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勇者がブタですが何か文句でもあるか?  作者: ブラックキャット
スピンオフ エリーの日記
49/131

エリーの日記 7日目

「翌朝」戦いが長引いたせいで

花畑に出た頃には、夜でしたが

宿の部屋が空いてたみたいで

野宿しなくて済みましたが


考え事ばっかしていて、よく眠れなかっです。


カーテンの隙間から刺す、

光が無性に眩しくて、

目をつぶってしまう・・。

ガイ「いい加減、起きろよ、エリー

行くぞ」

ドアを開けられ、ちょっと

びっくりと肩をすくめる。


エリー「そうですね、すみません

準備が終わったら、下に降りるので

そこで待っててくれませんか?」

ガイ「わかった、エリー、

ひとまずじゃあな」


エリー「はい、じゃあ」

閉められ、また一人になる。

あたしは、ブルート様に

立ち向かえる勇気は、ない。


あの時、スパーク様に庇われて

無かったら、あたしは、

どうなっていたんだろう・・。


***************

階段から降りて、ガイがこちらに

手を振っていた。

エリー「ガイさん、お待たせしました。」

ガイ「いいぜ、じゃあ行くか、

次は、ダズルだな・・・・。

なぁ、エリー、旅して、

まだ一年もたってない。

もうちょっとで半分か・・・。早いな 」

エリー「急にどうしたんですか?」


ガイ「ユグドラシルとアトラスだよな

後、2人って思うとなんかな

言ってみたかっただけだよ!」

エリー「そうですか、ガイさん、

言い忘れていたのですが・・。

いいですか?多分、

知ってると思うのですが・・・。」


ガイ「何だ??エリー」

怪訝そうな顔をしているが

この男、分かっていないのか?


エリー「ユグドラシル様は、精霊王ですよ

今までよりももっと強いですし

あたし達では、勝ってません」


ガイ「そうか・・・。でも戦う前から

勝ってないって決めつけたらだめだろ

気持ちで負けるじゃん」

エリー「言っておきますが、負けるとは、

死ぬというのと同等の事ですよ

それぐらい危険に晒されるです

勝ってる確信がないのに挑むなんて

無謀にも程があります。」


ガイさんは、いつも通り、苦笑いして

茶化すのかななんて思ってたのに

切なそうな顔して、「信じてないのか?俺の事」

って言うものだから・・。


エリー「信じてるにきまってるじゃないですか!

なかったら、こんなにも半年も

旅なんかしてませんよ、ガイさんに

怪我して欲しくないし、危険にも

晒したくないです。仲間ですから・・。」

こんなのあたしらしくない・・。

取り乱して、必死に誤解を解こうとしてる・・。



ガイさんは、小さな声で「仲間止まりか」

零していたのが聞こえたけど、

どういう意味か分からない・・。

ガイ「そうだよな!良かった、

信じてないとか言われたら、流石に

傷つくからさ・・。じゃあさぁ

エリー、もうあと半年上乗せして


一緒に旅しないか?」

答えなんてきまってる、あたしは、

スパーク様の傍にいるって約束したから

yesって言えるはずなのに、


ねぇ?いつまでそんな言い訳するつもりなの?

スパーク様には、親離れしろと言われているのに

執着しているのは、あたしで


ガイさんは、前向いて、夢もあるのに

あたしは、この旅なにか見つけられたか?

見つけられてない・・。何も・・。

昔から何も変わってなくて

何色にも染まらず真っ白なままで生きたくなんかない。


なんにも知らない人間が純粋なんか

気取ってもただの無知なだけだ。


ガイ「どうした?エリー?ダメか?」

不安そうに尋ねる。

エリー「いいえ、ダメじゃないです

あたしで良ければ・・・。

スパークのそばにいたいから

とかもうそんな事は、言わないです。

あたしは、ガイさんと旅して、


世界をもっと見たいです!これがあたしの

正直な気持ちです・・・。

親離れ出来たか分かりませんが・・・。」

ガイ「これは、スパーク泣くな、

俺は、別にいいぜ、今思ったけど

街とか村って言っても、 ピグの所

しかいってないもんな、俺も見たいし


じゃあこれかも宜しくな!!」

いつもみたいに、やっと笑ってくれた

差し出され手をあたしは、そっと握った・・。


*****************

「ダズル国 駅前広場 」

機関車でダズルまで来たのは、いいんだけど

何すればいいか分からない・・・。

ガイ「って来たのは、良いけど

なにするかだよな?エリー」


エリー「そうですね、何しますか?

なんでもいいですよ・・。」

ガイ「何でもいいが一番困るだよな」

エリー「そんな事言われても、

観光でもしますか?」

ガイ「そうだな、とりあえずそれで行こうぜ」


ガイさんについていくままに、ダズル都市を

歩き回っていた。

当たりが騒がしくなり、何が起こったのかと

周りを見るが事件らしい物事は、

起こっておらず、不思議そうに首を傾げた。

ガイ「おい見ろよ、エリー、アレ

偉いさんじゃねぇか?」


エリー「偉いさんというか、この国の首相ですよ」

ルイーダ首相があたし達を目掛けて

歩み寄って来て、嫌じゃないけど

後ずさりしてしまう・・。

ルイーダ「ワシは、ルイーダだ。宜しくな

君たちは、王様とドラゴン退治に同行してた

ガイ君エリー君だね、すまんね


旅の途中なのに声をかけてしまって

君達と話してみたいと思ってたんだ。」

エリー「いえいえ、あたし達の事、

ご存知だったんですね、それは、光栄です。」

ルイーダ首相「知ってるに決まってる。

有名だよ、立ち話でもなんだから

店に入ろう・・・・。」



言われるがままに店に入り、

周りが騒がしくなるかと思えば、

他のお客さんもいるのに、なんか静かだ。

慣れているのかな・・・。


喫茶店みたいでカウンター席に座り、

ルイーダ首相が話し出した。


ガイ「お偉いさん、聞きたいことって何だ?」

エリー「ガイさん!?」足を踏み

ガイさんは、悶絶している。

「痛いな!!エリー!」

エリー「敬語を使ってください!?」

ほんとにこの人は、礼儀を知って欲しい・・。


あたし達を見て、抱腹絶倒していて

不思議そうに見つめてしまう。

ルイーダ「面白いねぇ、別にいいぞ

流石に部下なら怒っているがな 」


笑えない・・。苦笑いを浮かべながら

ルイーダ首相が注文してくれた

コーヒを啜りながら話に耳を傾ける。

ルイーダ「君達に話したいって思ったのは、

あのお人好し野郎が一般人を巻き混んで

ドラゴン退治をしたなんて

初めは、嘘かと思ったが

どうやらホントみたいだな」


ガイ「お人好し野郎!?王様が!?

俺に説教してくるだぜ、嘘だろ」

ルイーダ「ほんとに君は、面白いな

カーサン国でクーデター起こした時

わしも加担してなぁ、王様は、

その時は、ガキで、わしの部隊の中の1人だった


ガイ君、君は、昔の王様によく似ている。

そんな気がして、懐かしく思ってね

今じゃあいつは、王様だし、頭が上がらない訳だ。」

エリー「ガイさんが王様に似てるなんて

ありえないですよ・・・。昔の王様を

全く知らないですし分からないですけど・・。」

ガイ「エリー、酷くない?」

エリー「だってそうじゃないですか!?」


ルイーダ「まぁまぁ、君達は、この国

なしに来たんだ?、目的があって

ここに来たんじゃないのか?」

ガイ「ユグドラシルに契約する為だったんけど

今は、観光だ。流石に無理ってエリーに

止められたしな・・」


ルイーダ「まぁ、今の君達じゃ

まず無理だな、ユグドラシルは、

精霊王で、あの闇の精霊とブルートと

互角だ。わしも会ったことは、あるが

戦うまでに行ったことは、ない。

理由がないからな・・・。」


エリー「ユグドラシル様は、強いのですか?」

ルイーダ「そうだな、軽く人智を超えてる。

倒すではなく、どうやって契約を

応じさせるかってということを考えた方がいいじゃろ

あいつは戦いは好まないが、

向かっていく相手には、容赦がない。

まぁ矛盾は、しているがな」


ガイ「そうか、そんな交渉力備わってないし

今の俺達は、世界を見たいだけなんだ。」

自信が無い姿が珍しくて、新鮮味が感じる。


エリー「ガイさんがそんな事を言うなんて

珍しいですね、てっきり、自信満々に

かかっこいとか言うと思ってました。」

ガイ「俺だって自信ない時だってあるさ

実力不足なのも分かってる・・。」

俯き、複雑そうな表情を浮かべる。


ルイーダ「どこぞのバカとは、違い

身の程を知っているからまだマシだ。

ガイ君の年の頃の王様は、

ただのお人好しで一つの国を

変えるので必死だった。変わったのは、

この10年だ・・・。」

エリー「10年、王として就任したからですか?」


ルイーダ「そうだ、あいつは、世界全体を

変えようとしている。君達は、もう

ダズルに来た位だから、イリスにも

行っただろう。」

エリー「はい、行きましたよ・・。」

ガイ「それがどうしたんだ?」


ルイーダ「イリスは、独裁政権で

昔のカーサン国よりは、酷くはないが

そうなる可能性だってある状態だ。

前みたいに、クーデター起こす訳に

行かんし、軍事的な行動は、

準備が備えれば出来るが、国民は、

巻き込まないようにどうするかで

中々実行に移せないくてな」


ガイ「そんな事、ここで言って大丈夫なのかよ」

ルイーダ「意外に用心深いだな、

大丈夫さ、ここはわしの馴染みの店だ。

来ている奴も知り合いが多いでな

部下がほとんどだ。裏切る奴は、おらんだろ」


エリー「失礼かも知れませんが、

随分、部下を信頼なさっているんですね」

ルイーダ「上司が部下を信頼していないと

仕事にならんだろ、勿論信用出来んやつは、

容赦なく切り捨てるそれだけだ。

リーダーとは、そういう事だ。

身内にも疑心暗鬼なんてキリがないじゃろ」

ガイ「まぁそうだよな、強いだな

お偉いさんは、・・・・・。」

ルイーダ首相は、陽気に笑い、

高らかに言い放つ・・。

「そりゃ強いに決まってる。わしは、

若い頃は、歴戦を経験した元軍人だって言っても

何も自慢話ならんけどな、


わしは、あの時は、自分の家族を守るのが

必死だった、王様に比べたらちっぽな

青年だ。まぁいつか分かるさ、

戦争は、人間を愚かさを写す恰好の鏡じゃ

どんなに必死で足掻いてもエゴでしかない。

すまんな、長話に付き合わせてしまって


君達なりの旅をすればいい、

楽しんでおきなさい・・・。じゃあな」

お会計を済ませ、颯爽と帰ってしまった。

ガイ「なんだか、不思議だな、あのお偉いさん

話に引き込まれて、多分、もうあの人の

虜だ・・・・・・。」


エリー「珍しいですね、そうですね、

あたしもガイさんと同じです。

とっても勉強になりましたね、

さぁ、宿探しますよ!夕方ですし・・。」

ガイ「マジかよ!?ほんとだな

見つかるといいな・・・。」

辺りを見ると、すっかり夕方で

日が落ち始めていた・・・。


エリー「見つけるんですよ、じゃないと

野宿決定ですからね!」

ガイさんは、ハイハイと呆れて、

飄々と歩いている。


あたしは、この旅で答えなんて

見つけられるのだろうか、それは、

分からないけど、止まったらもっと

見つからない、進むしかない・・・。



続く。

今日は、ルイーダ首相に有意義な話を

聞かせて貰い、勉強にもなりましたし、

王様の事も少しは、知れましたが

ガイさんと似ているだななんて

想像つかなくて、首を傾げてしまいます。

人によって見方は、やっぱり

違うのでしょうか・・・・。


不思議な人でした。飄々としていて、

でも貫禄があって威厳も感じて

この人は、何となく、凄い人だと

勘づいてしまう程でした。

ほんとにルイーダ首相は、いい人で

喫茶店で先程見つけたのですが、置き手紙に

書いてた所に行くと、宿ですごく豪華で

宿代は、前払いでルイーダ首相が

払ってくださって、


野宿じゃなくて、天国にたどり着けました。

粋な計らいして頂きありがとうございます

今度お礼を言おう・・・。

そろそろ寝ます、いい朝を迎えられる事を

祈ります・・・。

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