始落
ボクは問おう。
此処からの観測意義を。
此の世界を眺める観測者達よ。
キミ達は何の為に此の物語を読むのか?
さあ我が読者、始めようではないか。
リバースYUETU・KUMORASEエンド配信開始!
次の日。
時は夕暮れ、放課後の時間。
教室で話す声が聞こえる。
「それでさ、さっきイ◯スタで知ったんだけど、近くの駅前に美味しいスイーツ店が出来たんだってね。」
「あ、それ私も知ってるよ〜、確かフルーツ系が多かったとこだよね?」
「そそ。絶対美味しいよアレ、この後食べに行こうよ。」
「ふーん?良いのかな〜?スイーツはカロリー高いよー?」
「まあ偶にはいいでしょ。それに、フルーツ多めだから昨日の未来ちゃんの生クリームエグいクレープとかよりはマシよ。」
「あははーそれもそっか。」
2人の少女、詩織と未来が楽しげに会話をしている。
見慣れた日常の一つ。
放課後に残りこうして話すのは珍しい事では無い。
「でさでさ〜、これが…って、詩織ちゃん?」
「ん?あっ、あー何でもない。ちょっと考え事。」
「お、何々?どしたん?」
珍しい。
この行動力の化身が動かずに考えているだけとは。
「いやさ?昨日のあの子はどうなったんだろーなーって。」
成程。
私が言ったからだった。
「…彼女の事はもう忘れて良いって言ったでしょ。今気にする事も無いよ〜。」
それを言う彼女の雰囲気は少し変わっていた。
まぁだが詩織がそれに気付くことはない。
本人からは感じられない程度の変化だ。
「うーんそれもそうなんだけどねぇ。やっぱあれで良かったのかなぁ。」
それは未来も思った事。
あの時、その選択に何か嫌な予感がしていたのは間違いなかった。
でもあのまま関わる事になる方が危険だって判断した。
ならば、それで良い。
「ま、今更考えても過ぎた事、そんな事より他の事を話そうよ〜?」
そう、過ぎた事に考え過ぎだ。
詩織は取り敢えず理解したのか新たに話題を変えた。
「…それもそっか。あ、じゃあさっきの話戻るけど、あのスイーツ店、実は今期間限定のやつが出てるんだって!」
「へぇ〜?初耳。そりゃ余計食べに行きたくなるよねぇ。」
「決まりだね。放課後スイーツ部出動だよ!」
「そんな部活はないぞー。」
実は詩織は意外とボケが多かったりする。
まぁ、それも彼女の可愛いところだけど。
そうして、向かおうと準備した所。
「…!これは…二つ、いや、四つ?魔力反応。しかも全部魔法少女?」
「あー、まぁ魔法少女同士で喧嘩する事も良くあるじゃない?」
「いや、思ったより近い?多分…この学校内?」
「…随分近いね?巻き添え来ないよね?」
「それは大丈夫だとは思うけど。」
流石に周囲被害は及ばないようにするとは思うが。
「どーする?野次馬でもする?」
「めーんどい。放置でいいでしょ。」
「ありゃ、そう?」
「それよりスイーツ食べるんじゃないの?売り切れるかもよ?」
「あ、そうだったね。気になるけど先に行かないとね。」
しかし、ここで一つの魔力が現れ、二人の表情が一変した。
「……!?え!?これって…。」
「間違いない。詩織ちゃん、これは魔女の反応!」
魔法少女と魔女は魔力の性質が大きく変わる。
感覚になるがなんとなく雰囲気で分かるのだ。
より魔なる、そして昏い魔力を。
「位置、反応の消滅。うん、これ多分さっき戦ってた魔法少女の内誰かが魔女に成ったんだよ。」
「マジですか。まさかそうなっちゃうのか…。」
かなりのレアケース、こんな事があるとは。
でも、気にするところはそこじゃない。
魔女が近くに現れたのだ。
「どうする?」
未来が聞く。
詩織は迷わず答える。
「行くしかないでしょ。ここまで近いなら流石に見過ごせない。」
「ま、そりゃねぇ。残念、今日はスイーツ食べれないかもねぇ。」
「そ、それなら尚更早く行かないとね!」
さて、魔女狩りの時間だ。
懸念があるとすれば。
私達が魔女と戦うのは初めてだと言うこと。
ーー
私達はまだ、甘かった。
魔法少女と云う、存在の本質を理解していなかった。
そして、知っていたつもりだった。
魔女を討伐すると言う事は何を意味するか。
魔女って割と積極的に狩られるんすよね
討伐報奨金出てるんで
なので、まあ誤解する者、認識が甘くなる者も多いんすよね。
要するにエアプって事。
Re.意味深セリフから始まる魔法少女生活。