カーサン国 反乱編 前日談(ベルの父目線)
この国は、汚れている、
何度もそう思っては、
見ては、見ぬ振りをしていた。
世界の為??国家のため??
いや違う、自分の為だ。
俺には、家族がいる。
部下がいる、大佐である俺が
逆らって嫌な思いをするのは、
残された者達だ。
今までそうやって自分の
気持ちを押し殺してきた。
今も昔も・・・・・・・。
「官邸」城のようにそびえたち
こんなものを建てる金があるのなら
国民に使えと思い立ってしまう。
あの七光り野郎にいってやりたいが
そんな事を言うものなら
処刑されるのがオチだ。
官邸の応接室のドアを開ける。
横に広く、ポッチャリとした
男がこちらを睨みつける。
そう、こいつがカーサン国のロンス首相だ。
ロンス「来てくれたか、こいつらを
銃殺してもらうおうと思ってな」
クレス「こいつらとは、誰でしょうか?」
「見て分からんのか??」
視線を向けた先には、
男どもが頑丈な紐で縛られていた。
クレス「分かりましたが
この男達がなにかやったんですか?」
ロンス「こいつらは、俺が
商店街を歩いてきた時に
罵声をあびせやがった
貧困から解放しろとか
土地を奪うのをやめろとか
愚民どもがこの俺様に
偉そうな口をたたきやがって
悪いとは、そう思わないか?
クレス・・・。」
まっすぐ見つめられ
答えなど決まっている。
「そうですね、それは、
災難でしたね」
そうやって都合よく受け流し
やり過ごしてきた。
ロンス「分かってくれる男で良かった。
その男達を殺しておいてくれ
俺様は、色々忙しいでな」
クレス「分かりましたが
見なくてよろしいのですか?
罵声浴びせた憎い野郎の
処刑は・・・。」
ロンス「飽きたからいい」
冷たく、そう言い、去っていた。
男1「こ、殺さないで、ください
お願いします・・。」
男2「あんな事をいったくらいで
処刑なんて酷いです
だから貴方は、優しい人ですよね」
クレス「さぁな、優しかったら
こんな国とっくに壊してるさ」
2人の男の額に銃を突き付ける。
2人の男「やめてくれえぇえぇ!!」
銃弾に打たれる音と
男達の悲鳴が混じり、
不協和音に聞こえ、顔をしかめた。
偶然、その場に居合わせた部下達の1人が
駆け寄ってきて、耳元で囁く。
「またですか、最近多いですね
その男達、俺が官邸の外にでも
連れていきましょうか?」
クレス「それは、助かるが
バレないようにな・・・。」
部下「分かってますよ」
男達を引きずり、連れ去っていた。
ちょうど、戦闘につかう麻酔銃を
持っててよかった、これで殺さずにすんだ
一応もっては、いるんだがこういう時の為に・・。
俺は、娘に誇りを持って
軍人だと言えるのだろうか?
きっとそれは、noだ。
今の俺に信念なんか無い有るのは、
自分本位の思考と押し殺したきた自分だ。
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「クレスの家」家内が駆け寄り
笑顔で「おかえり」と手を握る。
クレス「ただいま、ベル」
ベリー「聞いて、今日、なんかベルから
手紙来てたわよ、疲れてると思うけど
早速読まない?」
クレス「そうだな、そうするか・・。」
こんな俺でも家族はいる、
娘は、騎士学院の寮暮しをしているから
離れては、いるが頻繁に手紙のやり取りをしている。
聡明で気が強いがいい娘に育ってくれている。
ソファで家内と寄り添い、
手紙を読み上げた。
母さんと父さんへ
(こんにちは、元気ですか?
ベルは、元気にやっています。
騎士学院に通って2年半経ちますが
とっても充実していて楽しいです
お父さんには、反対されたけど
カーサンの国の軍人になる事を
諦めていません
あたしは、政府が国民の敵に
なってる事がどうしても許せません
だから、お父さんに嫌われてもいいから
軍人になって、お父さんが
苦しい思いをしないようにこの国を変えるから・・。)
まだまだ子供だと思っていた娘が
必死に隠していた思いに気づいて
オレのために危険な事に飛び込もうとしてるのに
のに・・・。俺は、娘がいない2年半
何をしてたんだ?
己の平穏を守るため、あのクソ首相を
逆らった有志を麻酔銃で何度も打ってきた。
それが軍人の仕事なのか?
国民を守る為に、国家を守るために
存在しているのに、役目なんか果たせていない。
俯き、深刻な顔していた。
ベリー「ねぇあなた、いいのよ
無理しなくて、あたしの事は、
考えないで、どっか遠くの方へ
逃げるから、クーデターでも
反乱でも起こしなさい!
みんな、こんな国壊したがっているだから
あなたでもいいじゃない?」
オレの肩を叩き、優しく微笑む。
苦しんでいる国民の姿が
頭によぎり、胸を苦しめる。
国民を守るための政府は、腐りきっている
この国は、終わりに近い、
もう長くは、持たないだろう。
破綻した所で難民が生まれ、
政府は、うまく逃れ、素知らぬ顔をするだけだ。
それならもういっそのこと・・・。
ベリー「なーんて冗談よ!!本気にしちゃった??」
無理をして苦笑していた。
クレス「騙されたな、なぁ未来のベルは、
子供たちは、この国で幸せになれると思うか?」
ベリー「あたしは、なれないと思う。
今のあたし達がそうじゃないのに
子供達が幸せになれるなんて
確信なんてないじゃない。」
クレス「そうだな、もし、俺があいつに
逆らったら、君は、俺の妻で
居てくれなくていい、生き延びてくれ・・。」
ベリー「嫌よ、あたしは、誰であろうが
あなたの妻よ、信じてるから、クレス」
ただ、ただ、妻を抱きしめる事しか出来なかった。
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(半年過ぎ後ベル目線)「騎士学院の寮」
寮に帰ると、郵便箱に手紙があり、
父からだった。
父にしては、返事が遅く、何かあったんだろうか?
ベルへ
こんにちは、元気か?
あたしは、なんとか元気だ。
心配させてすまんがお前だけに言っておく
ラジオニュースで知ってると思うが
クーデターを起こして指揮をしたのは、俺だ。
お前のことだから父さん達ことを
助けたいと思うが来ないでくれ
お前には、死なれたくない
この戦いは、未来に生きる子供達の為の物だ。
その中にお前も入っている。
勝って、必ずあの国を変えてやる。
だからその日まで騎士として頑張ってくれ
お願いだから軍人には、ならないでほしい
父より。
読み終え、壁にすがる。
ベル「なんで、生きて帰るって
書いてないのよ!!父さんのバカ
こんなの助けに行くしかないじゃない
残酷すぎるよ・・。」
勝つとかそんなのどうでもいいよ
生きて帰ってくれさえばいい・・。
死なないでお父さん・・・・。
お父さんが何を言おうが
絶対に助けに行くから、その日まで
生きてよね・・・・。
続く。




