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継母と鏡

作者: まつり

初投稿です。だめだしでも訂正でもなんでもコメントいただけたら嬉しいです。

 それは魔女という存在が実在していた時代、ある国にはそれはそれは可愛らしいお姫様がおりました。お姫様の名前は白雪姫といい、ええもう物語そのままのおひめさまでした。姫の母は魔女で継母でした。しかしいじめられる事もなく、逆に結構可愛がられてすごしていました。


 さて、その継母はどんな質問にも答えくれる魔法の鏡を持っていました。

「鏡よ鏡 この世で最も強いのは誰?」

鏡は答えます。

『それはお妃様あなたです』

「ふふ。では鏡この世で最もお金持ちなのは誰?」

『それは、この国の王様でそんな王様を尻にひいているお妃様です』

正直に答えた鏡ですが、お妃様は怒ってしまました。

「尻にひいてなんかいないわ!溺愛されているだけよ!」

『うわっ 自分で言ったよこの人。溺愛されてるって』

「だまらっしゃい。次行くわよ」

お妃様は咳払いをしてから言いました。

「鏡よ鏡この世で最も美しいのは誰?」

鏡はこの人我儘だなぁとおもいましたが、そんな考えはおくびにも出さずに質問に答えました。

『それはお妃様あなたです』

「ではこの世で最も可愛らしい娘を持つ美しい母親は?」

『それもお妃様あなたです』

可愛らしい娘もお妃様のステータスの一部でした。

「うふふ。(わたくし)はやっぱり一番なのよ!」

 このお妃様は何事にも一番でなければ気がすまない人でした。毎日お祈りと称して塔に一刻程こもり、様々な質問をして一番を確かめ一番でないものはそうなるように他のものを排除しました。


 お妃様の質問は白雪姫が成人する頃も続いていました。そんなある日、

「鏡よ鏡この世で最も美しいのは誰?」

『それは白雪姫です』

「そう。やっぱり私が一番なのね。おーほほほ」

『いえ、お妃様?あなたではなくてですね……』

「ああ、どうして私ってこんなにも完璧なのかしら。罪な女よね。この前も大臣に」

『あのーお妃様?聞いてます?』

「陛下ったらそれでやきもち焼いてしまって……」

『ダメだこりゃ。この人、人の話聞かないからなー。お妃様ー?今一番美しいのはお妃様じゃなくて娘の白雪ちゃ』

「だまらっしゃい。聞こえてるわよ現実逃避してんのがわかんないの?」

『あーそうなんですか。僕はてっきりいつもみたいに質問しといて話聞いていないのかと』

「失礼ねいつも聞いているわよ。ただ気付くのが遅いだけじゃない」

『いやいやそれを聞いてないっていうんですよ』

「うるさい!にしてもどうして白雪なのよ昨日まで私だったじゃない。成人したらカテゴリーが変わるにしても、白雪の成人は一か月前よ」

この国で成人は18歳で、白雪姫は一か月前が18歳の誕生日でした。

『それがですねー姫の誕生日を祝うために色んな国から来賓があったでしょ?その中の人に恋をしちゃったみたいで……。ほら、よく言うでしょ恋をすると綺麗になるって。白雪ちゃんもとから可愛かったしねー』

誕生日を祝う使者の中に、隣国の王子がいました。その王子に白雪姫は恋をしてしまったのでした。

しかし白雪姫は賢い子でしたので自分は好きな人と結ばれる可能性が低いことを理解していました。そんな抑えきれない思いが姫の内側から溢れ出しお妃様の美しさを上回ったのでした。

「今まで毎日聞いてきたというのにどうしていきなり!」

『本当によく毎日飽きもせずに聞きましたねぇ』

「やかましい!」

『ま、しょうがないですよ。これからお妃様は衰えて行くばかりですけれど、白雪ちゃんはこれからどんどん綺麗になっていくんですから。自然なことでしょう』

鏡は言い聞かせるように言いました。

お妃様は椅子に座り込んでしまいました。

「いつかはそうなるとは思っていたけれど、早すぎるわ……」

『まあまあお妃様、ここらが潮時だと思って次代を白雪ちゃんに譲りましょうよ』

鏡はお妃様を慰めますがお妃様は聞こえているのかいないのか何かぶつぶつとつぶやき始めました。

『あのーお妃様ー?大丈夫ですかー?

どうしようお妃様が壊れちゃったよう………』

「お黙り。誰も壊れてなんかいないわ。そう。あの子が私を抜くのはわかりきっていたこと……でもまだ早くてよ!私はまだ一番の座を降りる気はなくてよ!」

「あのー誰もお妃様が二番だなんて言ってないんですけど」

「じゃあ何番なのよ?」

「白雪姫と同率一位です」

「わたくしの他に一番なんていらないわ」

「うわーめっちゃわがまま」

「おだまり!パンがないならケーキを食べればいい、白雪が美しいのなら美しくなければいい。あの娘はわたくしにとってもかわいい継娘ですもの………そうね恋に悩んで美しくなるのなら恋に悩まなければいいのよ」

お妃様は名案を思い付いたとそれはそれは美しい笑みを浮かべました。

「それでどこの国の者なの?白雪をたぶらかしたのは」

『隣国の第二王子です。………お妃様なんか良からぬ事考えてそう………………あーなんか寒気してきた。白雪ちゃんにげてー!』

「あんた鏡のくせに寒気なんてするの?てゆうか鏡の分際で私の可愛い白雪をちゃん付けするな!」

お妃様は一番が大好きなのとともに、白雪姫のことの大好きなのでした。

そしてそして、お妃様は白雪姫の顔に二度とみられないような傷を作ることを決めました。


お妃様にお菓子を作るよういわれた白雪姫は慣れないながらも大好きな継母の為に頑張って作りました。

そして継母のたくらみどうり、顔に醜い傷を負ってしまいました。

「鏡よ鏡 この世で一番美しいのは誰?」

『それはお妃様でございます。……………………………

にしても、ほんとに怪我をさせるなんてひどいお母様ですね~』

「いいのよ陛下も賛同なさったのだし。白雪に変な虫がつかなくてよいと。それに私の治癒魔法でいつでの傷をなくすことが出来るわ。それにあの娘あれからお菓子作りにはまって新しい趣味になっているのよ?わたくしも美味しいお菓子を食べれて満足だし。これこそ一石三鳥」

『はあ、そうですか。』(この夫婦ひでー)

『そういえばお妃様、どうしてあの時白雪ちゃんの好きな相手を聞いたんですか?』

「うふふ、どうしてでしょうね?」

ぞくっっっ

『怖ぇぇぇぇ!』

「お褒めの言葉ありがとう」

(褒めてねー!)

その時部屋の扉がノックされた。

「お母様-!お菓子が出来ました-今日はタルトです-!」

「すぐに行くわー。今日はお庭で食べましょう」

「はーい!」

白雪姫は、セッティングの為に先に庭に出た。

「あー楽しみ。あの子にお菓子結構美味しいのよね」

「……それはようございましたね」


こうしてお妃様は見事美しさでも一番を取り、白雪姫顔に大きな傷を負いましたがそれほど気に病むこともなく継母と幸せに暮らしましたとさ。



めでたしめでたし




えっ?白雪姫の恋はどうなったかって?

白雪姫は数年後王とお妃様の選んだ国内の貴族と結婚しましたとさ。

隣国の第二王子は……………どうなったんでしょう………ね?

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