白と青の出会い・下
いつの間にか週間ランキングの下の方にちょこっと出ててびっくり
趣味でやってるとはいえエゴサは割とするタイプなのでうれしです
白い魔法少女が振り返る。
そして私の体を見た後
「癒せ“ヒール”」
そう言い魔法を使った。
その途端、私の体の傷がみるみるうちに消えていった。
「え!?嘘、傷が…!回復魔法まで!?あり得ない!」
おかしいのだ。攻撃魔法と回復魔法をここまで両立出来るのは。
「どう取るかは勝手にして。」
興味無さそうに答える。
「貴方…一体何者なの?」
先にまずお礼が言いたかったのに、その異常性につい聞いてしまった。
「答える必要は無い。」
そう言って背を向け、立ち去ろうとする。
「待って!せめて名前を…!」
でも遅かった。
白い魔法少女は光に包まれて消えた。
………
行っちゃった。
助けてくれたお礼出来なかった。
…あの子は一体何者なんだろう。
あんな強力な魔法をあの速度で出して、本来あり得ない回復魔法。
それに今のも転移魔法だ。
明らかに異常な存在。
ああいうのは例え協会に所属して無い野良でも必ず有名になってる筈だけど、今まで全く見たことも無かった。
最近魔法少女になったばっかって事?
それこそ意味が分からない。
でも今はそれ以外にも気になる事があって。
あの感情の無い様な声。
ぞっとするほど無機質で、人間離れした感覚。
フードを被っていたからか顔はよく見えなかったけど、髪が長いのか白い髪がちらりと見えていた。
白髪は魔法少女でも殆ど居ない。
魔法少女に変身した時、髪色が自身の強い感情の色に変わるから。
魔法少女は強い感情や願いなどで成るというのに、白の意味は無感情や淡白と言ったものだから。
だから不思議。
一体どんな…。
そんな事を考えてたら焦った様な声がした。
「詩織!!」
聞き慣れた声。
魔法少女の時も私をこう呼ぶのは1人しかいない。
「あれ?お姉ちゃん。なんでここに?」
「貴方が異常個体出現の救援要請を出したって聞いて急いで来たのよ!」
あ、そうだ。
あのダークウルフが出た瞬間咄嗟に協会に連絡してたんだ。
「ごめん、心配かけたよね。」
「…それで、無事なのね?なら良いんだけど。」
「あ、うん。実は助けて貰ったんだ。」
「助け?結界に直接入れる様な魔法少女は今Aランクの複数発生の対処に忙しくて来れないはず…。」
「見た事無い子だった。」
あの子の特徴とさっきの一部始終を伝える。
「…成程。あり得ないわね確かに。でもあなたが嘘なんて付かないし、野良?そのレベルなら協会が放ってかない筈。…!いや、もしかして…。でも新人だとしたら…それは…。」
お姉ちゃんは考え込んでしまった。
「まず帰らない?とにかく一呼吸いれよ?」
「…そうね。協会の報告はこちらでしておく。あなたは一度先に帰って休んでなさい。」
お姉ちゃんはそう言って転移してった。
ああ、心配させちゃったな…。
お姉ちゃんの役に少しでも立ちたくて魔法少女になったのに。
ランカーのお姉ちゃんは忙しい。
その上私をずっと守ろうとしてる。
だからせめてお姉ちゃんに心配しなくていいよって言いたいのに。
あの背中が遠い。
気分が少し落ち込んでると私の契約妖精か話しかけて来た。
「今は気にしても仕方ないよ。確実に予想外の事だったんだから。」
「あ、ロイロ。うん…まあそうだよね。はぁ…運が悪い。」
ロイロは縫いぐるみの獣みたいな見た目をしている。
割と妖精ではそこそこ珍しいタイプだ。
「それよりさっきの魔法少女だ。アレはなんだ?一体…。」
「うん、凄かったよね。確実にA級はあるよ。」
「いや、それもなんだけど…気のせいかなぁ…。」
ロイロが少し頭を捻ってる。
何かあの魔法少女にあるのだろうか。
やっぱ気になる。
真っ白なあの子。
(また会えるかな…)
私はそんな事を考えていた。
この子の魔法少女名どうしようかな