守りたいもの
「カーサン国 豚族の村周辺」
ベル「ねぇ、ショウ、勝ってる
可能性あると思う?」
ショウ「嫌、あるとは、思えないな
だって自然治癒力持ってんだぜ
いくら攻撃し尽くしても
効かないし、それやられちゃ
一溜りもないしな」
ベル「まぁそれ位なら
今も変わらないでしょ」
前にいる敵は、黒い羽を
パタパタさせ
鋭い角と歯を生やしている。
ボス「おい、俺を倒せないと
やっと分かったか?」
ベル「分かんないね、諦めが悪いから
そういうフリしてるだけ・・。」
ボス「ふーん、負けを認めて
降伏したら楽になれるのにな」
鎌をこちらが見えないスピード
で振り下ろす。
目を瞑り、巨大銃を横に構えるが
ピグ「ブー!!ブー!!
危ないブー!!」鎌を持ち上げ
ボスを投げ飛ばす。
ベル「えっ?勇者がなんでここに
って事は、」振り返ると
王御一行と王国兵士半数が居た。
王様「助けに来たぞ、ベル」
ベル「さすがにこの状況で
意地張れないわね、素直に
ありがとう、王」
王様「お前が苦戦するとは、手強いのか?」
ベル「そうね、あんたの所の勇者
敵のボス、吹き飛ばしたわよ」
王様「あぁ、あれは、いつものだから気にするな
おい、ピグ大丈夫か?」
ピグ「いけるブー!」意気揚々と手を振る。
ボス「よくもやってくれたな!」
ニヤリと笑い、瞬時に反応してピグに
鎌で切り掛る、持ってた盾で
耐え忍んでいた。
ピグ「僕の村を壊そうとする奴は、
許さないブー!!」
ボス「ふーんお前の村かここは、」
ピグ「そうだブー!それがどうしたブー!」
ボス「おい、王様、こいつ勇者とか
世界が可笑しくなったな」
王様「さて?なんの事だ?
可笑しくとも何ともないだろ
勇者が人間と誰が決めた。
そんなものは、決まってないらしい
だから不思議じゃない」
ボス「ただの屁理屈だろ、王様
思わないのか、なぜ勇者は、
俺じゃないと・・・・。」
王様「随分と余裕なんだな
喋りながらうちのピグと戦うなんて・・
舐めすぎにも限度って言うものがある」
ピグ「ブー!!いい加減
ちょっと鬱陶しいブー!!」
鎌を盾で押し返して、尻餅をつかせる。
ピグ「攻撃するんだったらするブー!
はっきりしろブー!」
王様「全軍、前進しろ、おい、黒き翼のボス
ここにいる奴ら全員、お前の敵だ
喧嘩売る所間違ってないか?」
ボス「間違ってないさ、大人気なさ過ぎるだろ
王様、1人に対して数千の大軍
勝ち目なんてあるか、こっちに」
王様「少しも与えてないにきまってるだろ
仲間生き残ってるじゃないか?」
ガイ「王様、なんだっけ?ルークと
ネウだっけ?そいつらにでも
助け呼べば?」
ボス「生意気な青年だな、
それにべつに全員を戦いに
行かせてる訳じゃない」
王様「ふーん、(小声)なぁエリー
さっき、ダズルの国から連絡来たよな
急遽変更だ、黒き翼の撲滅だ。」
エリー「どうするですか?場所とかも
分かってないですよ
広大な世界で一つの組織のアジトを
探すなんて至難の技です」
耳元で小さい声で囁く。
王様「大丈夫だ。そんなの
簡単にやりこなすのがルイーダさんだ
彼に任せよう・・・。」
エリー「えぇ・・。じゃあ連絡しますね」
*************
ルイーダ「おう、分かった、やってみるわ」
兵士長「誰からですか?」
ルイーダ「王様からだ、全く無茶な
ことを言い寄る、兵士長、予定変更だ
黒き翼の撲滅だ。」
兵士長「どうするします?
他に絡んでる組織があるのなら
当たってみますけど・・・。」
ルイーダ「密輸組織だなぁ、心当たり
があるのは、・・・・。
今からそこに行くか」
兵士長「締め上げて聞くですか?」
ルイーダ「当然じゃ、前から
その組織、鬱陶しいと思ってたんじゃ
いい機会だ、犯罪組織皆殺しと行こうじゃないか」
拳を鳴らせ、殺気を放つ。
兵士長「ほんと恐ろしい人ですね
王様から許可とか貰わなくて大丈夫ですか?」
ルイーダ「この世界の癌を取り除いたら
王様も大喜びじゃろ、ついでじゃ
一つの国が敵なんて闇組織からしてみたら、
怖気付いて相手にもならんわ」
兵士長「それもそうですね、ルイーダ様は、
豪傑と言われた元軍人ですもんね」
ルイーダ「昔の話じゃ、今は、関係ない
もうただの老いぼれじゃ」
兵士長「ふふ、そんなに謙遜しなくても
宜しいじゃないですか?」
ルイーダは、豪快に笑い
「まぁ戦える限り、やってやる
世界を守る為じゃ、仕方ない・・・。
敵に回した相手が間違っとるって事を教えたる」
兵士長「そうですね、じゃあ行きましょうか」
ルイーダ「嫌、ちょっと待てくれるか?」
兵士長「わかりました、どうかしたんですか?」
ルイーダ「スラド国の首相にも
掛け合っとく、奴は、犯罪組織に詳しいからな」
****************
「スラド国」スラド国の首相「分かったわ
また分かったら連絡するわ」
黒き翼の撲滅ね・・・・・・。
まずは、密輸組織全部を締め上げるなら
うちの兵力なら楽勝ね
ちょうど、鬱陶しいと思ってた。
組織があったから、そっち潰した方が
早いかもね・・・。ニヤリと笑う
スラド国の首相「残った兵士は、
他の武器密輸組織の撲滅ね」
「はい!!」
馬に乗り、少数の兵士を連れ目的地に向かって走らせる。
「武器密輸組織 ブラックソード」
幹部A「何にも面白い事ねぇよな
平和だよなぁ、世界は、戦争中
らしいけど、俺達は、身動きは、取れねぇし
なんか暇だなぁ」
幹部B「そんなこと言ったて仕方ないだろ
今は、政府の動きが活発だ。
動いたら、バレて捕まるに決まってるだろ」
幹部A「まぁそれもそうだな」
・・・・・・・・・・・・・・・!!?
突然、ドアが吹っ飛び、すぐさま
立ち上がり、銃を構える。
スラド国の首相「ふーん、持ってる武器は、
銃だけなのかしら?」
幹部A「おい、スラド国の首相さんじゃねぇか
歓迎してやるよ」引き金を引く。
スラド国の首相「歓迎?の意味が違うじゃない」
向かってくる銃弾を避ける。
スラド国の首相「サンダームチ!!」
魔法でムチを出す、電流がバチバチと音を立ていた。
スラド国の首相「言っとくけどお仲間は、
全員皆殺ししたわ、さっきから
聞いてるだけど、黒き翼のアジトって知ってる?」
幹部B「そんなの知るわけないだろ」
スラド国の首相「ふーん、そっちは、知ってる?」
幹部A「知っててもお前らに何か言うか!?」
幹部B「お前は、馬鹿か!?」
スラド国の首相「そっか!そこまで言う気が
ないのなら、拷問で問いただすしかないか」
魔法兵「じゃあ縛りあげますね」
スラド国の首相「そうだね」
魔法兵達に銃を撃ったり、切り掛るが
ミラーで防がれ、抵抗の末
捕まり、縛り上げられる。
スラド国の首相
「ボスは、どこにいるのかしら?」
幹部A「お前らに話すことじゃないだろ」
スラド国の首相「ふーん、話すことじゃない?
そんな答え求めてない、質問に
答えてくれないかな?」
ムチで激しく叩きつけられ、
傷だらけになり、痛みをこらえていた。
スラド国の首相「答えくれないの?
じゃあやめないよ?早く言いなさいよ
なんか知ってるでしょ?」
幹部B「言えるわけないだろ、それは、
機密事項だ、命を何度消されようが言うまい」
スラド国の首相「そっか、ねぇ
これ見てくれないかな?」
ポケットからボールを取り出し
小さな液晶画面のミラーを見せる
そこには、組織のボスがボコボコにされ
虫の息に成り果ていた姿だった。
目を大きく見開き、狂ったように奇声を上げる
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
紐を解こうとするが、あまりにも強固で
余計に縛り上げられるだけだ。
頭の中は、絶望という言葉で
敷き詰められる。
スラド国の首相「目が虚ろになってきたね
どう?白状する気になった?」
幹部A「なる訳ないだろ!人のボス
殺しておいて!ふざけんなよ!
殺してやる!殺してやる」
殺気を含ませた視線を浴びる。
スラド国の首相「怖い、怖いねぇ
でも悪い事してる貴方達が悪いのよ」
額に銃を当て、睨みつけた。
幹部B「わ、分かった、組織を守る為だ。
仕方ない、白状する。
黒き翼のアジトがある場所は、
イリス国の迷路の森だ。」
スラド国の首相「それは、本当なの?」
幹部B「こんな状況で嘘なんか付くわけないだろ」
スラド国の首相「それもそうね、ルイーダ首相に
今すぐ、知らせて、もう用は、無いわ」
背後にいる兵士にそう言い伝え、部屋を出ていく。
兵士は、丸いものを投げつけ、
首相の後を追うように去っていた。
幹部B「まさか、爆発物じゃ・・・。」
触れるがもう遅くて、
激しく爆発音が鳴り響き、建物ごと
燃え盛っていた。
スラド国の首相「別に白状したら
命までは、取らないとは、言ってないけどね
こんな早く見つけられると思って
なかったわね、意外とちょろかったし
後は、ルイーダ首相次第ね」
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ルイーダ「分かったらしい、イリス国の
迷路の森だ。」兵士長「そうですか
厄介な所に作りましたね」
ルイーダ「まぁ仕方ないじゃろ
見つけるのも至難の技じゃ
慎重に行こうじゃないか」
兵士長「そうですか、その方が賢明ですね」
ルイーダ「さぁイリス国に向かうぞ!」
ダズル国特有の羽が生えた
兎に乗り、イリス国に向かう。
「イリス国 迷路の森」
兵士長「見事なまでに焼け野原ですね」
ルイーダ「そうだな、前まで戦場
だったからな・・・。」
見渡す限り、木がなぎ倒され
生えていた花や雑草は、跡形もなく
無くなっていた。
兵士長「負けた敗因がわかった気がします
指揮の不甲斐なさと敵のアジト近い事
不利な事が重なり負けたんですね」
ルイーダ「そうかもしれんな、
さて、兵士長、行くぞ」
兵士長「わかりました。ルイーダ様」
森の奥へと足を進める。
続く




