表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/104

第62話 令和13年春場所

横綱31場所目のコシは家庭の事情で全休。この場所も優勝争いは混戦が予想された。綱取りの大関照の山や2横綱が優勝争いの中心か?


「聞いた事ありませんよ?現役の横綱が産休で休場なんて?」

「今は令和やで?横綱が産休とってもええやろ?それにそんな事より俺は、ゆいPが心配なんや。」

「まぁ、それはそうでしょうね。」

「ひかり?お前まだ幕下の中位をうろちょろしてるみたいだけど?」

「それが今の自分の実力なんですよ?」

「諦めず気合入れたら十両なんてすぐやぞ?」

「はい…。」

「稽古、稽古!何ならこの越乃海が胸出してやるぞ?」

「ありがとうございます。でも気持ちだけ貰っておきます。」

「何だそれ?横綱の胸借りるの気兼ねしているのか?」

「いえ。自分が強くなったらコシ関の付け人出来なくなるじゃないですか?」

「そんなもんぎょーさんスペアおるがな?」

「それを言っちゃいますか?」

「ま、ひかりが強くなるのを俺の現役中に見るのは難しそうだな。」

「なんすかそれ…。」

とたんかを切ったひかりであったが、春場所は4勝3敗と、1点の勝ち越しにとどまった。


さて、幕の内の優勝争いは佳境を迎えていた。13日目を終わって全勝力士はいなく、1敗で横綱豊山、大鵬、綱取りの大関照の山が並ぶと言う大混戦が繰り広げられていた。恐らく千秋楽に組まれるであろう横綱戦や照の山は大関時天山戦の結果が優勝争いの決定打となりそうである。14日目、横綱豊山と対戦した大関照の山は、立ち合いから真っ向勝負で、かち上げを選択。豊山を即座に右にいなして勝負あり。照の山が1敗を守り、豊山は2敗に後退。互いに結びの大鵬VS時天山戦を見守った。ここは横綱大鵬が一枚上手で勝利。時天山を寄せ付けず1敗をキープ。これにより、3敗以下の力士の優勝の可能性が消滅した。照の山勝てば2場所連続優勝で横綱へ。の前に豊山が大鵬に勝ち自らも勝利する必要があり、もし時天山に敗れ2敗となり、結びで大鵬が勝てば大鵬の4回目の優勝。大鵬と照の山互いに勝てば優勝決定戦となる。1敗の大鵬と照の山が互いに敗れればわずかな可能性だが2敗で追う横綱豊山にも優勝の可能性が出て来る。


そして千秋楽これより三役。安高と若本夏の大関戦の後に負けられない綱取りの大関照の山と3敗で優勝の可能性の無い大関時天山が対戦。結びは東西の横綱の対戦で荒れる春場所を締めくくる。


結果としては大関照の山が1敗を守り、横綱大鵬は豊山に完敗。見事に14勝1敗で2場所連続優勝を決め第79代横綱への昇進が決定した。久しぶりの横綱誕生に世間は湧いた。


「コシ関?」

「何だ?」

「見てました?」

「あぁ、照の山ね。」

「ライバルが増えて嬉しいよ。」

「これで花のフタマル組(平成20年生まれ)にまた横綱が誕生しましたね。」

「まぁ、復帰したらまとめてなぎ倒すけどね?」

「おーっ怖。」

「横綱審議委員会の話じゃコシ関がいなかったのがネックみたいでしたが、満場一致で横綱に推挙されたらしいですよ?」

「そりゃあ俺は角界の第一人者やしな。」

「ゆいP?赤ちゃん元気?」

「あっ!?来た?」

「ひかり、救急車!」

「はい!どないしたんですか?」

「破水した。ゆいPすぐ病院行くからな安心しろ。」

「うん…。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ