文句しかない
何者かによって、ドラゴンの封印を解かれた。
書物によると、150年前、突如、ドラゴンが現れ、
次々と災厄をもたらし、
人々を死に至らしめ、犠牲者万単位だった。
その当時の王は、世界を思い、教会で祈ったらしい、
この世界に救世主を、じゃないと壊れてしまいます
その流れた涙が届いたのか、
神は不思議な鏡で選別の矢で射止め
町に住んでいた、アルベルクは、勇者に選ばれ、
ドラゴンに殺された両親の無念を晴らすため、
ドラゴン討伐へと出掛けた。
いざ会ってみると傲慢で残虐で人を殺しても
罪悪感などなく、屑の塊だ。
それが一層、青年の闘志を燃やし、
勇者特有の圧倒的な力でドラゴンを倒し、
術者よって封印されたらしい・・・。
堅苦しい文字ばっかで読み終えた瞬間に本を閉じる。
俺は、ルハク 世界五ヵ国元首。
つまり世界の王様だ。
神に勇者を選んで貰うため、神の塔に来ていた。
いつ来ても、圧倒される、下を見ると
空と小さく世界が見える。
生唾を飲み込み、恐怖を押し殺す。
神様「待たせたな、相変わらず
高い所が苦手もみたいだな」
王様「苦手なもんは、仕方ないだろ」
背後から、白いローブを着た男がやってきて
勇者選別の準備をしていた。
この神とは、不思議な縁で長くから腐れ縁だ
神は、準備が終わったのか、手招きをされた。
神様「さっそく撃つぞ、ちゃんと見とけよ」
王様「分かっているさ・・・・。」
世界が見える不思議な鏡を的にして、
勢いよく、矢を撃つ‼
矢は、どこかの村を通り抜け、住宅地にたどり着き
ブタの姿をした二足歩行で
歩く少年に矢が刺さりそうになり、
あわてて、避け、恐怖のあまり泣いていた。
王様「神様、聞いていいか?」
神様「おうよ、どうした?」
王様「勇者がブタってことないよな?」
神様「矢がこいつに向かって刺さったから
間違いないだろ・・・。」
ちょっと待てよ、世界の危機を
救うヤツが豚なんて有り得るわけないだろ
気のせいだ、もう一度聞いてみよう。
王様「勇者がまさか豚な訳ないだろ!
こんな時に冗談言っても面白くないぞ☆」
苦笑い混じり言って見るが、真顔でこう返された。
神様「俺は、空気は、読むぞ
王、現実を受け止めろ、勇者は、ブタだ。」
とはっきり言われ、呆然と立ていた。
神様「そんなに嫌か?どんなに嫌がろうが
あいつが勇者である事は、変わらんぞ」
王様「嫌とかじゃなくて
世界の危機をブタが救えるのかよ!
それが不安なんだよ」
神様「おう?お前、俺に喧嘩を売っているな!
勇者が豚でなんか文句あるのか!!」
王様「あるわ!!?」塔中に響き渡り
やまびこにまでなって繰り返していた。
*******************
王様「とりあえず、その勇者って
奴に会ってくる、どんな奴か知りたいしな」
神様「良かったらその場所まで送るぞ」
王様「昔みたいに命綱なしのバンジージャンプ
とかやめろよ・・・・。」
神様「俺がそんな事は、すると思うか?」
子犬みたいにしょんぼりとしているが
癪に触って仕方がない・・・。
王様「実際にしているからな、
送ってくれるのは、助かるが
なんか他に方法は、無いのか?」
神様「仕方ねぇな、ピーちゃん!!カモン!」
口寄せをした瞬間、
大きくて黄色い鳥がこちらに駆け寄る。
ピー「王様、初めましてピー!
神様の家来のピーちゃんピー!
よろしくピー!!」
王様「宜しくな、こいつの上に乗ればいいのか?」
神様「そうだ、じゃあな!王様」
王様「じゃあな、行くぞピーちゃん!」
ピー「分かったピー!!じゃあ
出発進行ピー!!」
***************
空を駆け走り、空を飛ぶのって
気持ちいいものだと勝手に想像していたが
その逆で気持ち悪くて仕方が無い。
やっとの事で村についた瞬間、
気持ち悪さが一気にこみ上げ、
吐いていた。
しばらくお待ち下さい・・・。
ピー「大丈夫ピー?まったく貧弱ピー!」
王様「お前の飛ぶスピードが早いだよ」
ピー「あれは、普通ぴー!」
王様「あれで普通とかありえないだろ」
俺達に物珍しそうにブー族達は、見ていたが
何も言葉を発さない。
あの時、見たように豚が二足歩行で
歩いている。なんとも不思議な光景だ。
??「皆、ビックリしてるじゃろう
王様が突然来たからビックリしたみたいで
すまんのぅ・・・。」村人をかき分け、
目の前に髭を生やした豚がいた。
王様「あたしも突然来てしまってすまない、
ここに矢が刺さった青年は、いないか?」
??「いるが、ソヤツに会いにきたじゃな
今から案内するからワシに付いてくるといい」
王様「それは、助かる。
ピーちゃんは、そこで待っててくれないか?」
ピー「分かったピー!!」
***************
しばらく歩くと、
青年が住んでるという家に着く。
??「わしは、この村の村長で
多少は、顔が聞くから大丈夫じゃ」
ベルを鳴らし、婦人らしき
ブタが出迎えてくれた。
「村長さんぶー!なんか用があるブー?」
王様「突然ですいません
そちらの息子さんが矢が刺さったと聞いて
来たんですが・・・・・。」
母「そうだったブー、王様!どうぞ上がるぶー」
家に入り、テーブルに座り、
婦人の横には、父親らしき豚が
こちらに会釈をしていて、思わず返す。
母「もうちょっと待ってくれるブー!
ピグが来るはずブー!」
噂をすれば階段を降りる音をさせ
こちらに不思議そうに駆け寄ってきた。
ピグ「なんで王様が来てるブー?」
王様「君に矢が落ちただろ」
ピグ「確かに落ちたブー、怖かったブー」
王様「それは、神様が放った矢でな
ドラゴンが復活した話は、知ってるよな?」
ピグ「それは知ってるブー」
王様「それは、勇者選別の矢で
ということで君が勇者だ。」
・・・・・・・・・・・・・。
ピグの母「うちのピグが勇者な訳ないブー!」
ピグの父「まさかなぁ、そんな訳ないブー」
王様「神様が選んだ勇者だから
ほんとうですよ、嘘なんて言いませんし」
俺がそう釈明すると、一気に塊、
黙り込んでしまう。
ピグ「僕が勇者だなんて何かの冗談ブー!
僕なんかにドラゴンは、倒せないブー!」
王様「君が現実に逃げようが勝手だ、
でも、ドラゴンよってこの村が燃やされたり
世界が災厄の時が訪れとしても
見て見ないフリするのか?」
ピグ「王様にいきなり、勇者だとか
ドラゴン倒せとか言われて!
はい倒せますって言えるほど
僕は、できてないブー!!」
王様「それが当たり前だ。
でも君が勇者なんだ、それだけは、わかって欲しい
突然驚かせてすまんな」
ピグ「分からないブー!!そんな事を
急に言われてもどうしたらいいか!
分からないブー、一人にしてくれブー!」
家を出ていき、どこかに行ってしまった。
ピグは、困り果てた顔をしていた。
彼を追い詰め過ぎたか。
でも言い訳は、いくらでも出来る、
彼を追いかけなければ・・・。
王様「すみません、俺のせいで」
ピグの母「仕方ないブー!ピグなら
近くの森に行ってると思うブー
あそこは、魔物が出るから心配ブー!」
王様「分かりました、俺が行きます。
だから、ここで待っていてくださいね」
ピグの父「すまんブー、うちの息子が・・。」
王様「いえ、ほとんど俺のせいなので
じゃあ行きますね」
ピグの家を後にして、ピーを
神様に渡された笛で呼び寄せ、
近くの森に向かった。
幸いに、勇者を探すと言ったら
スピードを緩めてくれたので酔わずに済んだ。
そんな事は、いいとして、ピグはどこにいるんだ?
ピー「相当、奥にいってるピー!
これは、危ないピー!!!」
王様「そうなのか?そこまで
思いつめらせたのか?」
ピー「自分で責めるのは、良くないピー!
きっと見つかるピー!?」
王様「励ましてくれてありがとうな」
ピー「いえいえピー」
頭を撫で、気持ちよさそうにしていた。
ピー「あれ、もしかして噂の勇者ピー!!」
勇気を出して、下を見ると
ピンクのブタが魔物に襲われそうになっている。
王様「ピーちゃん、今すぐ下ろしてくれ
俺があいつを助ける。」
ピー「分かったピー!!王様なら
勇者を説得出来るピー!!
頑張れピー!!」
王様「おう!じゃあな、ピーちゃん」
少し離れた所で待ってもらい、
ピグの近くまで来ていた。
俺の存在に気づいていないのか、
何も起きないだが
魔物を目にして、身体中が震えている。
助けなければ
くまの容姿をした魔物は、ピグに
コンボウを振り落とすが
俺が剣で受け止め、吹き飛ばした。
王様「もう大丈夫だ!俺に任せろ」
ピグ「王様」よっぽど怖ったのか
涙が流し、体を震えが止まらない。
どうしても守りたいと思った
それは、何故かは、理由も
今は、分からないけど、
そう思ったのなら俺は、
彼の為に剣を振るうだろう・・・。
2話に続く