人々から絶望を忘れさせた世界。
数日後「イリス国 」
街道を歩き、久しぶりに
帰ってきた街をあっちこっち
見渡すが何も変わっていなくて
ちょっと安心した。
政権が変わって、きっと、
何かが全部変わってしまうなんて
ただの思い過ごしだったか·····。
エリー「ガイさん、どうされました?」
横にいた妖精に話しかけられる。
ガイ「変わってないなぁって思って」
エリー「それもそうですね
良かったじゃないですか?」
ガイ「そうだな」
エリーは、鼻を利かせて、
周りを見渡す。
ガイ「どうした?エリー?」
エリー「なんか、獣臭くありません??」
ガイ「そうか?気のせいだろ?」
エリーと同じく、臭うが
ちょっと血みたいな匂いがした。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
女の子の叫ぶ声が聞こえ、
その方向に急いで向かう。
*****************
「イリス国 入り口。」
迷路の森と国との間の
扉が壊され、魔物がうじゃうじゃ居る。
門番人は、震え、固まっていた。
女の子は、俺の後ろに隠れ、
小刻みに震えている。
エリー「あなたは、他に援軍を
呼んでください!!
あたし達がここを食い止めます!」
門番人「は、はい!!」
急いで、向かった。
ガイ「しばらくかかりそうだな」
エリー「そうですね、ここから
遠いですからね·······。」
兵士がいるのは、ここから
何キロも離れた基地に密集してる、
平和ボケって言うのは、
こういう事かもしれない。
まぁ仕方ないか·····。
目の前を見ると、魔物は、
ヨダレを垂らし、獣臭い。
エリーの言う通りだ。
エリー「気持ち悪いですよ、ほんと····。」
矢を射った瞬間、
無数に別れ、雨を降らせる。
エリー「ガイさん
きつい電撃をお願いします!」
ガイ「おう!!雷の精霊よ
雷土を起こせ!!
サンダーブレイド!!」
電流が剣を覆い、時計回りに
魔物を切り裂いた。
エリー「これでちょっとは、
減りましたか?」
ガイ「3分の1位じゃねぇか?」
エリー「全然ですね、てか何で
こんなにもいるんですか?」
ガイ「俺が聞きてぇよ、
なんかあれじゃねぇの
まさか、召喚したんじゃないのか?」
エリー「誰がですか?こんな大勢の
魔物をですか?人間じゃ
到底無理ですよ。」
ガイ「そうだよな、心当たりありすぎて
笑えねぇな······。」
エリー「そうなんですか、
この魔物達を倒してから、
迷路の森周辺を調べた方が
良さそうですね」
ガイ「そうだな····。」
せめて兵士が来るまで、
3分の2まで減らしたいが
混じってるんだよなぁ、
でっかい奴が······。
種を撒いた奴、ほんと許さねぇ····。
**************
「迷路の森。」
セレフ「今頃、暴れてるだろうな」
メイカ「そうでしょうね、
じゃないと困るわ····。」
木の下に座り、2人しか居らず
のんびりとした時を過ごしていた。
セレフ「お前、いつまでいるんだよ」
メイカ「この作戦が上手くいったと
思うまでよ、あなたは、油断をして
負けるの、いっつも!」
セレフ「うるさいな!僕だって
学習するんだよ!」
メイカ「詰めが甘いの!!
分かってないじゃない!」
セレフ「今回は違うかもしれないだろ!」
メイカ「何がよ!」
メイカ「喧嘩しても仕方ないわ、
空からでも見守りましょう。」
セレフ「その必要は、無い
巨大な奴が数匹居たら
手こずって勝ってる訳がない。」
*****************
「イリス国 入り口」
エリー「はい、巨大な方は、
火あぶりの刑でーす。
あなた達が扉壊したんですよね?」
ガイ「容赦ねぇ········。」
エリーの睡眠導入剤を湿らした
矢で射抜かれ、俺の魔法で
縛られ、目覚める前に
業火で焼き尽くす。
エリー「怯えないでくださいよ
さっきに強い人から殺ったからって
つまんないですね」
冷酷な目で矢を向ける。
ガイ「こりゃ黒焦げだな、
出会した相手が悪かったな」
業火に焼かれ、意識を失い、
倒れていた。
ガイ「後は、雑魚ばっかりだな」
銃を持ち、何度も引き金を引いて
魔物の肉を貫き、
ドミノ倒しみたく、殺った。
エリーは、あんなに撃ってるのに
外れる事を知らず、百発百中で
当て、確実に魔物の数を減らしていく。
ガイ「こりゃ、兵士来るまでに
終わりそうだな······。」
エリー「どうですかね·····。」
ガイ「まさか、この先にさらに巨大なとか
ないよな???」
エリー「それは、無さそうですけど、
召喚した人が勘づく程
頭が良くないといいんですが····。」
ガイ「どういう事だ??」
エリー「んー、まぁ運って大事ですよね」
ガイ「まぁそうだな···。」
******************
セレフとメイカは、
ポカポカの陽気に包まれ、
いつまにか寝ていた。
勘づくどころか呑気に
いびきまでかいている。
もしかしたら馬鹿なのかもしれない、
致命的な程に·······。
主人は、そんな物だから
魔物は、手は、尽くすが
冷酷な妖精の前にそれは、
踏み潰され、一蹴される。
エリー「何、毒とか麻酔の魔法って
当たらなければ何も無いですよね
何もならなくて良かったです、
魔物さん達、サヨウナラ」
笑顔でそう言い放った瞬間、
巨大な雷を降らされ、気を失った。
***************
「イリス国 入り口」
エリー「終わりましたね、
行きますか?迷路の森に····。」
ガイ「そうだな、まぁこの死体処理は、
兵士に任せるか」
エリー「まぁそうですね、
申し訳無いですが仕方ないですね」
ガイ「そうだな、じゃあ行くか。」
ゆっくりとした足取りで
迷路の森へと向かった。
エリー「誰も居ないですね」
ガイ「静かだなぁ」
エリー「うーん、近くにいないと
可笑しいですけどね」
ガイ「どっかに隠れてるじゃねぇの?」
エリー「そうですね、探してみましょうか。」
ふたりで森十、駆け回り、
いびきと寝息が聞こえる。
ガイ「うわぁ、見たことあるわ、こいつ」
エリー「奇遇ですね、あたしもですよ」
木の下で気持ちよさそうに寝ていた。
エリー「女性は、初めてですね」
ガイ「完全に寝てやがるな、
魔物もかわいいそうなもんだな
こんな主人で······。」
エリー「犯人は、この男で決まりですね
魔法陣だってありますし····。」
ガイ「そうだな、どうする?
なかなかのチャンスだぜ。」
エリー「あたし達に殺すのは、
無理ですよ、だってこの方々、
不死身ですもん、打つ手なしです。」
ガイ「そんなに強いのか?
あんな簡単に吹き飛ばせたのに····。」
エリー「それは、この方が馬鹿なだけで
実際は、化け物ですよ」
ガイ「そうか、じゃあ
どうするんだ?野放しにしたら
同じ事になるぞ」
エリー「捕獲して、王宮で
ベニラさんに尋問してもらいますか?」
ガイ「そうするか、ベニラに
嘘つけねぇもんな」
エリー「そんなことを思った事があるんですか?」
ガイ「んー何回かあるんだけど、
見抜かれるだよな、あいつ絶対に
読心術とか使えるって!」
エリー「そこまでベニラさん
完璧超人じゃないでしょ」
***************
「王宮、リビング」
ベニラ「ヘックショホホォォォイ!」
王様「なんだその奇妙なくしゃみ仕方は、
ベニラ「さぁ、風邪ですかね」
王様「無理するなよ」
「ニャーニャーーーーン!!
大変にゃ!!エリーちゃんから
連絡来たニャン!」
王様「そんな慌てる事ないだろ、
普通じゃねぇのか??」
カレンは、勢いよくドアを開け、
魔法陣を発生させ、
そこにエリーが現れた。
伝令魔法の一つだ。
エリー「イリスの間の迷路の森の
扉が怖され、こちらに
魔物が襲撃しに来ましたが
全員やったので、安心してくださいね」
ニッコリと笑う。
カレン「なんか怖いニャン!!」
エリー「召喚人を捕まえたので
ベニラさんに尋問してもらえば
馬鹿なので、なんでも吐くと思うので
よろしくお願いします。」
ベニラ「貶しまくってますね
野放しにするよりは、いいですね」
王様「そうだな、エリー、
場を収めてくれて、ありがとうな」
エリー「はい、どういたしまして
じゃあ、明日には、帰ってくるんで
サヨウナラ······。」
丁寧にお辞儀して、魔法陣で消え去った。
ベニラ「いろんな意味で肝が
据わっていますよね、エリーさんって」
王様「そうだな·····。」
カレン「それにしてもいいにゃ??
こんな化け物をここに置くなんて····。」
王様「王宮の牢屋なんか入れないぞ
何するかわかんないからな
とりあえず、あそこに放り込む。」
カレン「そうにゃん、災難ニャンね」
ベニラ「まぁ実際に犯罪は、
犯していますからね」
カレン「普通に考えたら
終身刑ニャンね〜」
ベニラ「そうですね、また尋問とは、
疲れますね、もう帰りますね。」
カレン「お疲れ様ニャン!!」
ベニラは、静かに家に帰っていた。
**************
「魔界」魔王「2人とも
何捕まってるんだよ!!!
えっ?えっ?そんな強いの!
喧嘩売る奴、間違ったかな??」
王の間を右往左往して、
ブツブツと呟く。
「魔王様、情けないですよ、
大丈夫ですよ、所詮人間ですし
倒された訳でも無いです。」
魔王「嫌そうだけど、人間界の
拷問は、きついと聞くぞ
あいつら、こちらの情報を吐かないか?」
「自分の部下を信じてましょうよ
きっと、黙ってくれます。」
魔王「それもそうだな、
あいつらを信じるぞ、上手く、
脱獄できますように······。」
「できますよ····、きっと······。」
白い髪と穏やかな顔立ちと
背中には、羽が生えた
美しい女性は、魔王の部下である。
「あいつら、ホント何やってるのよ!!
ポンコツにも程があるわ」
王の間を去り、庭で
部下を力強く踏む。
「エリザベス様!!辞めて下さい!
八つ当りは!」
エリザベス「やかましいわね
あたしが人間界に行くしかないか
あのポンコツが脱獄出来ると
思えないし、牢屋に入れられる前に
やるわよ·····。」
「は、はい!!」
エリザベス「じゃあ行きましょう、
人間世界へ、ほんと楽しみね」
魔法陣を発生させ、人間界に向かった。
***************
「牢屋」ここは、世界で最も
強固な牢屋と脱獄不可能だといわれている。
出ようとすれば、数々の罠と
出口だと思えば、暗号を解かないと
出れなかったり、かなり意地悪な
工夫がされ、犯罪者は、
今日も大人しくしていた。
セレフ「なんで、捕まってるんだよ!!!」
メイカ「あたしが知りたいわよ
寝てたらいつまにかここよ!
何か知らないの?」
セレフ「一緒に寝てた僕が
知ってると思うか?」
メイカ「それもそうね、
あなたに聞いたあたしが悪かったわ!」
彼らは、エリー達に捕まり、
牢屋に入れられている。
うるさく騒ぎ、見回りをしている兵士に
睨まれる········。
メイカ「怪しまれるわよ
黙るしかないわね······。」
「もう捕まってるじゃない
相変わらず、ポンコツなのね」
メイカ「この声は、エリザベス様?」
バンバン!!激しい銃声が聞こえ、
目の前を見ると、
兵士の死体が転がっていた。
セレフ「なんで、エリザベス様が····。」
エリザベス「一応、助けに来ましたよ、
メイカ、セレフ。」
4話に続く。