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TS魔法少女の曇らせ愉悦系ロールプレイ  作者: 夢瀬離或
第二章・魔女と魔女会
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協会にて: 焔帝と渡人と

眠気レベル51







「それで、遊びすぎてまんまと逃げられた訳ね。」

「語弊がある。油断していたと言いたまえ。」

「どっちにしろ駄目よ。」


魔法少女協会、ある一室にて。


ここで話している2人の魔法少女。


エトと、ブレイク。


内容は先の件の報告と後始末だ。


「…まぁ、あの子達を助けてくれた事は礼を言うわ。ありがとう。」

「…偶々近くにいたしね。知人は流石に助けるよ。」

「ハァ‥何故私はこう言う時その場に居合わせないのかしら。」


丁度別の所で魔物の殲滅をしていたから分からなかったのだ。


本当に心配で狂いそうになるから辞めてほしい。


「…それで転移した2人の魔女、ステラとクローバーの居場所、探知できた?」

「確か、あなたが言っていた“ゲート”とやらだったかしら?…確かに、アレは貴方の読み通り魔導具ね。」

「あれね、やっぱそうだよね。彼女…ステラは重力魔法の使い手だったし転移はおかしいと思ったんだよ。それに魔女の魔法にしては弱いし。」


ブレイクはそう言う。


まぁ、無理矢理超重力で空間を歪ませて空間と空間を繋げて実質転移、とかなら出来そうだけど。


それをした感じでもなかった。


そして、直前に銃の魔導具を見た。


そんなものがあっても全然おかしくない。


「…にしてもまさか、あんな代物を持っていたとは。唯、これで奴らが神出鬼没な理由も納得はいく。」

「最初はエトみたいな運び屋がいるのかと思ったけど、予想と違ったね?しかもアレは複数ある可能性が高いんでしょ?」

「ええ、ほぼ確実にね。堂々と使っているって事はそういう事よ。」


今後は転移対策も考えなくてはならない。


「それで、話戻すけど転移先は分かった?」


先程までブレイクはエトに“ゲート”の転移先を辿ってもらっていた。


空間操作を持つエトなら痕跡から位置を探知することが出来るだろう。


「まぁ、随分と手の凝った探知妨害をしていたけれど、私ならば問題無く見破れる。…本来なら、ね。」

「本来?どういうこと?」

「行き先が問題だったのよ。無法都市。あそこに入って魔力は途切れてる。」


随分と苦い顔をする。


それはそうだ。


「あー…そっか、あそこは特殊な結界が外と中を隔ててるから探知するにしても魔力が撹乱されてわかんなくなるんだっけ。」


外からじゃあある一つの方法を除き観測不可能。そういう特殊区域。


故にあの場所は危険地帯なのだ。


「そういうこと。まぁ無法都市の何処かにはいるのだろうけど…。」

「アソコに入るのは、ねぇ…?」

「流石に危険すぎる。あの都市は独自の法則と治安が存在している。下手に入れば戻って来れないままこっちが狩られるわ。」


中が殆ど分からない。


それだけで危険性が跳ね上がる。


なんせ入った直後にどんな罠が、魔物が、危険な存在が待ち伏せているのかも分からない。


その上で分かっているのが無法地帯という事なのだから尚更。


それこそ平然と単独で行って無傷で戻って来れるのは第一位や第二位の規格外の連中ぐらいなのだ。


可能性がありそうなのは最近話題の異端の新星(ルーキー)たるアリウスだろうか。


エトやブレイクも行けなくはないが…かなりの痛手を負うであろう事は確実。


「従って結界周辺で待機するしかないんだけど…。それだと…。」

「ええ、その場合、どうしてもそれなりに人数がいる。でも人員不足の今じゃキツイわ。」


なんなら今動けるであろう存在は数名程度だろう。


かなり手詰まり。


どうしようか。


エトは提案する。


「よし、こう言う時は素直にあの子を頼りましょう。そもそもこういうのはあの子の専門分野だし。」

「…ん、まぁー、そーだね、うん。そうしよう。」


困った時は彼女に頼るに限る。


普段もの凄く激務なせいで頼る事に躊躇するんだけど、状況的に仕方無いし。


そう、仕方無い。


唯、社畜が苦労するだけなのだから。


2人はそうして向かう。


場所はオペレータールーム。


そう、オペレーター最高監督官であり、さらにこの魔法少女協会の現副会長まで務める存在。


普段監督ちゃんと親しまれてこそいるが、同時に下手すればあの“調停者”レベルに恐れられる能力を持つ者。


彼女なら、必ずどうにか出来るだろう。









「成程…状況は理解しました。」

「うん、それでシエス。どうにかなる?」

「そうですね…。」


シエスと、そう呼ばれたその少女は、頬肘を付いて椅子に座り、目の前の視界を埋める無数ののモニターを眺めつつ答える。


「あそこは私でも基本多くは視る事が出来ませんが…。まぁ…ここまで情報があるなら充分でしょう。」

「恐らく魔女達は無法都市を経由して自らの拠点に移動しているから、そこをつければ良いのだけど。」


無法都市の結界の性質上、中継地点としては非常に高い効果を発揮する。


外からも中からも通るだけであらゆる魔力が乱される結界は、その転移の痕跡を消してしまう。


その上何故か転移は妨害されない、ご都合的な代物。


だから位置がある程度分かっている今、転移で戻られ痕跡が見えなくなる前にどうにかしたいのだが。


「そうですね、ならばその“ゲート”を使う時の直前に探知して阻止しなければなりません。潜伏しているならば今は詳しい位置まで分からないでしょうし、転移が発動すれば妨害して中断させるのは基本的に不可能ですしね。」

「面倒、でも出来なくは無い。問題はいつ動くか…。」


そこが分からなければ、結局何も出来ない。


だからこそ、彼女に聞いているのだ。


そう、シエス、魔法少女シエスフィアに。


「…そこは、任せてください。さて…。」



彼女は目を瞑り、…そして開ける。



「私の考えならば、“三日後”、そして昼過ぎ。…ですかね。」



その声は確信に満ちていた。




因みにここの名前決めるので死ぬほど悩んだ


重要人物の名前って意味つけたくなるじゃんね?



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