紙切れの忠誠心
イリス国の首相「分かった、
直ちに残っている兵士を
そちらに向かわせる、
そっちに兵士は、幾ら位
残っている?」
兵士「数10人程しか残っておりません」
イリス国の首相「な…んだと…!?
何をしてるんだ!!兵士長を呼べ!」
兵士「兵士長は、亡くなられました。」
向こうで泣き声が聞こえる。
イリス国の首相「泣いてる場合
ではない!!敵は、何人ほど
残っている?」
兵士「キングベアーが数10体
2人、残っております」
イリス国の首相「同等と言うべきか・・。
すまないが援軍が来るまで
耐え忍んでくれ」
兵士「それは、無理です!
さっきも言いましたよね?
敵は、予想以上に強いんです
とてもじゃないですけど
間に合わないです」
向こうから兵士と違う
声が耳に伝う。
リン「いつまで、兵士さん
喋ってるのかな?
兵士さん達、囲まれてるの
分かんない?
ほんとにつまんないだよね!!
いい加減してよ、
こんな大軍で来て、
相手にもならないなんて
虫けらにも程があるよ!」
火のボッという音が聞こえ
兵士は、悲鳴を上げ、
音声は、途絶える。
****************
冗談じゃない、額に汗をかき、書斎にある
机を強く叩く。痛みが手に走り、
苛立ちを感じ、口からチッという音を出す。
迷路の森で足止めしないと、
彼らは、国に侵攻するだろう。
王様の命令で国民は、事前に地下に避難
しているから、大丈夫だろうけど
問題は、ここだ。
とりあえず、兵士達に向かわせて、
殺ってもらうしか・・・・。
「コンコン!!誰かいるかな?」
「いるじゃねぇの、お偉いさんとか・・」
ドアのロック音が聞こえるが
さっき聞いたばかりの声が聞こえる。
で、でも、廊下通る時に兵士が山ほど
居たはずだ、なんで、なんで、こんな早く
こっちに来ているんだ?
「返事しないから、開けちゃうよ!」
ドアを強く蹴り、開ける。
双子の子供がニッコリと笑みを浮かべ、
それは、悪魔の微笑みにも見える。
リン「なんだ、居たの?返事しないと
居るか分かんないよ」
レン「リン、どうする?こいつは、殺るのか?」
リン「うーん、どうしよかなぁ」
俺は、耳にかけてある伝令機に手をかける
リン「もしかして、助けを呼ぼうとしてるの?
そんなの無駄だよ、兵士さん達は、
廊下でお昼寝してるよ」
イリス国の首相「そんな嘘を付いても無駄だ!
こんなガキが山程いた兵士を
眠らせるなんて無理な事をほざくな!!」
リン「おじちゃん、そんなに絶望見たいの?
じゃあ見せてあげてもいいけど
心が壊れるのは、おじちゃんだよ」
レン「別にいいだろ、どうするんだ?
やるのかやらないのか・・・・」
リン「レン、銃貸して、持って来てないだよね」
咄嗟にレンから銃を奪う。
イリス国の首相「私を殺す気か、
その気なら殺ってやるよ
ガキが大人に勝ってると思うなよ!」
リン「そんなの誰が決めたの?
決め付けは、良くないよ、おじちゃん
撃って見れば?そんなので殺せやしないけど・・」
少しずつこっちに近づいてい来る。
目の前の殺気に手が震え、銃の引き金を引く
リン「ミラー!」撃った銃弾は、跳ね返され
地面に転がっていた。
リン「ねぇ?おじちゃんは、馬鹿なの?
撃って見ればって言ったのは、
当たらないのを確信しているから・・。
予想を裏切ってよね、何も持ってないの?
つまんないの~」
頬が膨れ、書斎の周りをウロウロしていた。
レン「仕方ないね、こいつ参謀役だし
武器なんて持っても仕方ないでしょ
でも兵士さん達に守ってもらう気満々だったんだね」
リン「守ってくれる人居ないし、
別に殺してもいいんじゃないかな?
何かあったけ?利用出来る事・・・。」
このままじゃ殺される。
それは、敗北を意味する。
手が震え、額には、汗をかき、
尻餅をつく。
なんで、なんで、こんな目に
遭わなきゃいけないんだ!?
俺は、昔から苦労なんかした事なんて
ない、この国は、世襲制で前首相である
父の跡を継いで、
この地位を思うままにした。
親の七光りなんて
知るものか!?自分の運命を恨め
俺は生きたい、こんなガキに殺されて
死にたくない、死にたくない。
生き残る方法は、どこにあるんだ?
はっ!!あった、生き残れる。
リン「怯えてるね、おじちゃん、
殺される準備は、出来た?」
差し向けられるのは、刃だった。
「ま、待ってくれ!話がある、
君達、黒き翼にとってプラスになる事だ。
王を裏切り、あたしは、黒き翼に
降伏して兵士も国も利用してもいい
命だけは、助けてくれ」
プライドも捨て、この生意気なガキの前で
土下座をする。
リン「そこまでしてどんだけ生きたいの?
最低のクズだね、ねぇレン、こいつ
生かす価値あるかな?」
俺を軽蔑する目で見下す。
イリス国の首相「こんな所で死にたくないんだ!
それにイリス国が君達に味方すれば
沢山の兵士達の思うままに出来るし
世界の侵略も上手くいく、
プラスにしかならないじゃないか!」
レン「そうだね、プラスには、なるね
それで世界侵略が上手くいくとは、
限らない、君には、他の首相達が
こっち寝返ってもらうえるように
尽力してもらうよ」
イリス国の首相「は、はい!!分かりました。」
リン「おじちゃん、忠告、うちの
組織は、裏切りは、許されない
どんな事があっても・・・・・。
もししたら、惨殺さ・・・。
地獄の果てまで一緒だよ」耳元で
不気味に呟いた。
あまりの威圧で何も答えられなかった。
レン「おじちゃん、行くよ
いつまで座ってるの?」
イリス国の首相は、立ち上がり、
官邸を後にした。
******************
翌日
「王宮周辺」べニラ「王様がいないと寂しいもんですね
さぁ俺達は、次の戦の為、ちょっと
休みましょうか」兵士「大変です、べニラ騎士長!!
今、イリス国の伝達役の兵士から
入ってきた情報で、イリス国は、
黒き翼に降伏して寝返ったと・・・。」
走ってきたのか、息を切らしていた。
まぁ命欲しさに降伏したのだろう。
だからあれほど油断するなと
王様が言っていたのに、
国民を捨て、兵士すらないがしろにして
己の命を取ったって事か・・・。
それが一国のリーダーがやるのか?
クズにも程がある
べニラ「そうですか、面倒な事になりましたね
ほかの国にもこの事を伝えて貰えないですか?
王様は、俺から伝えておきます
もしかしたら、会うかもしれませんしね」
兵士「分かりました、べニラ様」
軽く会釈をして、去っていた。
*****************
王様達は、もう数十時間後に
カーサン国に着く所まで近づいていた。
飛んでいるピーを小さな鳥が横切る。
ピー「何の用ピー?」
こっちからは、何を喋ってるか
分からないが話をしているらしい・・・。
ピー「そうピー、王様、べニラから伝達ピー」
くちばしにくわえてる手紙を受け取った。
カレン「べニラ、何かあったにゃ?」
王様「さぁな、読んでみるか」
省略するとイリス国が降伏して寝返った・・。
ため息を吐き、1枚の紙を手にして、文字を記した。
王様「ありがとうな、後、これを
べニラに渡してくれないか?」
ピー「分かったって言ってるピー」
仕事を終えて小さな鳥は、去った。
エリー「なんて書いてあったんですか?」
王様「イリス国が寝返った、経緯は、
まだ分からないがマイナスなのは、
確かだ、戦力が一つ減ってからな」
カレン「親の七光りのお偉いさんニャ?」
王様「うん、そうだ、親の七光りは、
イリス国は、世襲制だから仕方ないんだ。
言い方は、悪いが別に実力で
なったものでは、ないから、
疑わしいかったんだ・・・」
カレン「そうにゃん、なんかの他の
お偉いさんとは、なんか違うから、
怪しいと思ってたんニャ」
王様「何が違うだよ、カレン
会ったことあるか?」
「違うというか、オーラを感じないニャン」
ピグ「そんなのあるブー・・・?」
王様「あんまり聞かないけどな
さっき言ったが別に実力なった訳では、
ないから、俺もよく分からないんだ。」
エリー「その世襲制も困ったものですね
イリス国は、どうなんでしょうか・・」
王様「しばらく、あいつらの傘下だろうな
国民は、不本意かもしれな、兵士も
どうにかしないとな・・」
エリー「王様は、優しいですね
裏切られたのに・・・・・。」
王様「どの国にも国民は、居るからな
不本意だろうし、どういう扱いをされているか
分からないが苦しい思いを
させてしまうかもしれない・・。」
ガイ「イリス国は、どうせ利用される
だけで国民は、どうとか考えてたのか?
あのお偉いさんは、・・・・」
ピグ「考えてる決まってるブー
じゃないとおかしいブー」
王様「普通は、そうなんだが、これが
イリス国の民とっての最善策とは、違う
己の命の方が大事だったんだろう」
ピー「話し中にごめんピー、ずっと
飛んでいるのは、しんどいから
休ませてピー」
王様「すまんな、もうすぐ森だから
そこで休むか」ピー「ありがとうピー」
ピグ「カーサンは、今頃どうなってるブー?」
王様「行って見ないと分からないが
相手は、ボスだ、ベルの事だ。
危なかったら助けは、呼ぶだろうし
絶対イリス国みたいな事には、ならないが
なにか嫌な予感がする」
ピグ「そうブー?なんか僕は、
気持ち悪いブー、なんかモヤモヤするブー」
不安そうな顔を浮かべ、遠くを見る。
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ショウ「弱ねぇな、相手にもならない」
拳を鳴らし、敵である男を持ち上げる
「や、やめてくれ、お前の事を
殺すつもりは、無かったんだ!
ボスの命令で!」
ショウ「敵は、敵だ、容赦なく殺る、
同情なんて要らないだろう」
持ってた剣で切り裂き、地面に
置き去りにする・・・・・。
冷酷だとか残酷だとか、そんなの知らない
この国に害を成すものは、排除する
それが国を守る使命を持つ戦士の運命だ(さだめ)
ショウ「よし、全員やったな!
ベル様の援軍に向かうぞ!!」
兵士「おっー!」拳を振り上げ、
ブタ族の村に足を踏み出す。
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こいつ、なかなかに強い・・・。
人外じみてる位にタフすぎて
計り知れない殺気を感じる。
常人の人間なら怯えて逃げしまう
でも私は、屈しない。
ボス「お偉いさん、どうした?
今、入った情報だが、イリス国が
こっちに寝返ったらしい」
ベル「あらそうなの、だから
絶対的にあなた達が有利になる訳じゃない
イリス国が味方したくらいで調子に乗らないでよ」
ボス「俺の情報を信じるのか?」
ベル「今のあなたに嘘をつく利益なんて
無いでしょ、来たみたいね、ショウ」
ショウ「待たせたな、ベル様
負傷を負った兵士を治癒魔法で
直してるところだ」
ベル「ありがとうね、ショウ」
ショウ「いいぜ、強そうな男だな
戦うのが楽しみだ・・・。」
ボス「援軍とは、さすがだな
二人まとめて、掛かってこい」
挑発的な目でこちらに手招きをする。
続く




