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第41話 令和11年初場所①(2029年)

横綱18場所目を迎えたコシは、付け人が変わろうとも、稽古量は減る事は無く、ゆたかと激しい申し合いを行っていた。


「コシ関を超える為にはひたすらがむしゃらに稽古するしか無いんです。」

と、ゆたかはあるメディアに吐露していた。

「しかし、コシもゆたかが、横綱になってくれて良い稽古相手が出来たな?なぁ、コシ?」

「はい。同部屋じゃ無ければ、毎場所優勝争いをしているクラスの強さですよ?」

「何言ってんですか?史上最強の横綱が。」

「怪我さえしなければな。」

「怪我してないじゃ無いですが?」

「激しい相撲は怪我を招きやすい。これはスポーツ業界では相撲に限らず定石だ。もう横綱になって3年。俺の相撲は研究され尽くしている。いつか無茶な態勢になって大怪我する事もあるかも知れない。怪我をしない事。それが真の強者の証だ。負ける事が許されない横綱の地位にあって、早熟な俺の様な横綱は寿命が短いと相場が決まっている。だから勝てるうちに勝っておく。それが越乃海と言う横綱の信条です。」


と、初場所前のNHIの取材で応えている。その言葉を体現するかの様に、初日からコシは白星を積み重ねて行く。横綱になってから18場所連続で中日8日目に給金直し。ここまで、金星の配給は無し。負けるのは大関以上の役力士であり、その強さは抜きん出ている。横綱豊山も横綱に上がってからは、常に12勝以上をマークしており、コシの次点とは言えまずまずの成績である。そんなゆたかも中日給金直し。そんな時津川部屋勢に割って入れるか?横綱大鵬や横綱豪昇龍。そんな中次期横綱候補の大関照の山も割って入る。これだけ上位陣が安定していると、関脇以下の力士は中々上に上がれない。


「今場所も越乃海が優勝候補の最有力か…。」

「まぁ、横綱だしな。これじゃあ令和の白鵬だよ。」

「まぁ、優勝は横綱の使命だからな。」

「相撲は日本の国技だからな。優勝回数記録も更新出来る可能性はある。」

「いっつも13日目には大勢が決まってしまうから、興冷めだよね?」

「確かに。」

「少子化の影響で力士の成りても減ってしまってるし、生きの良い若手も4横綱や大関陣に食われてしまうからな。」

「怪物のいる間は普通の力士じゃあ上がって行けないよな。」

と、スポーツジャーナリストも本音を吐露する。


「コシ関?彼女とかいないんですか?」

「今の所、相撲が彼女かな。」

「あちゃ。それは駄目だ。」

「それにこの角界のプリンスに彼女なんてもんが出来たら、週刊誌の餌食や。」

「確かに。それは言えてますね。」

「引退するまでは色恋沙汰は無しだな。」

「でもこれだけの逸材を世の中の女性が放っておくとも思えないんですがね?」

「そりゃあコシ関のファンのほとんどが女性であるのは確かですがね?」

「ま、いずれにせよコシ関にその気が無ければ成立しない話だからな。」

「それはそうなんですけど。」

「引退して部屋を持つとなったら話は別だがな。」

「え?コシ関引退したら角界に残らないんですか?」

「先の事は分からんよ。違う世界を見てみたいと言う気持ちはあるよ。」

「良い力士が良い力士を育てられるとは限らないけどな。」

「いや、コシ関なら良い力士を育てられますよ。」




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