一章 その2
僕の家は村の中心部からまぁまぁ離れた場所にある。
村の中心にはこの村を守っていると言い伝えられている、女神『アスフィア』様の像が建てられており、それを中心とした噴水が女神像の周りを囲んでいる。
村の皆の待ち合わせ場所によく使用される。
村長曰く、
「この噴水を見るたびに、自分達が女神様に守られていると言う事を自覚して欲しい」と言っているらしいが、そんな事を守っているのは大人達だけで、子供達は全く守っていない。
終いには、噴水を全裸で泳ぎ回る罰当たりな行為をする子供もいる。
まぁ、アレスの事なのだが・・・(その後村中の大人達にこっぴとく怒られていた。罰として半年間も外出禁止と言う子供からしたら死ね、と同意味の刑に処された。因みに僕はその頃女の子として扱われていたので、見ているだけで良かった。)
クスッと吹き出してしまったらしく、アレスが、
「ん?どうかしたのか?」
と聞いてきた。
「ううん。何でもない。」
と笑顔で言い返すと、フイっと顔を背けられてしまった。
どうしよう?機嫌でも損ねてしまったのだろうか?
「どうしたのアレス怒ってる?」
「イヤ、何でもない。気にしないでくれ」
と言われたので気にしない事にした。
心なしか彼の顔が赤かったのは気のせいだろう。
もうそろそろアレスの家に着く頃だ。狩りで仕留めたケルン(頭部に短い角を生えている草食動物)を分けておくかな。
「アレス〜。もうそろそろ君の家につくからケルンを分けておこうよ」
と言うと、
「ああ、俺の分が4頭でお前が3頭でいいか?」
「うん。その配分で良いよ」
そう言っている内にアレスの家に到着した。
「んじゃ、俺はここで。明日はどうする?暇してるんだったら剣の稽古に行くか?」
「ううん、申し訳ないんだけど明日は色々やる事があるからまた今度ね」
明日は自分で魔法の勉強をしようと思っているので、剣の稽古は断った。
「そうか、魔法の勉強か?」
「うん。明日一日を使ってノンビリ勉強しようと思ってる」
「そうか、頑張れよ。俺は魔法とは無関係だからな」
アレスは魔法の扱いがとても下手くそなのだ。
まぁ、見た目からして剣士ってオーラがでてるからなぁ。
「うん。じゃあまたね」
「ああ、またな。帰りには気をつけてな」
手を振りアレスと別れた後、僕はすぐ家路につくのではなく道具屋のホークスさんの所に寄った。
「すみませーん。ホークスさ〜んいますか〜?」
大声で呼ぶと、
「はいはい何でしょう?あら、エリスちゃんじゃない!ゴメンね〜、主人は出掛けてるのよ」
店の奥から出てきたのはホークスさんではなく、奥さんのシニアさんだった。ホークスさん出掛けてるのか・・・うーんどうしよう・・・ってゆうか今の発言を正さなければ!!
「シニアさん、何度も言う様に僕は男です!ハァ・・・まったくどうしようかな?」
再び考え込むと、
「あらゴメンなさいね〜。エリスちゃん可愛いもんだからついつい、ネ、所で今日はどうしたの?」
全く困ったものだ、いつもの事だけど。
「いえ、ケルンを売ろうと思ったんですけど、ホークスさん出掛けてるのでまた今度にします」
「あらそうなの?ケルンくらいだったら私が代わりに買取りしましょうか?」
「いいんですか?!でわ是非お願いします」
良かった。生活資金がなくて困っていたのだ。
「うふふ。じゃあ見せてね・・・うんこのケルンはなかなか良いわね。30Kでどうかしら?」
「お願いします」
「分かったわ。はい落とさないでね」
「有難う御座います。もう!この年では落としませんよ」
何て失礼な!僕は生まれてこの方お金は落とした事ないって言うのに!!
「ふふふ。それもそうよね。まあエリスちゃんは一回も落とした事ないんだけどね、一応よ」
「気遣い有難う御座います。では、これで」
「ええ。また来てね」
かれこれ30分くらい経っただろうか?辺りは完全に夜になっている。
「よし、明日に向けて頑張るか!!」
そう言って気を引き締めて自分に喝を入れると、家路についた。
どうもです(・ω・)ノ
お金の単位や人物紹介は気分次第でだしますw
気ままな作者を許してください(T ^ T)
まだ村の全容が書けずに申し訳ありません。
次とその次くらいまでにはかけると思います。
いや、書けると思いたいw
脱字・誤字ありましたら教えて頂けると幸いです。
作者は結構硝子のハートですのでお手柔らかにお願いしますm(_ _)m