騎士学院編3章
俺は、世界がどう動いたって
日常は、変わらないって思っていた。
それは、きっと思い違いで
王が突然、辞任して、新政権に
生まれ変わった時、確実に
世界は、変わり始めていた。
「騎士学院 教室」
眠く、頬杖を付きながら
うとうとしていた。
ベル「ルハク!!ここは、学校よ
寝るなら家で寝なさい!」
いつの間にか、寝てたみたいで
ベルに無理やり、たたき起こされる、
ルハク「おはよう、ベル・・。」
ベル「おはようじゃないわよ、
あんた、また遅くまで修行してたの?」
ルハク「嫌、そうでもない、
昨日は、早く寝たつもりだったけど
なんか眠たい・・。」
ベル「ふーん、疲れてんじゃないの?
修行のし過ぎよ、なんか騒がしくない?」
廊下のから、騒がしい声が聞こえる。
別に大したことは、ないと思うけどな
ルハク「いつもの事だろ」
何気なく、廊下に行くと
べニラが一個上先輩に
締められていた。
ベル「あの3年の先輩って
昨日やめた元大臣達の
息子さんじゃなかったけ?」
ルハク「ベル、詳しいな、
でもべニラには、関係ないだろ」
ベル「副騎士長の息子よ、べニラ君は、
締められるとしたらあんたのはずなのにね」
横目に俺を見る。
ルハク「なんだよ?」
先輩「お前なんかどうせ、
飛び級で特待生って凄いな
でもどうせあれだろ、
金の力じゃないの?それって
流石、副騎士長の息子って違うよな」
ベル「ルハク、だめよ、
騎士長の息子が行ったからって
火に油注ぐだけよって
聞いてない!?」
とっくにルハクは、先輩の前にいた。
ベル「ほんとに馬鹿」
呆れ果て、下を向いている。
ルハク「何も知らないのに
随分偉そうですね
妬みにしか聞こえないすっけど」
先輩「ルハクじゃないか
騎士長の息子の、お前も
べニラと変わんないだろ」
ルハク「俺のお父さんは、
親バカじゃないし、そんな事は、しないし
絶対してくれない。
べニラは、本当に強い
剣術も魔法も使いこなせるし
飛び級して特待生って言われても
ビックリしないし当然だと思う。
昔と違って、ここは、実力主義だ。
だからべニラがずるい真似して
ここに入ってきたとは、思わない。」
先輩「てめぇこそ、偉そうじゃねぇか
知ったふうな言い方しやがって
騎士長の息子だもんな、
そりゃそうか・・
今度、実力試験だろ、
偉そうに言うんだったら見せてみろよ
お前らの実力、俺の所まで
上がってこれるかだけどな」
と言い捨て、自分の教室に帰っていく。
べニラ「なんで庇ったんですか?」
ルハク「気に食わったなかったから・・。」
べニラ「俺のためとか言わないですね」
ルハク「その人のためになってるか
分かんないし、俺が今したことは
ただの自己満足だ。火種は、お前にも
かかったけど、すまんな
俺が庇ったせいで事態が深刻化した。」
べニラは、何故か笑い、
「いいですよ、勝ってばいいだけの話でしょ
ルハクさんも負けないで下さいね」
「おう、望むところだ。」
*********************
「昼休み 中庭」
べニラ「いつも、ここで食べてるですか?」
ベンチに座り、食事を取っていた。
ベル「なんか急に誘ってごめんね
ルハクがどうしても話がしたいって・・。」
べニラ「ルハクさん、なんですか?」
ルハク「さん呼びは、いいって、あと敬語も
同期だろ・・・・・。」
べニラ「そうですが、おれは、飛び級で
ルハクさんの三つ下ですよ、
年下ですし、敬意を払うの当然です」
ベル「こんな奴に敬意なんて払わなくていいのよ」
ルハク「こんな奴ってなんだよ、ベル」
ベル「そのままよ、実力試験で決勝戦まで
行けるの?」ルハク「さぁな、確信がない。」
べニラ「実力試験は、初めてなんですけど
どんな感じなんですか?」
ルハク「んー、まずトーナメント式で
対戦相手は、ランダムにきめられる。
学年は、関係なく、ランキング上位には、
将来有望され、エリートまっしぐらって訳」
ベル「後、追加するけど、3年は、年2回
開かれる実力試験にランキング50位までに
ランクインしないと卒業出来ないわ」
べニラ「それは、結構厳しくないですか?
3年ってどれ位でしたっけ?」
ルハク「120人くらいじゃないかな
狭き門だよな、前までこんなルール無かったよな」
ベル「今年から、急遽、完全実力主義になったのよ
政権も変わったし、何だって、
帝国騎士団は、世界を守る騎士団よ
強くなくちゃだめね」
ルハク「ベルは、あれだろ、カーサン国の
軍人になるだっけ?」
ベル「最初は、そうだったけど、今は、違う
あたしがあんな国変えてやる。
父さんが頑張ってるのに政府のせいで
めちゃくちゃ・・・。」
べニラ「カーサン国は、今、泥沼で
街や村の土地を国有地にしようと
民間人相手に戦争を仕掛けているんですよ
いろんな国が民間側に軍事加入してますが
事態は収まっていません・・。」
ルハク「国民だろ、守るべき存在なのに
戦争するなんて、ひどいヤツらだな
国有地でもして、新しい国家でも作るのか?」
ベル「知らないわよ、昔は、こんなにも
おかしくなかった、独裁政治だったけど
みんなの土地を国が無理やり取るなんてい
絶対なかった。なんかあるのよ」
ルハク「何かねぇ・・・・・。
裏があるじゃないか・・。」
ベル「あったら暴いてやるわよ」
立ち上がり、怒りを露わにする。
べニラ「あっても、それは、巨大な力でしょ
じゃないとこんな事、普通起こらない。」
ベル「起こることにいちいち普通なんてないのよ
巨大な力でも何がなんでも、あたしは、
あんな国変えてやる・・・。」
この時からベルは、意思が強かった。
ベルの故郷は、カーサン国で
独裁政治でおまけに軍事政権だ。
ベルは、軍人にになる為にここに来たけど
去年、事態は、悪化し、カーサン国は、
今の話したとおりになった。
世界は、こんなにも残酷で綺麗なのだろう
こうしている間にも、戦争で
傷ついて悲しんでいる人もいるのに・・。
*******************
「光の城」レム「何故、戦争するか?ですか?」
放課後いつものように光の城で
修行していた。
レム「それは、何故でしょうね
あたしは、人間じゃありませんし、
精霊ですし、でも思うことは、あります。
なんで同じ種族なのに争い事に
手を出すのだろう・・・。
起こったことは、仕方ありません
でも戦争は、ただの殺し合いです
そんなものに正解もクソもないです
あるのは、犠牲とどちらかの勝利かです
戦争に勝ったとしても優位に立ってるだけで
何もならないのに・・・。」
ルハク「戦争なんて無くなれば
人間は、幸せになれると思うか?」
レム「それは、どうでしょう。
人の幸せなんて人それぞれでしょうし、
そこまで世界は、単純じゃないような
気がします・・・。」
ルハク「じゃあ、俺が言ったことは、
ただの綺麗事で済まされるのか?」
レム「それは、あなた次第ですよ
ただの綺麗事に済まされないように
変えるんです・・・。」
ルハク「やっぱそうだよな、レムなら
そういうと思った。おれは、騎士長になって
世界を守って、変えてやる。
戦争を無くすんだ。」
レム「頑張ってくださいね、ルハク」
ルハク「おう!!」
俺は、知らなかった、木の影に隠れ
神がいたことを、まず、ほんとに神と
思ってなかったしな・・・。
神??「こいつなら今の世界を変えられるかも
しれない・・・・・・。」
神?それは、なんだろう、
生まれた時から与えらた役目だから
よく分からないが、
世界がすべて見える、それは、=(イコール)
酷い目に遭ってる人々を目の当たりして
辛く重くののしかかる。
俺じゃ世界に深入り出来ない、したら
世界に混沌をもたらし、混乱を生んでしまう。
それは、あってならないことで
自分は、身動き取れなく、役立たず
無力すら感じる、
見ることしかできないなんて人形同然だ。
この少年に世界を託すのもいいかもしれない。
彼なら世界を変えられるかもしれない・・。
********************
「ルハクが帰った後」
レム「また、あなたですか?」
神?「見つけられたみたいだな
なぁ、ルハクは世界を変えられると思うか?」
レム「ふざけているですか?神様・・・」
神「ふざけてなどいないよ
彼は、王の素質がある、お前だって
分かってるだろ!」
レム「彼の夢は、帝国騎士団騎士長です!!
いくら神様だからって彼の夢の
邪魔をしないで下さい!
彼は、まだ未熟で、王には、相応しくないですし
あたしは、反対です。神様は、
下界のことに深入りしたらダメなの知ってますよね
いい方向に変わろうとしているんです
この世界は、だからきっと大丈夫です」
神様「レムは、甘いな、
この世界は、そんなに甘くない。
もっと残酷だ・・・・。」
続く




