闇魔術会
闇魔術会
闇の世界に蠢く人影
魔法が全盛の世界において闇に動く人達。
闇魔術会の面々たちだ。
現在の社会は魔法力中心の一般人には住みにくい社会だった。
ただ魔法力だけで選ばれるエリート社会。
そんなものは壊してやり直そうという考えだ。
テロなどを起こすが一般の人に賛同を得られず苦戦していた。
そんな中参加した男は数少ない仲間をまとめて案をだした。
この世に魔王を呼び出して使役させようという案だ。
初めは仲間内からも夢物語だと馬鹿にされた。
しかし、呼び出すためのアイテムを見せられたときから信用されていった。
それは、雅雄が保管していた奥義書の核だった。
きっかけは桔梗の日記だった。
その日記の簡約版を読むうちにこの中世の魔王の力を得られればいいなと思った。
詳しく読んでいくと魔方陣さえ組めば呼び出せるような錯覚に陥る。
ものは試しと割と近くの廃墟に顔を出した。
雅雄が研究を行っていた場所だ。
部屋を見渡してもすでに略奪にあっているのでなにものこされていない。
やはりと、あきらめの境地でそこを去ろうとした。
そのとき、偶然残された壁紙を視界の端に捕らえた。
壁に直接書かれたものだから誰も盗めなかったのだ。
そして、その男も雅雄の子孫の一人だった。
ただ力はそんなに受け継いでいなかった。
それでも、壁紙は反応した。
男が壁紙に触ったことに反応したのだ。
男が探すものを吐き出した。
雅雄が隠していた次元隠し金庫に納めていた奥義書のかけらを吐き出したのだ。
それは小さな竹の小片だった。
男もそんな小さな竹の小片などに価値観を持たなかった。
ただ、いわくありげに隠されていたことに興味を持った。
そんな秘密に触れたせいか俄然興味を引かれた。
その壁紙を複写して研究していく。
それは暗号で書かれていた。
それなりの素質のあった男だから解読できた。
そして奥義書の秘密に触れた。
アイテムが日記に書かれていた魔法陣を構成するものだと気付いた。
手元にある部品は小さなものだがそれは中世から存在しているのだ。
ただの竹の小片ではないのはすぐにわかった。
竹なのになめらかな肌触りなのだ。
いや宝石とは少し違う。
肝心なことはそれに触れられないのだ。
表面にバリアのようなものが感じられる。
ナイフで削ろうとしてみたが刃が滑るのだ。
それはそのものが不可侵のような印象だった。
バリアを研究していたものが見れば喜んだだろう。
そして暗号を解読した結果は日記の内容を証明していた。
その男はその竹の小片を研究していく。
最新の魔法を駆使して探査しようとしたのだが魔法以上の技術が必要だった。
壁紙をもっと調べていくと一連の資料が隠されていた。
雅雄が桔梗の子孫に渡そうとした資料だ。
結果的には渡ったのだからある意味正当な持ち主だ。
その資料を調べていくうちに発見したことがあった。
かつて人類を滅ぼそうとした魔王が実在していたことだ。
魔術師は六芒陣でなにかを行ったということ。
魔方陣の核にあたるものは奥義書だということ。
そう文献に書かれていたのだ。
それを配置したアイテムは力を失してしまったという。
そのうちの一つを隠しておくと記されていた。
実は雅雄の存在自体がそのアイテムにとって障害だった。
雅雄自身がその核を持っていたからだ。
二重存在の矛盾だった。
雅雄が存在している間それらの核は亜空間に退避していた。
それゆえに桔梗に調べられたのを最後にバリアで囲って活動を停止していた。
活動停止というより確認できなかったという状態だ。
そのため、桔梗は解析したために壊れたと誤解していた。
壊れたものでも調べればなにかわかると思い雅雄に引き継いだ。
しかし雅雄が見る限り単なる竹の小片。
ただ回りに不可侵のバリアがはられているだけのものだった。
雅雄に核を調べることが出来なかったのはそのためだ。
雅雄が存在しなくなったことによりすこしづつ活性化していた。
男は資料にあった他の核も見つけられないかと考えていた。
すると、手持ちのアイテムから微弱だが仲間を呼ぶような信号があった。
男の考えに同調した核の行動だった。
男はそれを頼りにアイテムを集めて回った。
非合法の収集だ。
あちこちにバラバラに収められていた倉庫を襲撃して回収していく。
発見されないときはいいが発見されたときは足取りを消すため皆殺しだった。
調べていくうちに研究していた者は桔梗ではないことに気付く。
それを研究していたものがいるということだった。
最初は桔梗が研究していたがそれを引き継いだものがいるということだ。
そして、その足取りを調べてこの廃墟に至ったのだ。
廃墟の中の資料を調べていくうちにわかったことがあった。
その者は行方不明になっていたということだ。
アイテムそのものはすでに集めたが使用方法がわからなければただのごみだ。
そこでその使用者の正体を探すため各地の廃墟をまわった。
その間に桔梗が隠したスペアの体も発見した。
ただ男はそれを魔王への依り代と勘違いした。
それは信じられない方法で保管されていたのだ。
次元の狭間というものらしい。
一定の手順でなければ呼び出せなかった。
出てきた人形は端正な顔にあちこち刺青をされたものだった。
そして一緒に資料が保存されていた。
ボスは持ち帰った資料を調べた。
そして、6個のアイテムと思われたものは7つ存在していたこともわかった。
残り一つを求めて再び奔走した。
運命によって引きづられるように動く闇魔術会
その動きを警戒しすぎて奔走する魔法省の主任。
次回、召喚
闇魔術会のものは雅雄の体に仕掛けを施して召喚をする。
雅雄はどうなる。