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第58話 令和12年秋場所②

新世代が台頭しようと、プライベートな事で騒がれようとも、仕事人のコシはきちんと白星を並べた。他の力士達の追付いを許さない正に圧勝劇であった。12場所連続25回目の優勝を14日目に決めた。千秋楽でも横綱大鵬を上手く料理し、全勝優勝を達成した。12場所連続の殊勲賞無しの記録も作った。優勝インタビューでコシは堂々と「師匠と妻のおかげでした。」と、亭主関白宣言。ゆいPとの結婚を公に認めた。


ゆいPは時津川部屋の優勝パーティーに顔を出して、コシとの関係を認める形となった。

「もう2年もこんな感じなんですよ?」

「それだけ横綱が強いと言う証拠じゃないですか?」

「まぁ、そうなんですけどね。」

「そうだ!田上結衣さん?結婚式の事なんやけど、一切の事を時津川部屋に任せて貰えないでしょうか?」

「横綱越乃海がそれで良いと言うのならば、私に異論はありません。」

「コシ?それより両家の家族に挨拶はしたのか?まさか、記事が出たのでしてません。なんて言うなよ?」

「そこは天下の大横綱越乃海ですよ?ちゃんとしましたよ。と言うかね、ゆいPのお父さんが大の相撲好きでしてね。自分のファンだから夢の様だと言ってくれましてね。話はトントン拍子是非家の娘を貰ってやって下さいと言って貰いました。」

「コシの両親は?」

「家ですか?あぁ、家はね全然放任主義なもんで大横綱の親らしからぬ言葉でね。こう言われましたよ。」

ふとしの人生なんだから、太が決めなさい。田上さん?ふつつか者ですが、息子の事よろしくお願いします。」

「と、まぁそんな具合なんですわ。」

「本当に良いんですね田上さん?コシの嫁になるって事は相撲部屋のおかみさんになるって事ですよ?」

「はい。私丁度アイドル卒業したかったでしたから。これからはおかみさん見習いとして色々教えてもらうつもりでした。」

「じゃあその体で準備進めるぞ?」

「はい。よろしくお願いします。」


そして2030年10月1日。山田家と田上家による結婚式の日を迎えた。式は時津川部屋の全面協力の元、マスコミにも公開。TV中継されるなどこの時代には珍しかったが、人気者同士の結婚と言う事もあり、瞬間最高視聴率は35%にも及んだ。

「ゆいP?本当は和服じゃなくてウェディングドレスが着たかったんじゃない?」

「私、そう言うこだわりないから大丈夫。そんな事気にしないであ・な・た。」

「もうコシ関って呼ばれなくなるのか?」

「公では横綱越乃海。プライベートでは山田太で私は山田結衣。そうでしょ?」

「そうだな。君がこの俺に嫁ぐんだもんな。本来なら高級タワーマンションの1つでも買ってやりたいが、相撲部屋のしきたりでな。力士は共同生活を送らなければならない。だからゆいPも時津川部屋に入って、おかみさんと暮らす事になる。」

「それは理解しているわ。別に力士の世話をするわけじゃないもんね。」

「まぁ、でももうアイドルじゃない。自分の事は自分でやるんだぞ?マネージャーはもういない。」

「うん。ゆいP頑張る。」

「おかみさん、半人前の未熟者ですがどうかよろしくお願いします。」

「結衣さんよろしくね。」

「はい、よろしくお願いします!」


こうして、横綱越乃海と田上結衣の結婚式は無事執り行われた。平日にも関わらず、約1000人の来客があったと聞いている。越乃海はその日のうちから稽古を再開。ベロンベロンに酔った部屋の力士達を寝かしつけ、自分は四股・摺り足・鉄砲を軽めに行った。

「貴方?お風呂沸いてますよ?」

「おう!ありがとう。風呂入って寝るわ。」

「明日は何時に起きるの?」

「4時だな。」

「まぁ?そんなに早く。」

「部屋の誰よりも早く起きてる。」

「怪我には気を付けて!」

「あぁ、ありがとう。ゆいPお休み。」

PM22:30コシはいつも通りの時間に就寝した。日中は慌ただしかったが、部屋の皆のおかげで何とか無事結婚式を終えた。

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