇者がブタですが何か文句でもあるか?  作者: ブラックキャット
スピンオフ 「王様に忠誠を誓った日」
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あなたに忠誠を誓った日 前編

王になってから2年が経ち、

平穏な日々を送っていた。

「王宮 王座の間」

王様「ベゼル騎士長がそう言うのなら

仕方ないですが、後任は、誰もいないし

どうしますか?」


ベゼル騎士長「敬語は、止めなさい

と言ってるでしょ」

王様「すまん、つい癖で・・。」

ベゼル騎士長「試験と行きましょう、

騎士達が戦い、その中で勝ち残った

1人だけが騎士長なれるのです。」


王様「それは、いい提案だな

ベゼル騎士長、なんでやめる気になったんだ

なにか不満でもあるのか?」

ベゼル騎士長「そんなのないですよ

ただ、あたしは、もう50代ですし

老いを感じているんです

それなら若い世代に譲った方が

いいでしょ・・。」


王様「そうか、それは、残念だな

無理矢理にでも騎士長のままで

居てほしいだが、強情だから

聞いてくれないよなぁ」

ベゼル「そりゃそうに決まってるでしょ

王様が困った時は、手助けは、

位は、してあげますよ」


王様「それは助かる。」

ベゼル「この事は、騎士団の奴らにも

報告しましたし、後は、試験をやるだけですね」


王様「そうだな、場所は、

学院の試験会場を使わせてもらうか」

ベゼル「そうですね」


勢いよく、ドアが開き、

そこには、べニラがいた。

「ベゼル騎士長、辞めるのは、

反対ですよ、団員全員

そう言ってくれてます。

撤回しないですか?」

ベゼル「しない、あたしも年ですし

べニラ、貴方にとって

夢が叶えられる格好のチャンス

じゃないですか?」


べニラ「それもそうですけど、

でも今の俺は、騎士長の背中を

追いかけるだけで精一杯で・・。

とっても騎士長を越せるわけないです。」


ベゼル「いつまでも人の背中を

追いかけないでください

何であなたは、追い越そうと

しないですか、それじゃ

いつまで経っても騎士長に

なれないですよ」

べニラは、黙り込み、

ベゼルは、王座の間を去った。


**************

べニラ「王様は、止めたんですよね」

王様「止めたに決まってるだろ

ベゼル騎士長は、強情だよ

俺の言う事なんて聞くわけない。 」

べニラ「そうですか・・。」


王様「これは、友人としての忠告だ。

背中を追いかけるだけじゃ

追い越せる訳が無い。今のお前だったら

ベゼル騎士長に気持ちで負ける、

そんな様じゃ夢は、叶えられない・・。」

べニラ「夢を叶えられなかった

貴方が言うことですか・・・。」


王様「そうだ、俺の夢は、騎士長になる事だったが

もう叶うこともないだろ、代わりに

次の夢が出来た。世界を守って救う事だ。

べニラには、夢を諦めて欲しくない。」

「諦めてなんかいませんよ、

勝手に決めつけないでください・・。」

王様「そうか?俺には、そうとしか思えなかったが

ベゼル騎士長の気持ちも分かってくれ

じゃあな、俺は、仕事があるから・・。」


べニラ「そんなの分からないですよ!!

団員は、騎士長の背中だけを

追いかけてきたのに、それが突然

無くなったら・・。」


王様「ほんとに分かってないなぁ!!

ベゼル騎士長は、圧倒的に強いが

団員もお前も追い越そうとしない

ずっとベゼルは、老いを感じて

頑張ろうとしていた。

でも限界が来てるんだよ、情けない姿を

見せたくないから次の世代に

騎士長の座を譲ろうとしてるのに

いつまでも人の背中を見つめるな!!

分かったなべニラ」


べニラを置いて、王座の間を去った。

***************

ルハクさんに初めて、怒られ、

厳しい事も言われた。それがどうした訳でも

ないけど、こんなに胸に響くのは、何故だろう

俺は、父の気持ちなど分かってなかった、

今も昔も、父を追い越せないと

どこか思っていた。強くて逞しい背中を

追いかけ、追い越すことも、勝つ気もなく

それだけで見つめて来た俺は、


夢も叶えられなく、遠のくばっかりだ。

俺は、夢は、なんだ、騎士長になる事だ。

決意を固めろ、揺らぐな、

どんなに巨大な壁だって壊してやるから

父の背中を追い越して、騎士長になるんだ。


王座の間をあとにして、王宮を立ち去った。


*****************

「1週間後 試験当日」

観覧席には、王様とベゼル騎士長が

座り、見守っていた。



王様「べニラ、目つきが違うな」

ベゼル「そうじゃないと困まりますよ」

王様「また意地張って、ベゼル騎士長の方が

分かってるじゃないか、この1週間

どれだけべニラが頑張ってきたか・・。」

べニラ「それがどうしたんですか?

努力した結果がどうかですよ」


王様「それもそうだな、ベゼル騎士長。」

ベゼル「王様には、苦労をかけましたね

今までありがとうございます。」

王様「それは、これが後に言え、

それにそんな事は、気にしていない。」


ベゼル「王様らしいですね、

そろそろ始まりそうですね、試験が・・・。」

王様「そうだな、ベゼル騎士長・・・。」


**************

試験開始の鐘が鳴り、始まりを告げる。

父も居る中で、緊張するが

気持ちで負ける訳に行かない。

勝ち抜かないと行けないんだ。


王様「べニラ!!頭が硬いのは、

相変わらずだな!頑張れよ

せっかく与えられたチャンスを無駄にするなよ

それは、騎士団のみんなもだ。

じゃあ始めるぞ!!」

王様の合図で騎士達は、剣を交わし合う。


負けない。負けるわけに行かない。

俺は、騎士長になるんだ・・。



続く




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