王になるまでの道 第4話
部下に助けられてる自分が
情けなくて仕方がない。
息子は、なんであんな風に
育ってしまったんだろう。
子供の時から王になるのが夢だと
聞いては、いたが、
そんな素質など、なかった。
傲慢でわがままで、
そんな奴を跡を継がせる訳には、行かなかった。
それ仇となったのか、
きっとそうだろう・・。
俺を殺して、王にでもなって
何をするか、考えると
恐ろしくなり、世界は、
混迷を見せてしまうだろう。
俺にこの世界を平和に導けるだろうか?
それは、分からないが
進んでみる価値は、あるよな?
リーガル、必ず約束は、
守るから、そこで待ってろよ
*************
「別荘 地下」
魔物が放出され、魔物を倒し倒して
の繰り返しと魔法使いを倒すので
精一杯だった、これじゃ
魔物の発生源を叩けない。
べニラ「散開しましょうか
じゃないとキリがないですよ」
ルハク「そうだな、べニラ」
二手に別れ、ルハク達は、
魔物達と魔物使いを相手にして
べニラ達は、魔法使いを相手をしていた。
ルハク「さっきに魔物使いを
やった方がいいかもしれないな」
魔物達の隙間を通り抜け
魔物使いを切り裂いて行く。
あまりにも強くなく、弱い方だ。
召喚させる前にやってしまえば
済む話だ・・・・・。
ルハク「これで、魔物使いは、全部やったか?」
騎士「そうだな、後は、魔物だけだな」
ルハク「そうか、あのでっかいヤツが
厄介なだけで油断をしなければ勝ってるよな」
騎士「そうも上手くいくかね」
ルハク「さぁな、俺が知りたい・・・。」
横目にルシウス王を見るが、助けに来たのに
泣きそうな顔をして、俯いていた。
それが何故だか分からない。
人の気持ちというのは、見えないし
掴めるものでは、ないだろう・・・。
周辺の魔物は、倒したが、
厄介なのが残っていた。巨大な魔物数人と
戦わなければいけない。
べニラ達は、魔法使い達にとどめを刺すために
氷の牢獄に閉じ込め、その中に爆破魔法を
仕掛けるという酷い事を平気にやってのけている。
人の戦い見てる場合じゃないな
ルハク「固まると一網打尽される
ここは、散開しようぜ」
騎士「その方が良さそうだな」
騎士達は、散らばり、巨大な魔物に立ちはばかった。
俺が相手にしたのは、手にハンマーを持ち
人の形をした巨人のような魔物だ。
ルハク「サンダーローブ!!」
雷を纏った紐で魔物の身体中を縛り付け、
徐々に弱まっていく・・。
騎士「今のうちに、とどめを刺しましょう」
ルハク「是非そうしてくれ・・。」
騎士達は、華麗な剣さばきで
巨人に傷を増やしていく。
「ふぅぅぅぅぅぅぅ!!」巨人は、
紐を力づくで解き、ハンマーを振り落とす。
ルハク「べニラ!!危ない!バリアー」
透明な壁を建たせ、近くにいた
べニラは無傷に済んだ。
「助けてくれてありがとうございます、
ルハクさん
あたし達は、暇となったので
共闘と行きましょうか・・。」
ルハク「そうか、それは、助かる。」
べニラ「別にさっき助けなくても
俺ならよけられましたよ」
ルハク「お前ならそう言うと思ったぞ」
べニラは、巨人のハンマーを避けながらも
徐々に上に登り、首に捕まり、
頭を切断していく。
ルハク「いちいち、やることが酷いだよな
頭だけ切っても、体は、動くかもしれないし
一応、やっておくぞ」
べニラ「それは、褒め言葉として
受け取りますね、今度は、強めにお願いしますよ」
ルハク「そんなの分かってるよ
スーパーサンダーローブ!!」
強力な紐で巨人の体を縛り付け、
身動きを取れなくなっている。
べニラ「やっと切れましたね、
落としますよ、気をつけて下さいね」
ルハク「はぁ!?危ないだろうが
お前、わざとだろ!!」
俺を目掛けて、巨人の頭を落としてきやがった
ギリギリの所で避けたが、危なかったぞ。
べニラ「わざとじゃありませんよ、
それより、とどめを刺しませんか?」
ルハク「その必要は、ねぇよ、この巨人は
もう少しで感電死するから
大丈夫だろう、じゃなかったら
お前の得意なぶつ切りにでもしろよ」
べニラ「そんな酷いことすると思います?」
ルハク「さっきまでそれを意気揚々としてた
お前が言うか?」
べニラ「ルハクさん、見覚え無い事
言わないでくださいよ」
ルハク「どうしよう、言葉が通じない。」
べニラ「呑気に喋ってる場合じゃありませんし
その辺の魔物やりますからね」
ルハク「まぁそうなるか・・・。
一気に縛るって言うのもありだよな」
魔法で数匹を強力な紐で縛り付ける。
べニラ「炎を纏わしたら、でっかい敵だって
灰とかしますね。」
ルハク「そうだなーじゃあやって見るか
ここ、燃えたりしないか?」
べニラ「少量の炎です、魔力、制御してくださいよ
じゃないと、この家ごと燃えます。」
ルハク「そんな事ぐらい分かってるよ!!
一応の確認だ!ファイアローブ!」
紐に炎を纏わせ、再度二重に縛っていく。
べニラ「はいはい・・・。」
ルハク「待ってとけば、勝手に燃え散るだろ」
べニラ「そうですね、まぁ焼死でしょ」
ルハク「だろうな、ルシウス王を助けようぜ」
べニラ「行きましょうか」
ルシウス王の所に向かい、紐を解いた。
「助けに来てくれてありがとうな
ルハク達、ほんとにすまん
うちの息子が迷惑かけて・・。」
ルハク「そんなのいいですよ、ルシウス王が
無事で何よりです・・・。」
ルシウス「まぁそうだな、
ほんとに無事で良かったよ、もう少しで
殺される所だった。」
べニラ「自分の父を殺すなんて
どういう神経してるんですかね・・。」
ルハク「おい!べニラ!?」
ルシウス「いいんだ、ルハク
べニラの言う通りだ。あの子を生んだ時から
王にならす気は、無かったし、
あの頃は、王になんかなれないと思ってた
だが今は、状況が違う。
俺が王になってから、あいつの様子が
おかしくなってた。
王になるんだと口走って、
自分に逆らう者は、社会的に殺すか
脅しかけるかのどちらかだ。」
べニラ「ルシウス王、揉み消しもせず、
お金を使わせないように口座をストップしたり
色々と首を締めましたが、変わら無かったみたいですね」
ルシウス「詳しいな、噂って言うのは、凄いな
あいつは、それが原因で今となっては、
犯罪者だ。身内の不手際だし、
俺は、王に追われることになるだろう。」
べニラ「それが息子さんの企みですか?」
ルシウス「違う、そこまで賢くない。
あいつは、大馬鹿で下衆なことしかやらない」
ルハク「何でそうなるんですか、
ルシウス王は、この世界の為に
尽くしてきたじゃないですか」
ルシウス「ルハク、この世界は、
それほど綺麗じゃないんだ、
責任は、ちゃんと取らなきゃいけない。」
ルハク「俺は、嫌です。ルシウス王が
王様じゃなかったら嫌です。」
ルシウス「それは、ただのワガママだ。
あたしが息子を育って間違ったら
起こってしまった事だ。俺が悪い。」
べニラ「本当にそうですかね
ここで、辞めて、何になるんですか?」
ルシウス「何にもならないさ、
でもあんな悲しい事件を起こしてしまった
その責任は、必ず取らなきなきゃいけない。」
べニラ「王が背負ってる期待まで捨てて
取らなきゃ行けない責任って何ですか!!
あなた以外、王に相応しい者は、
誰もいませんよ」
ルシウス「ほんとになんだろうな
俺が聞きたいよ、俺だって、
今のままで王を辞めたくないが
王にとって不祥事は、致命傷なんだ
分かってくれ・・・。」
床に座り込み、俯いていた。
*************
王を馬車で王宮まで送り、
夜が更けていった・・・・。
「王宮 王座の間」
ベゼル「無事に帰ってきて良かったですよ
王様、ルハク達もご苦労様です。」
ルシウス「心配かけてすまんな」
ベゼル「王をやめるなんて
言わないでくださいね、国民も
そんな事を望んでいないし
あの方は、こちらで対処しますんで
ご安心してください。」
ルシウス「責任取らなきなゃいけない!
あんな息子に育っててしまったのは俺だ。」
ベゼル「じゃあ責任を取って
あんな息子をちゃんと処罰してくださいよ
許しませんよ、王をやめたら・・。」
ルシウス「それもそうだな、本当にすまんな」
手で顔を覆い、涙を流してるのが
隙間から見えた。
情けなくは、感じてなんかいない。
でももし自分の息子が犯罪者となったら
どれほど悲しくて、事実は、どうにもならない。
どうしようも出来ない・・・。
世界は、何でこんなに汚れているのだろう。
普通に平和に暮らしたいだけなのに
それが出来ないんだ?
***************
「王宮 牢獄」監視員達が見回り、
怪しい事を一つでもすると、
殴られ、何にもない牢屋に閉じ込められる奴を
何度も見てきた、この数時間で・・。
王である父の息子を殴るはずのなどない
ポケットに締まってあった大金を渡し、
やってもらうんだ・・。
ルベル「おい、その男、金を渡すから
王をやってくれないか?」
監視員「いくら金をつぎ込んだって
やる訳ないだろ、ルシウス王の息子だって
贔屓は、しないからな」
威圧的に睨まれ、俺の前を去っていた。
ルベル「クソッ!!父を殺したら
王になれるのに何かないのか??」
壁を叩き、穴を開けようとするが
自分の力では、弱く、ヒビすら入らない。
バタン!?前を向くと、監視員が
銃で撃たれ、倒れ込んでいた。
俺に黒づくめの男が忍び寄り、
銃を渡される。
ルベル「お前は、誰だ?」
「ガンドトロワだ。鍵は、開けておいたぞ」
狂った笑みを見せ、鳥肌が立つ。
牢獄を抜け出し、いつの間にか朝になっている。
今日は、昼から、王宮でパーティを
やる予定だったよな、そこを狙うか・・。
不気味に微笑んで、王宮の中に入っていった。
続く




