1人じゃない
「翌日」よく眠れず、ベットで
寝返りを繰り返していた
部屋をロックして、べニラが
入ってきた。
「王様、起きたところ悪いですが
客人が来てらしゃいます」
王様「こんな朝に誰だ?」
べニラ「お仲間ですよ、王様
話があるらしいですよ」
王様「まさか、カレン、あいつ
言ったんじゃないだろうな」
べニラ「それは、知りません
通しますか?王様」
王様「通せ、追い返しても
無駄だ、べニラ」
「分かりました、王様」
「応接室」王様「何しに来たんだ?」
椅子に座り、真正面のヤツに尋ねる
ガイ「冷たいなぁ、王様
決まってるだろ、一緒に
戦いに来たんだよ」
王様「それを誰に聞いた?」
ガイ「そこにいるカレンからだ」
横にカレンが座っていた
「王様ごめんにゃ、でもみんなが
居た方が心強いと思って・・・」
王様「カレン、世界の機密情報を
バレたもんは、仕方ないが
君達、民間人の手を貸すわけに行かない
危険な目に会わしたくないんだ
戦争とは、殺し合いだ
そんなのに君達を巻き込みたくない」
ピグ「嫌だブー!!ワガママかもしれないブー
王様だって、死ぬかもしれないブー
そんなのいやブー!それに僕は、
勇者ブー!世界を救うのが使命ブーだから! 」
王様「それだけは、だめだ!
もうお願いだから引き下がってくれ」
ピグ「嫌だブー!!」
エリー「ピグさん、断れしまわれては、仕方ありません
帰りましょう・・・」
ピグ「仕方なくないブー」
エリーが連れていこうとするが、振り払い、
俺を真剣な目で睨んだ。
俺の背後にいたべニラが口を開く
「王様は、あなた達の身を案じて
断っているんです、それに
軍勢の前で怯えて、足でまといになるのだけは、
やめてほしいのですよ
特に勇者殿・・・・」
ピグ「僕は、ヘタレじゃないブー!
王様が苦しそうだから、 力になれたら
って思ったからブー」
べニラ「それが迷惑だって\王様
「黙れ、べニラ、勝手に俺の気持ちを
決めつけるのは、辞めてくれないか?
迷惑だなんて思ってなんかない
むしろ嬉しいくらいだ・・・」
べニラ「申し訳ありません、王様」
王様「イヤ、いいんだ、べニラ」
ピグ「王様は、嬉しいのになんでダメなんだブー?」
哀しそうな顔で首をかしげる。
王様「ピグを危ない目に合わしたくないんだ
分かってくれ」ピグ「分からないブー!
合わしたくないとか余計なお世話ブー!」
王様「余計なお世話とはなんだ!?俺は、
ピグの事を心配して・・・・」
ピグ「それが余計なお世話って言ってるブー!」
王様「お前なぁ!?」2人とも1歩も譲らず
口論になっていた。
べニラ「王様、俺に提案があります
そんなに不安なのなら、勇者として
相応しいか確かめてみましょうか?」
王様「ピグは、勇者の素質を持っているだが
敵の前に現れば、容赦的に格好の標的に
なるだろう・・・。それをなんとも避けたんだ
そこじゃないんだよな」
べニラ「そうですか、残念です………。」
ピグ「もう、戦いに参加するって言ったらするブー」
王様「お前は子供か、俺の許可が出ないと
戦いには、参加出来ないぞ」
ピグ「ブー!!」くちびるを尖らし、頬を膨らませる
エリー「拗ねちゃいましたね、王様」
王様「俺に言うな、エリー」
エリー「王様の気持ちも分かりますが
別にいいじゃないですか?
ピグさんが強いのは、王様だって
分かってるですよね?わざと標的にして
敵に罠をかけるって言う戦術もあるですから
何をそんなに嫌なんですか?」
わざと俺の隣に座り、顔を覗き込む・・。
王様「悪い夢を見たんだ。ピグが泣き叫んで
村が燃えて、焼け野原になって………。」
エリー「そんな事で臆病になって
ピグをあたし達を戦いに参加させないですか?」
王様「そんな事でって!大事だよ
俺には、俺のせいで大事な物を
失って欲しく無いんだよ」
エリー「別に参加しても、しなくても
ピグさんの村が標的にされる時は、されますよ
そんな予知夢見てを真に受けてるなんて
貴方は、馬鹿なんですか?」
王様「エリー、バカとは、なんだよ
そんな言い方は、無いだろ!」
ピグ「王様は、バカブー!!」
さっきまで拗ねていたピグが突然
こっちに駆け寄ってきて…………。
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」思い切り殴られ
慌ててべニラが駆け寄る
べニラ「大丈夫ですか?王様、
貴様は、分かってるのか?自分が何したか?」
王様「べニラ、大丈夫だ、だから
怒らないでくれ」べニラは、渋々
「分かりました」と言い、後ろへと下がる。
エリア「予知夢見れてよかったじゃないですか?
不気味で嫌だったかもしれませんが
未来なら変えられますよ、王様」
ピグ「僕と一緒に変えるブー!王様!
それにそんな辛いこと、1人で抱え込んでた
なんて僕は、悲しいブー!
王様は、一人じゃないブー!周りに
みんながいるブー、一人で背負わないで
みんなに背負わせるブー!王様だけ
そんなの辛いすぎるブー!」
俺に思い切り、抱きついて来て
みんなの顔を見上げるが
視線が何故か揺らないで、よく見えなかった
涙が頬を伝い、そうか泣いてたせいで
見えなかったんだ…………。
抱きしめ返して、「ありがとうな
ピグ、気付いてくれて、もう限界だったんだ
そうだよな、未来なら変えれるな
何、弱気になってんだ、俺らしくないなぁ」
俺より小さくて、弱虫で臆病で
なのに、こいつに抱きしめてもらうなんて
出会ったあの日は、思わなかった……。
さっきの事は、分からんのに
なに怯えてたんだ・・・・。馬鹿らしい。
「今ここで、貴殿達に戦を参加することを許可する
約束だ、絶対に死ぬなよ」
ピグ「やったブー!安心して背中預けて行けるブー」
ガイ「やっとかよ、全く王様も頑固だな
旅して鍛えた精霊召喚士の力見せてやる」
カレン「お供するニャ!王様!」
エリー「右に同じく、参加させてもらいますね
みんな、自分から志願してるんです
覚悟は、とっくにしてますよ」
王様「み、みんな、ありがとうな」
周りを見渡すと大事な人がいっぱいいた………。
俺は、1人じゃない・・・。
続く




