二章 その2
…何て闘気だ…父様と並ぶんじゃないか?…
僕は今目の前にいる黒銀の体毛を持つ狼と対峙しながらそう思う。
狼は鈍く光る黒銀の毛並みに鋭い牙と爪、恐ろしい眼光、そして3m程の大きな巨体。こちらを見てグルルルル…と低く唸る姿は虚仮脅しでは無い事を全身から発せられている闘気が物語っている。
すると狼は息を大きく吸い込むと、
「グルゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォ!!!」
と咆哮した。その振動でビリビリと身体が揺さぶられる。
咆哮のダメージに耐えながら僕は魔法の詠唱をしながら狼へ踏み出す。
ダンッ!と音と共に僕は剣を振り翳し自分の何倍もある敵に立ち向かう。
僕は狼の四肢を狙い横薙ぎにする。しかし狼は予備動作も無くフッと消えたかと思うと頭上から嫌な気配を感じサッと左へ避けると、狼が大きく鋭い爪でさっきまで僕がいた場所を穿つ。標的を失ったため空をきる事になった爪はそのまま下の地面に突き刺さりゴッソリと抉り取る。
…あの攻撃はちょっとキツイかな…
と思いながらも僕は次の攻撃を開始していた。地面を穿った前足を狙いまた横薙ぎに剣を振るう。しかし狼もその事を知っていてワザと突き刺したままにしていた様だ。
迫り来る僕の剣を牙で挟みそのまま持ち上げ様と顎をブゥン!と振り上げる。僕は振り上げられない様に剣を離しもう一方の剣を両手持ちにする。
咥えた僕の剣をボキンッ!と噛み砕くとマズそうにペッと吐き捨てる。そして今度はこちらからだ、と言わんばかりに噛み付き、引っ掻き、体当たりなどを連続で繰り出して来る。
一撃一撃がかなり早くて威力もあるが避けられ無い事は無かったのでヒラリヒラリと右へ左へと翻弄しながら一進一退の攻防を繰り返す。
とそこでまた地面を穿った爪が今度は抜けないらしく少しジタバタしている。そこにすかさず剣を叩き込む。
「っ…!隙あり!もらったぁ!!」
と地面から爪が抜けないのでもう一方の前足で突っ込んで来る僕めがけて爪を振り下ろす。そこで僕は急ブレーキをかけ2m程手前で止まり先程から詠唱が終わっていたが使うタイミングが中々掴めず発動させないでいた光魔法を放った。
『太陽の極光!!』
すると辺り一面を光の奔流が襲いかかる。僕は発動と同時に目を闇属性の魔法で保護する。
突然の強い光りで狼は目をやられたらしく苦しそうに吠えている。そこへ僕は次の魔法を発動させる。
『太古の氷河像!!』
続け様に魔法を放つと苛立った声で咆哮する。しかしその咆哮は最初の咆哮の威力の半分程だった。
光の奔流が収まると、狼は目から血涙を流し目を閉じている。どうやら視界を潰すと言う作戦は成功の様だ。
動こうとしても『太古の氷河像』で辺り一面ごと狼の身体を凍らせているので動けない。自慢の四肢を氷に閉じ込められて動けない狼に僕はトドメを指すため詠唱を始める。
『天空王の鉄槌雷』
その天空から降り注ぐ激しい雷。激しい轟音と光。
魔法が終了し雷が止まる。その後には胸を雷に撃たれ息絶えている狼の姿があった。もはや激しい雷によって『太古の氷河像』の辺りを覆う氷は跡形も無く消え去っていた。
とりあえずお土産に持って帰ろうと、血抜きをして影の中に狼の死体を収める。
地属性の魔法と水属性の魔法で『天空王の鉄槌雷』の雷で焼いた辺りを耕し水を撒いて綺麗に戻した後、王女達の元へと戻った。
どうもー(^-^)/Dear…です!
今回はエリスの戦闘シーンの描写です。
次回は襲撃に備えていたロヴィニア達の戦闘シーンです。
どうやらエリスが相手をしていた狼とは別に魔物がいた様です。
それに気付いてアレスを向かわせたのかもしれませんねぇww
魔物の名前は次回判明します!
お楽しみにー♪( ´▽`)ノシ




