闇に立ち向かう事。
「魔界 魔王の城」
「悪い知らせか?なら聞かないぞ
お前らに期待した俺が馬鹿だったみたいだな」
魔王様は、王座の椅子に
不機嫌そうに座り、
あたし達を睨んだ。
エリザベス「話を聞いてください!
失敗をした訳では、なく
手を込まねえているだけで
まだ何も·········。」
魔王「出来ていないのは、
お前らの実力不足だ
敵のせいにするでは、ない
いい知らせが来ると思い
待っていたが無駄だったみたいだな」
セレフ「もうちょっと待って頂け
ませんか??」
魔王「無理だ、もうお前らには、
任せられない、光さえも
消せなかったお前らには、」
ゆっくりと立ち上がり、
窓に映る暗黒の空を見上げた。
魔王「明日、結界を俺の力で
開き、闇の閃光を放つ。」
メイカ「そんな事をしたら
あちらの世界は、
完全に闇に覆われますね」
魔王「それが本来の目的だ、
人々は、絶望に満ちて、
俺の力は、最強になれる。」
エリザベス「あたし達に
出来ることはないんですか?」
魔王「ない、ただ見守ってくれ、
お前らも疲れたろうから
ゆっくり休め······。」
ため息混じりにそう呟き、
王座の間を去る。
エリザベスは、俯き加減に
つぶやく······。
「何もさせては、くれないわね
魔王様は··········。」
メイカ「あたし達は、見放されたの?」
エリザベス「見放されては、いないわ」
あいつら達にここに飛ばされた時
倒れ込んで、負傷を負っていた。
魔王様は、治癒魔法で
怪我を治して、
ベッドで寝さしてくれた。
見放していたら、
ほっとかれているはずだ。
エリザベス「見放されていたら
あたし達はここにいないわ」
メイカ「それもそうですね
セレフ、何かあたし達に
出来ることは、無いのかしら」
セレフ「俺に聞かれても······。」
視線を逸らし、本を漁る。
エリザベス「何をしているの?
セレフ·········。」
「探してるんだよ、
あっちの世界の歴史を
昔、戦争に明け暮れ、
人々は絶望に満ちていた原因を···。」
エリザベス「昔とは、違うだから、
戦争は、無いし、
平和そのものよ·····。」
セレフ「闇がない世界なんて無いはずだ、
絶対にどこかにある。」
エリザベス「時間なんて無いわよ
どういう根拠で言ってるか知らないけど
無理よ、あの世界は、
光で満ちているもの······。」
メイカ「あっ!」考え込んだ末
何かが閃く·····。
エリザベス「どうしたの?メイカ····。」
メイカ「王を殺れば
光は、消せるはず······、
アイツがあの世界の光、そのものだったんだよ」
エリザベス「レムじゃなかったの?」
メイカ「レムは、昔、あの世界に
絶望して、ブルートを生んだ、
それを倒したのも、王様で
レムに光を与えたのは、
アイツなの······。」
セレフ「そう、ここにも書いてある、
アイツされ殺せば
魔王様の野望は、果たされる。
その手助けをしよう。」
エリザベス「そうね、
じゃあ行きましょう、もう夜だけど
この時間なら寝てるでしょ」
セレフ「そうだな」
時計は、午前二時を指していた。
魔王の城を出て、結界を
強引にこじ開け、
あちらの世界に入っていく·······。
**************
「光の城」
レムを一人にさせない為、
皆と光の城で寝ていた。
横で寝ていたレムは、起き上がり、
窓の外を覗く。
王様「どうした?レム??」
レム「城が、王宮が危険です!
奴らに襲われる、
今すぐ向かって········。」
真っ暗の中、見知らぬ腕が
レムの背後を這い寄る。
「王宮に居ないと思ったらここにいたのかよ
手間取させるなよ」
王様「レムを放せ、じゃないと
お前を殺ってしまうかもしれない。」
セレフ「やってみろよ、
こいつを身代わりにしてやる···。」
ソロっと起き上がり、
エリーは、矢を放つ。
「クズですか?寝込みに襲うなんて、
闇の住人は、外道の塊でしたね
すみません、認識を
間違っていました。」
セレフ「魔王様のためなら
外道でもなんでもいい。」
ベニラ「部下にそうさせるのは、
あなた達が心酔しているだけで
魔王は、それを望んでいないでしょ。」
セレフ「どういう事だ??」
ベニラ「あなた達は、勘違いしているんですよ、
どうせ王様狙いで来たんでしょ、
この人を殺っても何もならないですよ」
王様「ベニラ、それは、どういうだ!!」
ベニラ「あなたまでですか、
この世界その物が光なんです、
王様一人で生んだのでは、なく
国民もここにいる皆さんの力で
世界は、成立しているのです、
この人を買い被り過ぎなのでは??」
王様「ベニラ!俺のこと
貶してないか??気のせいか?」
ベニラ「気のせいですよ
だから狙うのは、やめろ
というのは言いませんが、
それでもそうするなら
ねじ伏せますよ」
エリザベス「面白いわね
じゃあ、本当に殺したら
少しでも絶望に近づくじゃない?」
ベニラ「それは、無理ですね
だってこの人は、化け物ですから···。」
清々しいくらいの笑顔で
言い放った。
王様「なんか今日のお前、可笑しくないか?」
ベニラ「そんな事無いですよ」
レムは、ため息を吐き、
セレフの腕を握る。
「はぁーもう、天敵になんで
こんなをするのでしょう」
セレフ「はぁ??お前が邪魔だからだろ」
レム「あなた達に光を少しでも
出せば、こうなります····。」
手のひらから光を生じさせ、
胸に手を当て、打ち込んだ。
レム「少しですよ、痛いでしょ、
手を当てられただけなのに、
まるで心臓を握られているようで·····。」
メイカ「何をしているの?」
頭に拳銃を当てられ、
こちらを睨む·····。
レム「仲間意識はあるみたいですね」
王様は、ソロっとメイカに
近づき、拳銃を強引に奪い、
床に落とさせる。
王様「こいつに手出しは、させない。」
メイカ「くっ!!?」
カレン「うるさくて起きたにゃ!
これでも喰らえニャン!!」
何故か、枕元に置いていた、
バズーカーを振りかざし、
光を放つ·······。
王様「いくらお前でも、
これは、危ない········。」
レムを抱き寄せ、距離を置く。
煙が周りに立ち込め、
しばらくして、消えたが、
とても静かでなにか不気味だ。
「痛い、痛い!!!痛い!」
闇に覆われた体は、
光に少しだけ当てられるだけでも
痛いのに、あんな真っ向から
沢山の光を浴びたら、
普通なら死んでるのに
辛うじて生きている·····。
レム「あら生きていたの?」
セレフ「ボロボロだけどな
猫娘、なんだこれは??」
カレン「お前らを倒す為に
作ったやつにゃ、ちょっとレム様に
協力してもらったニャン
丸腰って思ったら
大間違いニャ!!」
セレフ「準備していたんだな
見越していたのか?」
カレン「備えあれば憂いなしニャン
そんな諺も知らないにゃ!」
セレフ「知らないなんて
言ってないだろ!猫娘!」
カレン「あたしは、猫娘じゃないにゃ!」
ガイ「喧嘩してる場合じゃないだろ」
あくび混じり、そう言って、
太陽の精霊、アルテミスを呼び寄せる。
ガイ「トドメを刺してやる、
治癒魔法なんかさせないからな」
血だらけで立つだけでも
精一杯なのに、トドメを刺すつもりなの?
ホント容赦が無いわね
あたし達は、魔王様に救われたの、
だから、今度は、恩返しをしなきゃいけない
メイカ「あなた達なんかやられない!
化け物になってでも、
魔王様の野望の手助けをする!」
周りが闇に覆われ、姿を隠す。
王様「邪魔できないのか?
ベニラ??」
「出来たら苦労しないでしょ」
王様「そうか······。」
****************
瞼を少しずつ、開け、
周りの様子を確かめる、
騒がしく、目の前では、
闇が渦巻いて、皆が前にいる。
何が起こってるか分からない。
王様「起きたのか??ピグ」
「なんで起こしてくれなかったブー?」
王様「それどころじゃなかったんだよ」
「そうブーカ」ボクサーグローブを
はめ、電撃を放つ。
渦巻いた闇は、おさまり、
そこには、悪魔が3人居た······。
黒い翼がパタパタとさせ、
光の城の天井を突き抜ける。
空に浮かび、何かしようとしている。
ガイ「アルテミス、あれはなんだ??」
アルテミス「止めた方がいいぞ、
奴らは、この世界に闇を放つ、
我らの光で消せるが、
皆、与えてくれ、希望を·······。」
皆は、頷き、アルテミスと
レムに囲み、希望を与える···。
**************
「魔王の城 王座の間」
忘れ物をして、書物を取りに来たが、
誰かが触った跡なのか、
直してる本棚が違った、
まさか、あいつら、読んだのか?
あの世界の歴史を····。
悪魔一人が世界を絶望へと
確実に導くはずだっただが
それは、少年によって、
阻止された、3人なら、
出来ると思ったのか??
あの世界には、アルテミスと
レムがいる、光の塊だ、
そんなのにまともに当てられてしまったら
物体ごと死んでしまう。
いくら完全体でも無駄だ、
光に圧倒されて、朽ち果てるだけ··。
あいつらを助けなきゃ
だがあの世界には、行けない、
少しでも結界を開けてくれば
入れるが、野望を果たすのを
今にするしかないか、
ちょっとは、早いが
あいつらを救うためだ、仕方ない····。
****************
「光の城」
レム「雲行きが怪しいですね」
アルテミス「察したようだな
どうする??レム??」
レム「戦うしか、道は、無いでしょ」
アルテミス「そうだな」
二人に翼が生え、夜空に浮かんだ。
「こっちに来たのか?
殺されたいみたいだな」
セレフは、あたし達に剣を向ける。
アルテミス「ブルートより強いみたいだな」
セレフ「あんな雑魚と一緒にするなよ
あいつは、魔界のモノじゃない、
この世界の闇そのものだ。」
アルテミス「そんなの知っている、
かつて、精霊は、人々の生活を
支え、世界に尽くすことが
役割であり、使命だっただが
時は、流れ、人々は、身勝手な野望に
見舞われ、飢え、悲鳴、阿鼻叫喚し、
戦争を起こ、報復を繰り返し、
破滅へと確実に進み、
止めれる者は、誰もおらず
唯一、神が世界に災厄を起こす事によって
勇者を生んで、闇の塊ドラゴンを
倒したが、戦争は、終わらず、
ブルートを生み出してしまった。
今、精霊は、世界を支え、
守ることが使命だ、まぁそれも
終わろうとしている。」
レム「これからは、見守る、
それが私達、精霊の役割となるでしょう」
手のひらから光の紐を生み出して、
強い眼光で見つめられた·····。
次回に続く。