独り、語る。
流れを断ち切っていく連日投稿!
素敵だぁ…!
これでよかった。
これで…。
あの子達には何も関係無いのだから。
それに、下手に助けられるのも好かない。
私は借りを作るのは嫌いだ。
一度出来れば何倍にも膨れ上がって帰ってくる。
やっぱり、うん。
何も起こらず、何も変わらず。
唯、穏やかな絶望で。
それで良い。
あの声の言うことも間違っては無い。
全てを解き放って、滅茶苦茶にして、そして全部楽になりたいのは嘘じゃない。
でも、そうした後は?
きっとその方が大変だ。
今のままの方が…まだましでしょう。
『…それは不明確なものを恐れているだけだろう。』
あ、来た。声の人。
いいの、それで良い。
希望なんていらない。
それを望めば落ちるだけ。
ならば動く事なんてしなくていい。
臆病者って嗤う?
でも、これ以上、絶望を知りたくないの。
『そういうものなのか。』
気付けば家に着いていた。
…家だけは立派なんだよね。
あの父親は金だけは持っていたから。
だから私もお母さんも反抗も抵抗出来なかったんだけど。
下手にあの人の機嫌を損なうぐらいならって何もしなかった。
耐えるだけだったから。
流石に貞操の危機の時にはつい殺っちゃったけど。
あの後お母さんに怖がられた時は辛かったなぁ。
でも、それでもそんな私でも受け入れて抱きしめてくれた時は本当に嬉しかったんだよ。
その後私が親殺しだの化け物だの知らない人達に色々言われても大丈夫だったのはそのおかげ。
そして、妖精と会い、私に魔法少女の適性がある事を知った。
それで私も、お母さんの為になりたくて魔法少女になったの。
沢山魔物を倒して、魔女も討伐して、お金を沢山稼いで、人も沢山助けた。
それを報告する度、お母さんは嬉しそうに褒めてくれた。
だから、天才って呼ばれるぐらいに頑張れたのに。
なのに、あの時どうして私は間違えてしまったんだろう。
あの時、頭が真っ白になって。
魔物から守ろうと必死になり過ぎて。
だから暴走した。
魔法は精神状態に深く根付いているから。
パニック状態とかだと魔力が暴走しやすいらしい。
そうして魔物ごと周囲一帯を壊滅させ。
意識が戻って、気づいた時には目の前に冷たいだけの肉塊を手に抱えていた。
その後は知っての通り。
元々孤立していた私は更に独りに。
ただ一人の味方も消えた。
皆から怖がられ、そして蔑まれる的となった。
こっちの事情は向こうからしたら関係ない。
だって多くの人はこの事実すらまともに知らない。
噂、レッテル、評価、偏見。
幾らでもそれらを判断出来てしまう。
私は独りになったことで漸く世間の声が聞こえるようになって。
それが罪を自覚させる様で。
さらに苦しくなって、まぁ、その後はお察し。
そうして今に至るの。
どう?あなたにとっては面白かった?
人の不幸が好きなんでしょ?
『…まぁ、退屈凌ぎにはなったな。』
ああ、そう。なら良かったね?
兎に角、私はあなたの言葉には乗らないから。
だから…。
……あれ?
唐突な過去語りは女の子の特権
待ち遠しいですね
ミルクトゥース