騎士学院編4章
動き出した歯車は、2度と戻らない。
止めれるのは、我が命が消えた時だけ・・。
****************
今日は、学校は、休みで
家でのんびりしてやろうかと思ったが
そんな事も行かないようだ。
なぁ聞いていいか?
俺の目の前に神を名乗ってる中二病男が
いるんだが、なんで家知ってるの?
何しに来たんだよ、
聞きたいことは、いっぱいあるが
選りすぐりの発した言葉は、
これだった・・・・。
ルハク「なんで、お前がここにいるんだよ」
神??「それより挨拶の方が
先だろ!そんな事も分からんのか」
なんで、俺、怒られてるの?
意味が分からない・・。
ルハク「おはようございます
じゃねぇよ!!だからなんで
ここにいるんだよ!」
神様「お前に用がある。
話したいことがあってな
今日は、俺に付き合え」
ルハク「暇だからいいが
なんで俺の家を知ってるんだ?」
神??「神様だからだ。」
ルハク「ストーカーの間違いじゃないか?」
神「そんな訳ないだろ!
男が男をストーカーして何が楽しいだよ!」
ルハク「ゲイとか??」
神??「おれは、同性愛者じゃない!
ノーマルだ!分かったな!」
ルハク「好きな人が男だっただけとかない?」
神??「なんだ!お前は、!
おれは、ゲイなんかじゃない!
もういい!無理矢理にでも
連れていく!」
手を引かれ、魔法陣が床に現れ、
どこかにワープする。
***************
「神の塔」見知らぬ所に
たどり着き、周りを見渡すと
幻想的な景色が目に焼き付けられた。
見下ろすと、空が見え、
雲がこんなに近くにある。
ここは、一体なんだ??
神??「神の塔だ。空高くにあるから
空も雲も見下ろせる。」
ルハク「お前、中二病をこじらせた男
じゃなかったのか?」
神??「初めからそう言ってるだろ。」
これは、謝ったほうがいいのか?
信じなかった俺が完全に悪いし、
でも突然、神だと言われて
信じるやつがいるのか・・。
そこまで単純じゃないよな?
ルハク「すまん、神様なんだよな、
じゃあおれは、
随分と無礼をしてしまったようだな。」
神様「いいさ、そんなことなど
気にしていない。俺は、
君に話しがあって、ここに来てもらった。」
ルハク「話?神様が俺に何があるんだよ」
神様「それを今から話す。長い話になるが
聞いてくれ・・・。」
上空には、映像が浮かび上がり、
そこに映し出されたのは、この世界だった。
ここは、確か帝国か・・・。
神様「おれは、世界を傍観する事が仕事だ。
人が間違いを犯せば災害と言う罰も与える。
昔は、そうだったが、俺の代は、違う。
人は、争いという、殺し合いという道を
選んだ。その時、俺は、ここに生まれ落ちた。
神としてだ。殺し合いを目の前で
見せられたあたしは、あまりにも酷くて
狂った。血を血で洗い、なんで人間は、
ひたすら犠牲しか生まない戦いを
こんな長く続けるだろう・・。
災害以上に代償を背負い、そこでまた
立ち上がろうとする人々が
分からなかった!!」
俺は、こいつの気持ちがわかるかって
言われると分からない。
人の気持ちなんて、誰かのものさしでは、
決して計り知れないから、
世界を見れることは、とっても素晴らしい事だ。
でもその分、世界が酷ければ、
その惨状を見せつけられるだけだ。
この男は、何度もそれを目に焼き付けられ
この場所にいるのだ。
ルハク「俺だってそんな人間のことなんて
分からない、でも神様が俺だったら
絶対見てなんかいられなかった。
気持ちが暴走して、世界に干渉したと思う。」
神様「昔の俺と同じ考えだな、
干渉したんだよ、俺は、世界の禁忌に触れた。
百年前だ。ドラゴンが現れ、
そのせいで大災害が起きて、
俺は、あまりにも見ていてられなくて
元通りに直したその瞬間、
歯車は狂い出した。世界は、
どんどん、災厄に見舞われ、
あわてて、俺は、勇者を呼び起こし、
災厄の種であるドラゴンを封印してもらった。
それが恐ろしくて俺は、世界に
干渉出来なくなった。」
ルハク「別にそれは、神様のせいじゃないだろ
ドラゴンのせいだ!!」
神様「それは、違う。ドラゴンだけだったら
世界は、あんなに酷くは、ならなかった。
1面焼け野原だぞ!!いくらバケモノだって
そんな事は出来ない!干渉すると
世界に災厄をもたらすんだ!!」
声を荒げられ、明らかに気が動転している。
ルハク「世界を傍観をするだけなんて
ただの人形だよな、それが神様の役目なのか?」
神様「そうだ、今は、もう認めざる負えない。
俺だって悔しくて苦しいだよ、
もうこんなの何100年も耐えられない。
今にも狂いそうだ・・。」
ルハク「俺は、帝国騎士団騎士長になって
世界を守って、救ってやるから
お前が見ても辛くならないような
笑ってやれる世界にしてやる」
この言葉がどれ程心に響いただろうか?
それは、分からない。
でも世界が変わる音がしたのは、確かだった。
神様「それは、面白いな、レムがあんなに
お前に対して干渉する気持ちが
わかった気がする。天然たらしだな」
ルハク「俺は、そんなじゃない。
戦争で辛い気持ちをしてる友人がいるんだ、
俺だったら救えると思うか?」
神様「今のお前じゃ無理だ、政府軍に
捕まり、人質に取られ、拷問にの挙句に
殺されるだけだ。」
ルハク「そんなハッキリ言われると思わなかったな
俺、そういえば騎士長の息子だもんな」
神様「自覚がなかったのか?」
ルハク「まぁな、父さんが忙しくて
家に帰ってこないんだ。
そりゃそうだよな、だって世界は、
混沌していて、平和なんか飾りでしかない。」
神様「確かにそうだが、お前が世界を
変えてくれるのだろう
じゃあ安心して、傍観していられる。」
ルハク「随分と期待してくれるな
でもありがとう、励みになる」
神様「お前は、素晴らしい人間だ。
なんで希望を持ち続けられる?
帝国だって争いがないとは、いえ
いつテロに見舞われるか分からないのに
そんなに真っ直ぐなんだ?」
ルハク「それしか出来ないから
だってきっと世界を誰かが変えくれるなんて
祈っても誰もしてくれない。
だったら自分でやった方が早いし
俺は、ベルを助けてやりたい。
あいつずっと辛そうなんだ。」
神様「おっ天然たらしの見せどころだな
いいじゃないか?まずは、
ベルという女性を救ってやればいい。」
ルハク「そんなじゃないって!
そのつもりだ。絶対に救ってやる
あんな国、俺だって許せない・・。」
神様「そうか、まだお前は、未熟だ。
間違っても平和を語るなよ、
それは、お前のただの理想だ。
理想を押し付けても、厚かましくて
幻想でしかない。実現してこそ語れ、
話は、それからだ。分かったな?」
その言葉の意味が分からなかった。
理想が幻想でしか無いこと
まだ未熟である心は、理解出来なかった。
でもいつかわかる時が来る。
それは、この世界が本当の意味で
平和になった時かもしれない・・・。
神様「まぁ、アドバイスしか
出来ないが、またここに来るといい、
紙、無くすなよ!」
真っ白い紙を渡され、裏返すと
魔法陣が描かれていた。
神様「それは、ここに来るためのループ魔法だ。
じょあな、ルハク、帰れ!」
服を引っ張られ、鏡に無理矢理入れられて
世界のどこかに落とされた。
ここは、光の城か・・・・?
でも湖だよな?温泉か?
そこには、暖かい湯気が漂い、
温泉があった、その中には、レムが入っていた。
「ルハクは、そこで何をしているんですか?」
レムから見たら、俺は、しっかりと
女性という体を見てしまい、
顔にタオルを投げつけられる!
ルハク「違うんだ!!レム、これは、不可抗力で
覗くつもりは、無かったんだ!すまん!」
レム「許してあげます、ルハク」
と笑うもんだから、許してくれたんだと
安堵すると、その思いは、砕かれ、
思い切りビンタされた。
パシーーーーーーン!!!!
*********************
ルハク「そんな思い切り、殴らなくて
いいだろ、レム・・・。」
レム「ラッキースケベもいい所ですよ
何しにこんな所に来たんですか?」
ルハク「嫌、ほんとに不可抗力なんだ
神様にここまで飛ばされた。」
レム「ふーん、そういえば足音も
聞こえてきませんでしたし、
そうかもしれないですね・・・。」
ルハク「信じてくれるのか?レム・・。」
レム「ルハクが嘘つくのは、下手なのは、
知っていますし、あたしには、
嘘つけないでしょ?」
妖艶に笑い、時に俺を見透かす。
ルハク「まぁそうだな・・・。」
魅了されるのが怖くて、目を逸らしてしまう。
レム「貴方は、神の塔に行ったって事ですか?」
ルハク「行ったというか、連れてこられた。
色々な話も聞かされて、神様が
どんな辛い思いしてきたのも聞いてきた。
俺だったら耐えられないし、傍観しているだけなんて
そんなの無理だ・・・。」
レム「あなたらしいですね、どうせ、
神様に辛い思いまでして、世界を見て欲しくないから
笑って見られるように世界を救ってやるって
言ったんでしょ・・。」
ルハク「なんでわかったんだよ
しかも1ミリも間違ってないし・・・・。」
レム「分かりますよ、長い付き合いなんですから
あたしは、出来れば、アナタを
戦場に送り出したりなんかしたくないです」
ルハク「レム・・・?でも俺は、戦争は、しない。
話し合いで解決するつもりだ。」
レム「ほんと、甘いですね、話し合いで
解決出来るものなら、戦争なんていう概念は、
ないの、貴方は、このままいくと
絶対に戦乱に巻き込まれる。
ある程度のことは、覚悟した方がいいですよ」
ルハク「レム、お前は、俺が死んだら
悲しんでくれるのか??」
レム「なんで、そんな事聞くか、わかりませんが
そりゃ悲しむに決まってるでしょ、
聞かないでください」すすり泣く声が聞こえ
後ろを向いて、それを隠していた。
レムの弱さを抱きしめる事が出来なかった。
それは、自分が弱いという証だ。
ルハク「悲しんでくれるなら、俺は、
ここに生きて帰って来れる。
レムが俺を強くしてくれたから・・・。」
レムは、涙をふき払い。
「ほんとに感謝して下さいね、あなたが
帝国騎士団騎士長になる事を祈ってますから」
ルハク「ありがとうな、レム」
まるでこれが最後かのように見つめ合い、
握手を交わす。ここから歯車は、
激しく動き出す・・・・。
*******************
「翌朝 実力試験当日一日目」
学校の中の試験専用の闘技場に
生徒は、集まり、整列する。
ベル「いよいよね、ルハク」
ルハク「そうだな、早いよな・・・。」
眠すぎて、欠伸をしてしまう。
横でそれを見てたべニラは、あきれ果てる。
「ほんと呑気なもんですね、ルハクさん・・。」
ルハク「そんな訳ないだろ、内心、緊張してんだよ!」
俺を疑わしい目で見て・・・。
べニラ「気のせいじゃないですか?」
ベル「あんた達騒がしいわよ、校長の話が
始まるから、黙ったら?」
威圧をかけられ、押し黙る。
校長は、台の階段に上がり、話し始める。
「今日は、実力試験だ。先輩、後輩関係なく
戦ってもらう。上位は、将来有望視され
エリートの道が開かれるが、
底辺の奴らは、輝かしい道とは、違い
敗北の苦渋の汁を飲むことになるだろう、
そのならないように手を抜かないように
頑張りなさい・・、以上だ。」
話が終わり、目の前には、トーナメント式の対戦図
が張り出される。
生徒達が一気に騒がしくなる・・・。
ベル「いきなり、強い相手に当たったら最悪ね」
ルハク「それは、運次第だろ・・。」
全部の生徒の名前を覚えてるわけじゃないから
どんな相手か分からないが
どうやら、自分に難癖つけられた先輩では、ないようだ。
べニラ「あの先輩は、勝ち進んだら、
俺が勝ち進んだとして、当たりますね」
ルハク「良かったじゃないか?
鬱憤を晴らせて、お前に負けたら、
ここを卒業出来なくなるだろ」
べニラ「それは、ざまぁですね
あの先輩より、俺は、あなたと手合わせしたいです
だから、負けないでくださいね」
ルハク「生意気なやつだな、分かったよ
負けなんかやらないからな・・。」
大きな鐘が会場中に鳴り響き、
実力試験が始まりを告げる。
続く・・・・・。




