忙しい毎日
「翌日」
朝早くから、各国会議で
ゆっくり寝れないし、日頃の
疲れが溜まって、倦怠感が
体に重くのしかかり、欠伸をかいた。
べニラ「王様、欠伸してる
場合じゃないですよ、これ
資料です、黒き翼についてのです
まとめておいたんで・・・」
王様「おう、助かる、べニラ」
べニラ「まだ、黒き翼の
戦力がどれ程か分かっていませんが
闇組織の一大勢力と言われる
位なんで、覚悟は、した方がいいと
思われます・・・。」
王様「そうか、まぁそうだよなぁ
世界と戦争しようとしてるんだ
それぐらいは、当然だな」
べニラ「そうですね、
王様、これを言うのも嫌ですが
敵も数に限りがあります
もしかしたら、脅迫されて
寝返られる場合もあるので
その可能性も視野に
入れといてください」
王様「分かってるさ、元から
俺を信頼してる奴なんて
半分位だしな、べニラ
そろそろ行くか」
べニラ「そうですね、王様」
これから各国会議があるので
王宮にある会議室に向かう
「会議室」
中に入ると、各国の首相が席に座っていた。
静けさで物音を立てるだけでうるさく感じる。
王様「忙しい時によく集まってくれた
感謝するぞ、さぁ始めるか
べニラがまとめてくれた資料だ
まずは、それに目を通してくれ」
べニラが各席ごとに資料を配った。
イリス国の首相「王様、敵の数は、
まだ分からないのですか?」
王様「まだどれ位の規模が分かっていないが
一大勢力だ」べニラに耳打ちされ、
静かに頷く。「今、規模が分かった
派閥があるみたいで一派閥ごとに
何百人程だ、派閥は、5だ
でも昔の集計だから増えてる場合もあるし
減ってる場合もある、一つの目安だと思ってくれ」
イリス国の首相「それは、分かりましたが
敵の数は、よくて千程、こっちの
方が優位じゃないですか?
はやく終わらせて・・・・」
ダズル国の首相「分かっとらんな、何の為の会議じゃ
話、ちゃんと聞いとったんか?」
1番年長者である髭の長い男性が
険しい顔をしていた。
イリス「聞いてる決まってるじゃないですか
だから!それ程神経質にならなくても・・」
ダズル国の首相「国民の命がかかっとるじゃ
数の問題じゃないじゃ!一人個人の
強さの問題や、舐めとると偉い目合うのは、
こっちやろう・・・」
イリス国の首相「それでも数で押せば!」
カーサン国の首相「そういう事でもないでしょ
貴方は、参謀役だから、前線じゃない
カラいいかもしれないけど、
敵が強ければ強い程、兵士の犠牲が
増えるのよ、こっちに多大な損害が出る
数で押せば勝ってるなんて
単純な考えは、こっちがよぽっど
有利じゃないと出来ないわよ」
カーサン国の女性の首相が
言ったことが気に食わないのか
言い返せないまま顔をまっ赤にしていた
王様「そういう事だ、出来るだけ
こちらの損害を少なくしたい
それは、当然だ、兵士にも家族や大切な人が
いる、死んでもらっては、残された人は、
報われないだろ、出来る限り
それを少なく、済ませるようにするんだ」
スラド国の首相「それは、結構ですが
どうするつもりですか?出来るだけ数を減らさずに
勝つ方法なんて・・・」
王様「情報があればいいんだが、
今は、これが限界だ・・・。
俺も戦に参加するが、相手の出方を
見ないとどうとも言えない」
スラド国の首相「それは、あまりにも無責任
過ぎるじゃないですか?あと一週間しか
ないんですよ」
王様「それは、分かってるが、国民を
地下へ避難させて、普段より兵士の
数を増やして、街を見回って貰うしかない
いざという時は、援軍を呼んで・・」
スラド国の首相「それでは、兵士の犠牲を
出来るだけ減らすことは、出来ませんよ」
ダズル国の首相「随分、世界中の兵士を
見くびってるみたいじゃな
あんたが心配するほど、弱くないだろう
どっちの腕が上かだ、それは、戦が
始まらんと分からんことだ
今から心配しても仕方ない」
スラド国の首相「見くびってなどいません、
王様の対策が甘すぎるから!それでは、」
ダズル国の首相「じゃあ、ほかに対策が
あるのか?それ以外で
わしは、王様が今言った対策に納得した
なんせ敵の強さは不透明じゃ
強いて言えば、罠を仕掛けるか
相手の出方を予知して、先回りして
攻撃するかしか思いつかんが
これは、無理じゃな」
スラド国の首相は、押し黙ったまま
口を開こうとしない・・・。
カーサンの首相「対案がないのなら
反対しない方が身のためよ、
あたしも王様の対策に賛成ね
それ以外しか考えつかないし」
王様「そうか、それは、ありがたい
皆、異論は、無いなぁ」
誰も挙手せず、静かに頷き、会議は、
終わりを告げる。
王様「すまん、ありがとうな
フォローしてもらって・・・・」
ダズル国の首相「気に食わんかったから
意見しただけじゃ、王様は、
あんなもん相手にせんでいい
するだけで時間の無駄じゃ」
王様「でも、あれは、本音だと思う
情報に振り回されて、当てにして、油断して
国をめちゃくちゃにされたら、元の子もない・・・・」
ダズル国の首相「まぁそうじゃな
本音だとしても、敵の本質
も分かっていないのに大したことないと
油断すると、身を切ることになる
それを分かっていないだけだ
大勢の命を背負うという事は、
そういう事だ・・・。」
王様「そうだな、俺が若造だから
みんな不安なのは、当たり前か・・。」
ダズル国の首相「年など関係ない
身分も・・、人間として
王の素質があるかどうかで
ルシウス絶対に王 が
決められたとわしは、思っておる
信じておるぞ、王様」
王様「ありがとうな、信じてくれて・・」
ダズル国の首相「当たり前じゃ
先代の王は、わしの親友じゃ
あの男は、人の見る目だけは、人一倍ある
そういう事じゃ、またな、王様」
ゆっくりとした足取りで去っていた
カーサン国の首相「王様、話があるんだけどいい?」
王様「いいがどうした?」俺の背後に
壁に持たれ立っていた
カーサン国の首相「ちょっとね」
王様「ここで話しにくい事か、分かった
部屋に入ろう・・・・・」
会議室の隣にある部屋に入った
テーブルに座り、俺の横には、べニラがいる。
王様「話とは、なんだ?」
カーサン国の首相「王様のお気に入りの
勇者さんの故郷は、うちの国内にある
知ってると思うけど・・・」
王様「そうだがどうした?」
カーサン国の首相「カレンさんから聞いたわよ
悪い夢を見て、勇者一行を戦に
参加させないつもりだったんでしょ
大丈夫よ、守ってあげる
当然の事だけどね」
王様「また、カレンは、余計な事を・・
まぁいい、ありがとう、ベル」
カーサン国の首相「いいえ、交換条件に
カレンさんの開発した武器をこっちに
ちょっと譲ってくれない?いいでしょ?」
王様「それが目的か、いいぞ
だがお願いがある、友人としてのだ
ピグの村を守ってくれ、贔屓に
思われるかもしれない」
カーサン国の首相「らしいわね、
さっきから言ってるじゃない
守ってあげるって、絶対にね」
王様「そうか、良かった・・・」
カーサン国の首相「当たり前でしょ
ちょっと帰りにカレンさんの所に行ってくるわ」
王様「おう、じゃあな・・。」
俺らしく無いかもしれない、
こんなに不安に思うのも
ピグの事を大切に思っていて、
無くしたくないから・・・。
そしてこの世界が闇に染まってしまわないように
世界の王として俺は、止まっていけない
続く




