新たな物語りの兆し。
「王宮 リビング」
王様は、カレンが開発した
テレビというヤツをジッーと見ていた。
「これは、凄いな、こんなに
鮮明に見えるんだな」
べニラ「そうですね、ラジオは、
聞けるだけでその状況は、
分からないですしね」
王様「目で見ないと、確かな事は、
分からないからな」
べニラ「カレンさん、兵器と武器以外も
作れるですね」
王様「あぁ、そっか、べニラは、
知らないのか、あいつが
仲間になる前、カレンが発明したロボット
に襲われたんだよ」
べニラ「へー、強かったですか?」
王様「んーまぁまぁだな」
カレン「まぁまぁニャン!
ショックニャン!」
勢いよく、入り、ニャーと叫びだす。
べニラ「ロボットだから、
直しようがあるじゃないですか?
よく分かりませんが···。」
カレン「そうニャンね、
あっ!そう言えばテレビは、
どうニャン!」
王様「中々いいぞ、仕組みが
分からないだが、すごいなこれは、」
カレン「そうでしょ、あたしは、
凄いにゃんね」
べニラ「テレビに凄いと
言ってるんですよ」
カレン「それを作ったのは、あたしニャン!」
べニラ「はいはい、そうですねー」
カレン「何なのニャン!その言い方は!」
べニラ「別に何でもありませんよ」
カレンは、頬を膨らまし、
べニラを思い切り、睨みつける。
王様「カレン、それ位で怒るな
お前が作ったものは、
欠陥がなくて、素晴らしいものなんだから」
カレン「まぁそうニャンね
王様の言う通りニャン」
べニラ「王様、褒めたら図に乗りますよ」
王様「それでいいじゃないか」
べニラ「まったく、王様は····。」
「最近、各地では、魔物が増え
冒険者達や住民の頭を悩ませています。」
べニラ「ひたすら駆除するしか
ないですよね」
王様「そうだな、この季節は、
魔物の繁殖期でもないのに
何でだろうなぁ·····。」
べニラ「魔界って知ってますか?
実際あるか知りませんが
魔物は、そこから来たものだと
言われています。」
王様「都市伝説みたいなもんだろ、
って決めつけるのも良くないか」
べニラ「魔界は、魔物が
多く住み、ほかの生物は、
魔物に支配されています、
魔王によってって言うのが
この書物に書かれています。」
王様「そうか、本当かどうか
分からんから、どうも言えんな」
べニラ「神様に聞いたら、
何か分かるじゃないですか?」
王様「そうかもしれんな」
カレン「私も久しぶりに神様に
会いたいニャン!」
王様「いいぞ、じゃあ行くか」
べニラ「そうですね····。」
***************
ワープで神の塔へと着いたが、
神の姿がない、どっかに行ってるのか?
べニラ「あれ、いませんね」
王様「寝てるかもな、あいつ、
平和ボケしてるんだよ」
べニラ「まぁいい事じゃないですか?」
カレン「どうするニャン?」
王様「起こすしかないだろ」
魔法を唱え出して、魔力を詰め込み
爆発させる、ドカーン!!?
べニラ「こんなので起きるんですか?」
カレン「見事な失敗ぶりニャン」
王様「ちょっと待ってろ」
神様が不機嫌気味に王様を睨みつけ、
こちらに駆け寄る。
神様「盛大に失敗しやがって、
爆発音は、苦手って言ってるだろ」
王様「すまんなぁ、ちょっと
聞きたいことがあるんだがいいか?」
神様「いいぞ、とりあえず、中に入れ」
神に連れられ、神の塔の中に入っていく。
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「神の塔 応接室。」
そこには、執事姿のミロタロスが
軽く会釈をして、こちらに微笑んだ。
カレン「魔物がいるニャン
魔物使いニャン??」
神様「違うに決まってるだろ、
仲間だよ、仲間だ、
根は、イイヤツだから安心しろ」
カレン「そうニャン」
全員、ソファーに座り、
王様が神様に尋ねる。
「魔物って魔界から来たものなのか?」
神様「始まりは、そうだな、
昔、世界は、争い事に溢れ、
闇に染まりつつあった、
それをいい事にドラゴンが
支配しようとした世界を
その時に引き連れていたのが
魔物だ······。」
王様「ドラゴンは、魔界の住人なのか?」
神様「まぁそうらしいな、
魔界に行ったらドラゴンなんて
沢山いるだろ、なぁミロタロス」
ミロタロス「そりゃもう、
魔界のある地域では、ドラゴンが
支配する国がある位ですから。」
王様「そうなのか、魔界は、
ほんとにあるのか?」
ミロタロス「ありますよ、魔界に行ける方法は、
知っていますから、いつでも行けますよ
覚悟は、入りますが···。」
微笑みが真顔に変わり、
そんなに危ないところなのか?
王様「でも行く理由がないし、
魔物の増えたのと関係ないだろ」
ミロタロス「それは、どうですかね」
神様「もしかしたら、
こちらに魔物を送り込んでる
かもしれないしな、どちらとも
言えないな·······。」
べニラ「でも、昔、支配しようと
していたんですよね」
神様「まぁな、勇者によって
倒されたけどな、今も
そのドラゴンは、封印されてるし····。」
カレン「なんか、どんどん、
現実味がないニャン」
神様「まぁそうだな、まるで
空想事ような話だよな
魔界を開けたのは、俺が原因
みたいなもんだし、仕方がないが··。」
ミロタロス「争い事に溢れ、
殺戮も当たり前のように
行われていましたし、怒って
当たり前でしょ。」
神様「まぁそうだが、今は、
ブルートも倒したし、魔界は、
完全に閉まってるから、大丈夫だぞ」
王様「それは、知っているさ
魔界の様子は、見れたりしないのか?」
神様「俺は、この世界の神であって
魔界の神ではないしな、
だから、見れないんだ。」
べニラ「ややこしいですね
魔界は、魔界で神がいるんですか?」
神様「嫌、魔王がいる、
魔界を支配しているやつだ
俺みたいなモンだよ」
べニラ「なんか、急に中二病じみて
来ましたね······。」
神様「まぁ、そういうものだろう
これ以上、魔物が増えるのなら、
疑った方がいいかもしれないな」
王様「そうなるよな····。」
神様「魔界から開けば、こちらの世界は、
闇に少しずつ染まってしまう、
初めは、誰も気づかないが
レムだけは、それにいち早く、
気づくことができ、消す事が出来る、
今は、人々に絶望は、ないし、
よっぽどの事は、ない限り
大丈夫だろう····。」
王様「よっぽどのことってなんだ?」
神様「それは、魔王がこちらを
支配しようとする時だ、
魔物やドラゴンもこちらに押し寄せ、
人々を絶望に晒すだろ。」
王様「嘘であってほしいな、
そんな事を許したりしない。」
神様「そうか、お前らしいな、
魔王は、今まで戦ったきた奴とは、
格が違う、何もなければいいがな····。」
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「魔界 魔王の城」
「魔王様、ご命令通りに
やりました、これで宜しいですか?」
あちらの世界の映像が
目の前に映し出され、満足そうな
顔をしていた。
魔王「せっかく築いた平和な世界を
壊すのもまた格別だからな
あちらの世界の王は、良くやってくれたが
それは、我を楽しませる事に過ぎない」
「悪いお人ですね···。」
魔王「今は、これでいいぞ、
奴らは、このくらいでは、
ものともしないからな、
監視魔物を倒されないように
してくれたらなんでもいいさ」
「分かりました魔王様。」
「後は、邪魔なのは、光の精霊
レムだ、奴がいる限り、
人々の希望や光は、消えたりしない、
どうしたもんか·······。」
*****************
「光の城」エリー「どうしました?レム様?」
レム「いえ、なんでもありませんよ」
何か感じた気がした、
闇がこっちを支配しようとしてる
邪悪な気を感じる。
エリー「それならいいんですが···。」
レム「エリー、お願いあるんだけど、
いいですか?」
エリー「はい、あたしでよければ···。」
レム「王様にこちらに来るように
言ってください、それと
あちらの空に光の矢を放ってください。」
エリー「分かりました、今日、
習得した技を試すんですね」
レム「思い切り、お願いしますよ」
エリー「分かりました!」
エリー「ライトアーチャリー(光の矢)!!」
空に向かって、打ち、光が弾けだした。
エリー「これで良かったですか?」
レム「上等ですよ、エリー
王様に伝達、お願いしますね」
エリー「分かりました、レム様」
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「魔界 魔王の城。」
「はっ、ハックション!!」
くしゃみと同時に鼻水が出て、
鼻をかんでいた。
「魔王様、風邪ですか?」
「光アレルギーなんだ、
触れたり、当てられたりすると
鼻炎気味になるんだ」
「結構、致命的な弱点じゃないですか?」
魔王「なんか言ったか?」
下僕を睨みつける·····。
「いえ、なんでもありません···。」
魔王の足元には、光の矢が刺さり、
凄まじい光を放っていた。
魔王様は、闇の炎を放ち、
燃やし尽し、矢は、消え去る。
魔王「もしかして、感じ取って
いないだろうな····。」
「まさか、そこまで勘のいい奴では、
無いでしょう、気づいてたら
もっと強い光を放つはずです。」
魔王「まぁそうだよな····。」
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「翌日、光の城」王様「どうした?
話とは、何かあったのか?」
レム「昨日、こちらの世界ではない、
邪悪な気を感じたんです、
なんかそれに関係する事は、
ありましたか?」
王様「そんな事を言われてもな、
魔物が増えた事位しか·····。」
レム「あっそれですか、
これ以上、魔物が増えるであれば
スグにあたしに言ってください」
王様「分かったが、レムが危惧する程、
世界は、危ないのか?」
レム「さぁ、それは、まだ分かりません、
今は、まだ予感だけです、
でもそれが確信に変わる時
世界は、闇に侵食されようと
している時でしょう
気をつけてくださいね、ルハク。」
王様「おう、分かった、レム
その時は、頼むぞ」
レム「はい、出来るだけ、
最善を尽くしますね·····。」
レムは、太陽の光を見つめ、
祈りを捧げていた。
「新たな物語りの兆し、END」
将軍と呼ばれた男に続く。