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勇者がブタですが何か文句でもあるか?  作者: ブラックキャット
将軍と呼ばれた男
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将軍と呼ばれた男

若い頃のわしは、無知でただのバカだった

世界の全てを知って、

純粋なまんまでいれると、思ってたんだ。

でも現実は、違う。


人々の欲望に塗れ、

戦争に溢れ、世界全体が

血の海と言ってもいい。

こんな世界を知って、

純粋な心で居れるはずなどない

汚れを知ってしまっては、

真っ白な心になれないよな。


****************

レイ「なんで、世界中が

なんで戦争をしてるか知ってる?」

ルイーダ「土地の奪い合いだろ」

レイ「それも入ってるけど、

惜しいわね、この世界の王を

みんな、狙ってるのよ」


ルイーダ「世界の王??」

レイ「首相は、いるけど、

王様がいないでしょ、一番上の

お偉いさんがいない状態だから

戦争を止められる人もいないし、

自国が勝てば、リーダーである

自分が王になれる、そのチャンスを

掴もうと躍起になっているのよ」


ルイーダ「結局、権力が欲しいだけかよ」

レイ「まぁそうね、でもね、

民は、こんな戦争、早く

終わればいいのにって思ってる、

誰が王になろうとどうでもいい、

ただ平和に暮らしたい。」

ルイーダ「レイは、戦争を止める為に

戦っていたのか?」


レイ「最初は、そうだったの

でも、汚れを知ってしまっては、

純粋なままでは、居られない、

勝てば終わると思ってた

でもね、違うの、

あんなクソみたいな奴が

王になっても、この世界は、

平和になれないと確信したの」


ルイーダ「だから、今ってわけか?」

レイ「まぁね、世界を敵に

回すとは、思ってなかったけどね、

でも一つの戦争は、止められたから

結果オーライかな」


ルイーダ「そうか、

俺は、家族を守れたらそれでいいと

思ってた、でも違った、

この国が潰れちまえば、

家族や村のみんなは、

貧困に喘いで、路頭に迷ってしまう、

行く所もないだろうし、

これからどうしたいいんだろうなぁ


分かんねぇや.......。」

レイ「あたしも分かんない、

世界全体の戦争を止められたとしても、

本当に平和になれるとは、限らない、

答えなんてないよ、

戦争したい?したくない?」


ルイーダ「したくないに決まってるだろ」

レイ「じゃあ終わらそうよ、

戦争を············。」


ルイーダ「そんな事出来るのか?」

レイ「やってみる価値は、あると思うよ」

ルイーダ「そうだな、

やってみないと分からねぇもんな」


レイ「そうね、話に付き合ってくれて

ありがとうね、ルイーダ。」

ルイーダ「こちらこそ、色々と

教えてくれてありがとうな」


レイ「どうも、じゃあおやすみ·····。」

俺に微笑んで、手を振り、去っていた。


テントに戻り、眠りに付いた。


*****************

「キング(今で言う王国)首脳官邸」

「はぁ??何を言ってるんだ?」


「だから、カーサン軍がダズルを陥落

しようとしたんですが、カーサン軍の

裏切り者達に遮られ、

陥落どころか、戦争を止めてしまったのです。」

「ダズルを潰せるチャンスだったのに、

何やってるんだ!あいつは!」

首相は、テーブルを激しく叩き、


睨みつけられる。

「誰も裏切るとは、思ったなかったですし

仕方ないですよ····。」


「まぁそうだな、あいつは、

利用するに足りない奴だったって事か、

ダズルは、我国で潰すか」

「カーサンは、どうするですか?」

「同じだ、二つとも潰し、

スラドもイリスも、世界を壊しでも、

俺は、王になる、

もうそう、決まってる···。」


「わかりました、キング様

事が円滑に進むように準備致しますね」

キング「当たり前だ、失敗は、

許されないぞ······。」

また、睨みつけられ、部屋を出ていった。


俺は、この国が嫌いだ、

資源が豊富にあり、それを貪る政府と

国民は、苦しい思いをしてると言うのに、

貪るばかりで与えようとしないんだ、

何も、欠片も·········。


神様は、何故、こんなにも不平等なのか、

あんな最低な奴が楽して生きていられるのに、

民は、罪を犯していないのに、

なんでこんな苦しい思いを

しなければいけない·····。


資源を貪り、民が耕した畑さえも

搾取し、戦争中でタダさえ食料難なのに

俺は、民が辛いのを、

ずっと見てるだけなのか??


そんなの嫌だ、耐えられない。


でもどうすればいいんだ、

根っこまで腐ったこの国を

民が幸せに暮らせるようにするには、

何をすればいい?



答えは、どこにあるんだろうか??


***************

「数日後、ダズル国。」

朝、起きると、騒がしいベルが

鳴り響く········。

レイ「ルイーダ!大変よ、

さっそく戦かもね······。」


テントの扉が開いた。


ルイーダ「どういう事だよ?」

レイ「キング国の軍がダズルの近くに

来ているの、つまりそういうことよ」

ルイーダ「戦争を仕掛けられるってことか?」

レイ「まぁそうね」ルイーダ「勝算あるのか?」


レイ「確信は、ないわね·····。」

ルイーダ「大国だもんなぁ、

ここの地形は、俺が一番知ってる、

ここに来るまでに迎え撃ってやる」

レイ「任せるわ、ルイーダ。」


ルイーダ「おう、やってやるさ」


***************

「ダズル森」

俺は、迷いに迷ってきた···。

民を幸せに暮らせる世界を作るには、

戦争を無くして、平和を取り戻す、


今も答えなど見つかっては、いない、

風に流され、ダズルに

戦争を仕掛ける事になってしまった。


キングにダズルは、確実に負ける、

こっちは、大軍だ、

負けることなど有り得ないだろう···。

予想外のことが起きなければ····。




ヌメヌメとした液を

ばら撒かれ、

足が滑り、深い穴へと落とされた。

なんだこれは、落とし穴か?


頭上を見てみると、崖の下で

俺たちを見下ろす、軍勢がいた。

ルイーダ「これで、全員落ちたか?」

レイ「そうみたいね」


青年は、合図を出し、

周りは、矢を取り出し、

標的を定め、俺たちを射止める。


その矢は、素早く、避けるのが

精一杯で、攻撃なんて出来ない。

青年は、風の魔法をかけ、

矢の速度を早くしていた。


「バリア!!若造、勝てると思うなよ!」

全体を透明な壁が覆い尽くす。

レイ「ルイーダ!来るわよ!」


「リバース!!」矢が跳ね返され

青年達に襲いかかる。

ルイーダ「ファイアブレス!」

猛烈な炎を放ち、矢を燃やし尽くした。


「攻撃出来ないと思ったら、

大間違いだからな、青年。」

雷鳴が鳴り響き、雷が落とされる。


「大国を敵に回すという事は、

こういう事だ、死ぬのが嫌なら、

差し出せ、ダズルを····。」

ルイーダ「嫌に決まってるだろ、

俺は、この国を守るために

戦ってるんだ、渡す訳に行かない。」


「馬鹿だな、青年、

差し出したら、犠牲を出さなくて済むのだぞ

なのに、何故戦おうとする?」

ルイーダ「ダズルを差し出した所で

どうせ支配されるだけだろ、

そんなのみんな、望んでない」


「だから、犠牲するのか?

自らの命を·········。」

ルイーダ「勝てばいいだけの話だろ」

「そんなに簡単に勝てると思うか?」

ルイーダ「思ってないけど、

勝つしかないんだ·····。」


「勝てたとして、キングを

敵に回すことになってもいいんだな」

ルイーダ「それは、覚悟してる、

ダズルを守る為だ、仕方ない。」

「そうか、じゃあ死んでもらうぞ」

刃を向けられ、名を名乗る。


「ジタだ、覚えておけ、

お前を殺した男の名を······。」

ルイーダ「嫌だな、そんなの、

俺は、ルイーダだ。」

火花が散り、睨みつける。


一気に俺は、崖を飛び越え、

青年の首筋に刃を擦り付けた。

レイ「離れなさい!!

じゃなきゃあなたを打つわよ」

横から、銃を向けられ、

銃弾を撃たれた。


玉は、通り過ぎて、木に当たり、

折れ、なぎ倒される。


ジタ「ワザとか???」

レイ「そうに決まってるでしょ、

あなた、迷っているわね、

戦い方が荒いわ、策師と名高い

ジタとは、大間違いかしら」


ジタ「気のせいだろ、

俺が迷うはずなどない、

俺は、命令通り動くだけだ。」

レイ「それで満足してたら、

正面突破なんてしないでしょ、

馬鹿なのは、あなたの方よ」


ジタ「それは、お前らだ」

仲間に合図を出し、

魔法を繰り出す·········。


多数で魔法を仕掛けられては、

避けることは愚か。バリアで

遮ることも出来ない、

出来たとしてもすぐに割れてしまう。


さて、ダズルを差し出せ、

そうすれば、犠牲は、出さなくて済む、

お願いだから降伏してくれ、

これ以上、殺したくない。


ルイーダ「近いんだよ!」

いままで黙っていた青年は、

足を引っ掛け、投げ倒され、

バリアを唱え、魔法を遮る。


どうせスグに割ってしまう。

ルイーダ「リーバス!!!」

全ての魔法攻撃を跳ね返し、

漏らすことなどない、


俺は、死ぬのか??

勝つ確信しかなったのに、

こんな若造に殺されるのか?


命の危機なのに、何故か

一筋の光が見え、

俺は、差し出された手を握った。


顔が見えず、鮮明に見えるのに

時間がかかった、

血で目が霞んで、見えなかったんだ····。


次回に続く。

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