表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者がブタですが何か文句でもあるか?  作者: ブラックキャット
将軍と呼ばれた男
114/131

将軍と呼ばれた男

ジタ「な、何のつもりだ」

青年は、俺の手を掴んでいる。

ルイーダ「お前は、望んで戦ってるじゃない」

ジタ「何を言ってるんだ、

お前に何が分かるって言うんだ??」

ルイーダ「俺は、無知でキングの事も

ろくに知らないが、俺達を

殺す事を躊躇って、降伏させようと

必死だったんじゃないか?」


ジタ「な訳ないだろ、あれは、 ただの脅しだ」

レイ「そうかしらね、あなた

足掻きもしなかったでしょ、

殺されそうになったのに

そういう事でしょ」

ジタ「勝つ確信が無かったんだ、

諦めて当然だろ」


レイ「キング屈指の策士が言うことかしら

長年、忠誠を誓ってきたのでしょ、

ここで諦めてしまったら

キングの名が廃れるとは。

思わないの??」


ジタ「お前は、キングの何を知ってる?

長年、忠誠を誓ってきた??

あんな奴にそんな物

微塵もない、あたしは、

国の為に戦ってきた、

でも、お前らを倒したとしても

戦火は、広がるだけで

平和になんか近づけない。」


レイ「なーんだ、同じじゃない

あなた達は、あたし達に負けた、

降伏する形で仲間にならない?」

ジタ「屈辱的だが、良しとしよう、

負けたと知られたら、処刑モンだからな」

レイ「さすが、キングね

厳しいのね、敗者には······。」


ジタ「そういう訳だ、ここにいる奴らは、

あたしの部下だ、キングの手下では、ない、

裏切り者もスパイもいない

信じてくれ·····。」


「本当です!だからあたし達を

ジタ様の傍にいさせて下さい!」

部下の一人が俺達に近づき、

土下座して懇願する。


その姿を見て、ほかの部下達も

その場で土下座し、

こんなの断れるはずが無い。

ルイーダ「ほんとだな、

少しでも裏切ったら、首をはねるとも

言うか·········。」


レイ「棒読みになってるわよ

まぁいいわ、人望が凄いわね

尊敬に値するわ」

ジタ「おう、俺も素晴らしい部下達をもって

誇りに思うよ····。」


ルイーダ「いいのか、本当に

キングを敵に回すのかもしれないだぞ」

ジタ「そうだな、でも、この世界を

救うには、いいチャンスかもしれない、

キングもほかの国も今は、

混迷を見せてる。」


ルイーダ「なぁ、もし、世界が

平和になったら、戦争は、無くなるのか?」

ジタ「それは、分からない

でもこんな事を続けさせるより

ずっとマシだ····。」


ルイーダ「そうだよな·····。」

ジタ「お前があたしと同じ志だと

言うのなら、手を貸してくれ、

あたしは、世界を敵に回す事を

覚悟している。」

ルイーダ「俺もだ、もう後戻りなんか出来ない。」

互いの手を握り、契りを交わす。


***************

「夜、キング 首脳官邸」

キング「こんなに長引くものなのか?」

「いえ、そんなはずは、無いのですが

それにジタ様の事ですし

負けることは、無いと思います。」


キング「殺戮に時間でもかかっているのか?

呑気なやつだな····。」

「ジタ様は、そんな事をする人では、

ありません!?」


キング「急にどうした?」

「い、いえ、なんでもありません」

俯き加減に部屋を出ていった。


キング「負けるか、まさかな

あいつがやらかす訳ないよな

そうだとしたら、処刑所じゃ

済まされないぞ·····。」

チェスを握りつぶし、粉々にして、

地面に落ちていった。


**************

「翌朝」ジタ「もう朝か·····。」

テントの隙間から光が見え、

朝だと告げていた。


昨夜は、あんまり眠れず、

キング国の事ばっかり、考えていた。

今頃、どうなっているのだろう。


そんな一日で変わるほど甘くもないが····。


そっと扉が開き、ルイーダが現れる。

ルイーダ「起きていたのか?ジタさん」

ジタ「さっきな、まだ何も無いか?」

ルイーダ「そうだけどどうした?」


ジタ「キングは、いつ来るか分からない、

準備だけは、しておいた方がいいぞ」

ルイーダ「こっちから行くって言うのは、

どうだ??」


ジタ「何を言ってるんだ、

無謀にも程があるぞ····。」

ルイーダ「やられる前にやってしまえ

先手必勝だよ」

ジタ「馬鹿を言うな、相手は、大国だぞ

返り討ちに遭うだけだ。」


テントを出ていき、この村を

探索する事にした········。


*****************

「レイの部屋 」「あんたねぇ

先手必勝って、こっちが有利の時に

やるものよ、圧倒的に不利に

決まってるじゃない」


ルイーダ「キングの地形を熟知してる

ジタさんがいれば大丈夫だろ」

レイ「そういう問題じゃないでしょ、

考えなさい、ルイーダ。」


ルイーダ「軍の数か?それとも

技術の差か?」

レイ「全部よ、全てを上に言ってるのよ

キングという国は·····。」

ルイーダ「勝つのは、無理なのか?」

レイ「無理ね、粉々にやられてしまうわ」


ルイーダ「でも俺達は、

世界を敵に回してる」

レイ「それはそうでしょうね

だって首相を二人共やっちゃった訳だし、

目を付けられて当たり前よ」

ルイーダ「いつ、狙われても仕方ない」


レイ「そうね、だから

準備を怠る訳に行かないの

あなたは、世界をもっと知りなさい

じゃないと、荒波に飲まれるわよ」


ルイーダ「世界のか?」

レイ「そうね、なんちゃってねぇ」

冗談交じりにそう言い、

世界の地形本を渡された。


レイ「あなたは、ダズルとカーサンの

将軍よ、他の国の地形位

覚えておきなさい····。」

ルイーダ「将軍??俺が嘘だろ?

それは、レイがふさわしいだろ」

レイ「何言ってるの、女が将軍なんて

笑われるわ、それにあなたの方が

相応しい·······。」


ルイーダ「何を言ってるんだよ

俺は、まだ戦の経験も浅いし、」

レイ「だからよ、あなたは、

発展途上よ、これからも

どんどん伸びる、

きっと強くなるわ」


ルイーダ「レイの見込み違いだよ」

レイ「そうかしら?」

微笑み、俺を試す目で見てる。


***************

世界は、動かない、

俺がどんだけ足掻こうが

無駄だった、逆らったとして

俺の命は、確実に無くなる。

それは、部下だって悲しむし、

キングという国は、

完全にあいつのものになってしまい、

狂ってしまう····。


俺がどんだけ、血だらけになろうが

傷だらけになろうが、関係ない、


この身が滅ぶまで国に忠誠を誓うと

決めんたんだ·····。


キング、アイツを王座の椅子に

引きずり下ろすには、

あの国を壊す事から始めなきゃいけない、

壊す、聞こえは、良くないのかもしれないが


やるしかない、根っこまで腐ったものは、

取り除かなければいけない、

切っても切ってもまた生えてしまう、

それは、連鎖のように···。


この世界の頂点、キングを壊せば

何かが変わるはず、

変わらなければ、世界は、

もう手遅れという事だ······。



******************

「光の城」神「いつまで願ってんだ?」

レム「平和になるまでです」


神「人間どもにそれは、無理だと思うが···。」

レム「諦めたら、そこで全てが

終わります、神がそんな事を

許していいんですか?」

神「お前に言われたくねぇよ

レム、期待を持ちすぎると

失望するのは、お前だぞ」


レム「分かってますよ、

きっと未来は、明るいです、

あたしは、そう信じていますから」

神「お前がしてる事は、

光のない闇にずっと祈ってるだけで、

何もならないぞ····。」


レム「じゃあ、この世界に深入り

していいんですか?

禁忌を犯してまで、あたしは、

人々を救いたいと思っているのです!」


神「それだけは、やめろ!、

お前、知っているだろ、

それでどうなったのか

少なくとも、破滅に近づいたんだ、

勇者のお陰でどうにかなったが、

次は、どうなるか知らないぞ」

レム「······················。」

俺をにらみ、押し黙り、

光の城の中へと入っていた。


自分が神なのか疑いたくもなる、

だが、この容姿、確かに

あたしは、神なのかと

鏡を見つめる度にそう思う。


この世界の闇を拭れない

見てるだけの傍観者、

それこそが神だ······。


なんと情けない、拳は、震え

ずっと空だけを見ていた。


****************

「数日後······。キング、首脳官邸」

キング「ジタがうちを裏切っただと?」

「はい、信じられないのですが、

真実です、秘密裏に用意した

部隊に偵察に行かせましたので·····。」


キング「そうか、ジタがな、

あんなに俺に忠誠を誓っていたのに

そんな事が有り得るわけないだろ、

お前、俺に嘘をついて

貶めるつもりか!?」

あたしの襟首を掴み、睨みつけられる。


「ジタ様は、あなたに忠誠など

誓っていません!この国に

ジタ様は、身を削って

忠誠を誓っているのです!

あなたを裏切っても、

国は、絶対に裏切らない。」


思い切り、頬を叩かれ、

尻餅を付いてしまう。

キング「生意気を言うな!

小娘が!!この国を作ったの俺だ!

なんだその目は、これ以上

ものを言うと、首をはねるぞ」


顎を捕まれ、威圧感で押し潰され、

引き離し、出ていってしまう···。


死ぬかと思った、命が無くなってしまう。

ジタ様、ジタ様·····。


あなたは、国を救ってくれるって

部下達の前で約束していましたよね

信じていますよ·····。


その時まで、ユミが

この国を守ります·····。


******************

「ダズル国」ジタ様!!

ジタ様!「はっ!」夢の中で、

名を呼ばれ、飛び起きてしまう。


誰の声だ??ユミか?

俺に助けを呼んでいるのか?


そんなにキングは、混迷を見せているのか?

レイ「入るわよ、ジタさん」


ジタ「なんだ、レイ?」

レイ「まずいわよ、キングに

情報を知られてしまったわ」

ジタ「覚悟は、していたさ、

こっちにやって来るのも、

時間の問題かもしれない·····。」


レイ「そうね、ねぇジタさん、

内部分裂とか無理そう?」

ジタ「それは、どうだろうな、

アイツを裏切れる勇気ある奴が

どれほどいるかによる。」


レイ「そうなるわよね、

じゃあそうさせるのは、どうかな??」

ジタ「何を言ってるんだ、

さっぱり読めないぞ······。」

レイ「分からない?あたしらが

そうさせるんだよ、仕向けるの」


ジタ「容易くないぞ、あいつの

恐怖政治は、凄まじいぞ、

裏切る素振りを少しでも見せれば

その場で殺される、

リスクが多すぎる、良いのか?」


レイ「リスクが大きいほど

成功した時は、凄いことが起きるわ、

キングという国を壊す事が出来るかもしれない。」


ジタ「根っこまで腐ったものは、

取り除くしかないだが、

リスク多すぎる、ちょっと考えさせてくれ」


テントの扉を閉め、うずくまってしまう。

おれは、キングという国を

どうしたいんだ?


平和に?壊したい??

今更迷ってどうするだよ、

後戻りなんて出来やしないのに······。


将軍と呼ばれた男、次回に続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ