第一章 魔法使い編2
今更ですが、主人公たちの街は臨命市としました。
4月8日
「おーい、界人。ちょっと2人っきりで話したいことがあんだけどいいか?」
「魔紀がそんなこと言うなんて珍しいね。まぁ僕も話したいことがあるから丁度良かったよ。じゃあ、今日の放課後に。」
クラスの腐った連中が騒ぐなか、魔紀は静かに席についた。その異様な雰囲気に静まり返るなか、教室のドアが開いた。
「おはようございます、みなさん。一体どうかされたんですか?」
突如現れた成子にクラス中の視線が集まるも1人また1人と席についた。すると、
「はい。みなさんおはようございます。昨日はごめんなさいね。ちょっとした用事があって東 先生にまかせちゃった。さて、朝のHRを始めますよ。まず、私の名前は南沢 深雪です。まだまだ教師に成り立てですが、よろしくお願いします。」
担任である深雪 先生が挨拶するとクラス中で歓声があがった。深雪 先生は赤髪のロングで、スラッとした美人教師であっという間に学校中で人気となった教師である。
しかし、神崎 界人に好意を持っているため学校内では、告白するも撃沈するものが跡を経たないそうだ。
時は過ぎ、放課後
「よっと。待たせたな界人。」
「大丈夫だよ魔紀。僕もさっき来たばかりだから。近くの喫茶店で話そうか。」
ー喫茶店内
「さてと、まずは僕から話すね。実はここ最近起こっている殺人事件のことだけど、その事件が起こった時間くらいに現場の近くで南沢 先生を見たっていう人がいるんだ。それで南沢 先生は事件について何か関係してるんじゃないかと思ってるんだ。」
「ふぅーん。それで界人は南沢 先生が犯人だと思ってるのか?」
「わからないんだ。」
「どうしたんだ。いつものお人好しの界人らしくないな。何かあったのか?」
「いつもだったらすぐに考え過ぎだと思うんだけど、何故か今回の件に南沢 先生は全く関係ないとは思えないんだ。だから、僕たちでこの事件について調べてみたいんだ。」
いつもと違う界人の雰囲気に何か言い様のない違和感を感じるも、気のせいだと思い、一旦忘れることにした。
「まぁあんまり無茶し過ぎないなら別にいいぞ。あっ、そーだ、ちょっと待ってろ。」
そういうと、魔紀はカバンからスマホを取り出すと昨日のアプリを起動させた。
「何それ。」
「これが俺の話したかったことでな。昨日の朝にこんなアプリが入っていたんだ。」
「いったい誰がこんなことを?」
「さぁ〜な。それがさっぱりわからん。まぁ今はその件は置いといて、いろいろ調べてみたんだが、実はこのアプリは様々なものについて知ることができるみたいなんだよ。」
「どういうこと?」
「調べたいキーワードを入れるとそれについて詳しい情報がいろいろ分かるんだよ。物だったら持ち主から現在地まで書いてあるんだ。」
「ヘぇ〜。すごいねぇ。でも、それで調べられるの?」
「まぁやってみるだけいいだろ。」
殺人事件 と入力してみるとすぐに画面に現れた。
☆殺人事件(4月5日〜)
・発生日時 4月5日〜4月8日
・発生場所 現在地から半径1キロ以内で5件
・犯人 柳 祭
・手口 風魔法 エア カッター
「ねぇ。本当に信じられるの、これ。」
「たぶん。でも、犯人っぽい名前が出てるぞそれを確かめれば分かるんじゃないか。」
☆柳 祭
・生年月日 12月9日
・性別 女
・魔力 10000
・称号 中級魔法使
・魔法適性 風
・所属 魔法結社 ヘルメス
・現在地 臨命市 第1ビル
「ほら、結構出てきたぞ。場所が分かったのは幸いだな。」
「胡散臭いけど、まぁいいか。じゃあ早速行こうか。」
「ちょっと待て。犯人が分かったんだからもういいだろ。」
「何言ってるの魔紀。これだけで信じられるわけないじゃないか。」
「確かにこれを信じるのは無理か。はぁ〜、しょうがないか。」
ー第1ビル
「結構遠かったね。おかげで外は真っ暗だ。」
「あぁ、そうだな。それよりも、なぁ界人。何かおかしくないか。」
「魔紀もそう思ったんだ。」
「「なんで人が誰もいないんだ。」」
すると1人の女性がやってきた。
「ねぇ、君たち。こんな所で何をしているのかしら。」
2人はこの女性に事情を話すか暫し考え込んでいると、
「愚問だったかしら。この結界にいるってことは2人とも【魔法使】ってことだしね。」
突如、殺気をだし、1歩ずつ歩みを進める女性に魔紀と界人は警戒し始めた。
「あっ、そういえば自己紹介がまだだったわね。魔法結社 ヘルメスが1人、柳 祭よ。あなたたちには死んでもらうけど、ごめんなさいね。」