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勇者がブタですが何か文句でもあるか?  作者: ブラックキャット
スピンオフ エリーの日記
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エリーの日記6日目

「翌朝、スラド国駅前広場」

朝早くから機関車に乗り、

着いたけど、倦怠感と眠気が

染み付いて、欠伸がこぼれしまう。


ガイ「珍しいなぁ、エリーが

欠伸なんて、眠たいのか?」

エリー「そうですね、なんでこんな

早くに来た意味ってあるんですか?

もうちょっとゆっくりでも・・・」

ガイ「べつにいいじゃねぇか

早起きは、三文の得とか言うだろ」


エリー「言いますけど、スラド国って

言っても、精霊は、1人しかいないですし

どうするんですか?

すぐに暇になりますよ・・。」

ガイ「まぁそうだけど、その時で

観光で暇つぶししたらいいだろう」

呆れて言葉もない、

もうちょっと寝たかったなぁ、


そんな後悔も虚しく、止まってる

あたしを置いて、足を止める

ことも無く、歩いていた。


エリー「そうですね」急いで

ガイさんに追いついて、

音の精霊がいるお花畑に向かう。


****************

「スラド花畑」綺麗なカラフルな花が

咲き誇っていて、見惚れて

精霊のことなど忘れていた。

ガイ「花に見とれているのか、エリー」

エリー「あぁ、すみません、

早く行かなきゃですね・・。」

あたしは、立ち上がるが

ガイは、座り込んでいた。


「別にいいよ、そんなの・・・・。

なぁエリー、なんでここまで付いてきてくれるんだ」

エリー「約束しましたから、スパーク様のそばに

いるって・・・・。」本当は、違う

もうそんな理由で旅なんかしてない。

スパーク様に、言われてしまった。


「お前は、俺になんか執着しないで

独り立ちしなさい・・・・。

そばにいなくてもいい、好きにしろ

お前の人生なんだから・・・。」

そんなの言われたからいきなり

独り立ちなんか出来るわけがない。


ガイ「相変わらずだなぁ、エリーは!

スパークの事大好きなんだなぁ」

笑ってるけど、瞳の奥には、切なさが見え隠れしてる。

エリー「そんなじゃないですよ、

家族みたいなものです、あたしは、

親離れが出来ていない、情けない子供なんです」


ガイ「しなくていいじゃねぇの、スパークの事だから

エリーに気を使ってるだけだろう・・。

スパークだって、心配症だし、

あいつも出来てないしな、子離れなんて


少しずつでいいだろう、お互いに・・。」

エリー「ガイさん、まともな事言うですね」

ガイ「それは、言うに決まってるだろ!

酷くないか!?エリー・・。」

いつの間にか、笑みがこぼれ、


二人で花畑を眺めていた。


****************

「スラド花畑 華楽園」

花畑の方で人の気配する。まぁ

どうせ観光だろう・・・・・・。

気にする必要もないなぁ。


人間の声が近くで聞こえた。


ガイ「華楽園??なんだそれ?」

エリー「そこにいるんです、イスラフェル様が

華の楽園という意味らしいですよ」

ガイ「へーそうなんだな、とりあえず

行ってみようぜ・・・。」

エリー「そうですね・・・。」


******************

イスラフェル(ここに人間か、いつぶりだろうか?

それにしても、何の目的で華楽園に来る?

契約か、それとも・・・・・・。)

肩を掴まれ、振り返る。

ガイ「お前がイスラフェルか?」

エリー「イスラフェル様にお前は、無いですよ!

ガイさん!!すみません、礼儀知らずで・・。」

申し訳なさそうに頭を下げる妖精と

茶髪の青年がそこにいた。


イスラフェル「別にいいさ、君たちは、ここまで

何しに来たんだ??」

ガイ「契約をしに来た。」この青年は、

精霊召喚士なのだろう・・。両手には、

精霊と契約した証の指輪が何個も

ハメられていた。


ふーん、そういう事なら、受け立ってやろう・・。


****************


華の楽園というそのものだった。

花には、あまり詳しく無いが

色とりどりの花を咲き誇り、ここは、


まるで天国と間違えそうになる。

エリー「見惚れてる場合じゃないですよ、ガイさん」

ガイ「分かってるって、すまんな、見惚れてしまった。」

イスラフェル「そうか、それは、うれしいな、

花を育てるのが趣味でね、

そう言って貰えると育て甲斐があるよ


で契約の話だが、君には、俺と戦って貰って

勝ったら、契約に応じる、負けたら、ここらの

魔物退治を引き受けて欲しい」


ガイ「そんなんでいいのかよ、イスラフェル様・・・。」

イスラフェル「いいさ、そんな事より、始めようか

そこの妖精さんは、見ててね、

加勢なんてしたらいけないよ」


一瞬、殺気を感じて、怯えてしまう。

エリー「はい、わかりました。ガイさん、

油断は、禁物ですよ」

ガイ「わかってるさ、エリー・・・・。」

見守るだけしか出来ないなんて、自分の無力さを感じる。

でも、これは、ガイさんの戦いだ、あたしが

入って良い所じゃない・・・・・。


せめて、戦いの邪魔にならないように、後ろに下がろう。

草むらに隠れ、身を潜める・・・。

ガイ「お前って音の精霊何だよなぁ、

そんな武器でどうやって攻撃するんだよ」 

イスラフェルは、指揮棒を持っていたが

攻撃出来る代物には、見えない。


イスラフェル「見かけで判断するのは、ダメだよ、

相手の事、良く見てからだ、じゃあ、みせてあげるよ

俺の力を・・・・・・・。」

指揮棒を振るい、楽譜を描いていた。


不協和音な音色が耳に響き渡り、苦痛を感じる。

イスラフェル「音楽は、奏でる音が違えば、感じ方も違う

これくらいで、怯まれたら、つまらないよ」

音楽が止み、何も感じない・・。

ガイ「つまらない?やめろよ、まだ何もみてないだろ」

指揮棒を掴み、立ち上がる。

イスラフェル様「確かにな、じゃあ君は、

俺に何を見せてくれるんだ?」

ガイ「それは、お楽しみってやつだよ!

全てを吸い込む力!ブラックホール!!」


魔方陣の中から黒い空間が現れた。

イスラフェル「ほう、吸い込む気か?

それにしても、こんな上等な魔法、

君、やるな、だが甘いな」


イスラフェル「ビートメロディー!!」

さっきとは、違い、激しい音楽を奏で

楽譜がブラックホールに吸い込まれるが

何かがおかしい・・・・。

うごめいて、今にも吐き出しそうだ。

スポッ!!と抜ける音がする。


吸い込まれていた楽譜が吐き出され、

こちらに不快に思わすような音を発した。

ガイ「ブラックホールでも嫌がる音とか

あるんだな、イスラフェル様」

イスラフェル「まぁそうだな、あんな

狭い空間でうるさい音鳴らされたら

不快でたまらなくて、吐くしかなくなる。


さぁ、切り札は、消え去った、

君は、どうするんだ?」



ガイ「ダサいセリフほざくなよ、ウケるな

別に俺の魔法は、これだけじゃない

精霊だっている、負けるわけなんかない」

イスラフェル「随分、自信満々だな」

ガイ「初めから負けるって思ってたら

勝ってるもんも勝てなくなる。

時には、自信も味方だ。」

イスラフェル「ほぅ、じゃあ見せくれるだろうね

君の強さを・・・・。」


ガイ「そうだな、イスラフェル様」

一見、イスラフェル様が優勢に見えるけど

ガイさんに考えは、あるのだろうか?

嫌、ないんだろうな・・・。

策士タイプじゃないし、頭より体が先に

動く人だから・・・。

どれだけ、切り抜けられるかだな・・。


ガイ「光の精霊、レムよ、我に光を照らして!!

槍を与えよ!ライトランス!!」

空から、神々しいオーラを纏った槍が

落ちてきて、それを手で受け取る。


イスラフェル「レムか・・・。君は、人間に

力は、貸さないタイプだとおもったんだが

優しさが仇となったか?」

指輪から声を発する。

「あなたには、関係ないでしょ、

どんな人間に力を貸そうがあたしの自由なの

優しさが仇となるのは、本当の優しさ

とは、何かを知らない愚か者のみよ」


イスラフェル「そうか、相変わらずだな

レム、人間に深入りする所は、変わってない」

「貴方は、あたしの何を知ってるの?

勝手に語らないで、さようなら!」

ガイ「怒らせてどうするだよ、イスラフェル様

精霊界のいざこざなんてしちゃこちゃ

ないが、不利になるような事をするんだな」

イスラフェル「どういう事だ?人間」


ガイ「女って怒らせると怖いだぜ

それに、レムは、ただの人間好きじゃない

深入りなんてしたことなんてない

するとしたら見守って、助言をする事だけだ。


知らないのに語るなんて、気持ち悪いだよ

寒気がするぜ・・・。って事で

精霊協力魔法!!アクアライト!!」

槍を振るう度、水がうねる。

ガイ「これなら音楽も左右されない!」

イスラフェル「やるな、バリアメロディー!」

音楽を奏で、透明な壁が立ちはばかる。


すぐに猛烈な光で燃え散らされ、破片が

地面に散らばった。

ガイ「さすがだな、俺もびっくりだわ、

止めだ、今度は、立場が逆だな」

イスラフェル様は、尻餅をつき、

ガイは、槍を首に差し向ける。


イスラフェル「ふん、舐めるなよ、

これで終わりだと思うのか?君は、」

ガイ「あぁ、だってお前に攻撃をする隙を

与える間もなく、やっちまうからな!

全てを光で打ち消せ!ライトシャウト!!」


音楽魔法も唱えられなくなり、体が

光の頑丈な糸で縛られ、身動きが取れない。



イスラフェル「君が言った言葉は、そういう事か

そうだな、俺は、何も出来なくなる。

負けだ、レムにも君にもやられてたな、

光には、何も打ち勝てないな・・。」

ガイ「聞きたい事があるんだ、ずっと気がかり

だった、ブルートは、光だったら

打ち消せるか・・・。」

イスラフェル「あぁ、それは、俺にも

分からない、光は、確かに最強だが

ブルートは、それ以上に強い、

だがこれは、精霊界の問題で

人間は、無用だ。」


ガイ「じゃあお前は、そいつのせいで

悲しい思いをした人間を見殺しにしろって

言ってる見たいもんだぞ!」

エリー「それ以上は、やめてください!!

ガイさん!?精霊界には、掟があるんです

ブルート様は、人間じゃ倒せないです。

だから、無駄に命が消えないように・・」

草陰に隠れていた、あたしが目の前に

現れ、ガイは、目を丸くする。


ガイ「掟がそんなに大事かよ、

精霊にだって倒せないから、封印出来ないから

どれだけ人間があいつのせいで

悲しい目に遭わされるか分からないのに

ほっとけと・・・。」


イスラフェル「すまんな、でもあいつのせいで

災厄の時がいつ訪れるか分からないだが

今は、アイツを封印することさえ出来ない。」

時折切なそうに、悲しい表情をしていた。

ガイ「そうか、ごめんな!!突然、

びっくりしただろう、エリー!!

イスラフェル!!ずっと思ってた、

アポロンと契約した時から、


こんなにも人間を狂わせているのに

のうのうと生きてるやつが

気に食わないし、胸が気持ち悪いんだ。

今のでスッキリしたよ、倒せる人間に

なればいいだろ!俺が、

全ての精霊と契約し、最強の精霊召喚士になる。」


イスラフェル「そうか、大きな夢だな、

言っておくが、全ての精霊と契約したからって

ブルートに勝てる訳では、ない、

そこは、肝に銘じておけ」

ガイ「分かったよ、契約の儀式しようぜ」

イスラフェル「そうだな、人間」


ガイさんは、あの時、何も思わないなんて

思わなかった、でもそれを分かるはずがなかった。

あたしは、ただあそこで怯えてる事しか

出来なかったから、立ち向かうという

強さが彼には、ある、あたしは、


いつか来る災厄の時に立ち向かえるのだろうか?



続く

今日は、疲れたというか、そういうのじゃなくて

思いつめてしまいそうです。

ガイさんは、ブルート様に立ち向かおうとしてるのに

あたしは、そこで黙って見てるだけなんて

出来ないくせに、本人を目の前にすると


何も出来ない、臆病者になってしまうから

それが後ろめたくて、情けなくて

強くならきゃ・・・・。あたしは、

みんなのそばにいられない・・・。


暗いばっかりじゃだめですね。

次は、ダズルに向かいます、


どんな国なのか全く知らないので

楽しみです・・・・。


今日は、もう寝ます、いい朝を迎えられる事を

祈っています。おやすみなさい

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