理想を希う少女達の想いは…
別視点組
因みにかなり長くなった
-魔法少女協会-
場所はオペレータールーム。
「嘘でしょ…?」
場所はS+ランクが居て、エトとアリウスが戦っている所。
その反応を感知した時は正気を疑った。
何故、あの力があるのです!?
理解が出来ない。
今のは一体何が…。
しかし、確認したくてもさっきの衝撃波で映像が切れてしまってて見えないのだ。
「これ、なんとか映像を復元出来ないですか?」
「無理ですね。まさか妖精の力すら狂わせてくるとは。」
やっぱS+はやばい。
にしても困った。
こんな状況なのに確認出来ないのです…。
だが、確認するべきものはそれ以外もある。
今は非常に気になりますが仕方ない、ええ、仕方ないですが放っておくしかありません。めちゃくちゃ気になりますが仕方ありません。
「彼女…第二位の方はどうです?」
「そちらは…もう終わってますね。第一位も同様です。」
「なら、他のSランクとかは?」
「あと五体ほどかと。残りはやはり領域型ばかりですね。」
「なら基本的には第五位と第七位、後は第九位+十二位コンビに任せればいいでしょう。位置的にも近いし、相性も良いですからね。」
「了解です。」
よし、こんなもんでしょう。
「第五位と第七位は二体ずつ任せると良いです。最近あの子らサボり気味だったんで思いっきり働かせてやって良いです。」
「まぁ、普通に“夢国の女王”と“焔帝”は領域型や対ボスに向いてますしね。」
「それでいて普通に全然雑魚狩りも得意でもある。だから監督に酷使される可哀想な人達ですね。」
「ちょっと!私がブラック上司みたいな事言わないで下さい!大体いつも二人とも眠ってたり行方不明になってたりでこう言う時しかまともに魔物討伐しないのが悪いんですよ!」
ついたあだ名が眠り姫と座標迷子だぞ。
もともと普段からサボってる事も多いし。
こんな時にはしっかり働かせないと。
それでもそれだけのスコアでランキング上位にいるんだから本当にタチが悪いのです。
真面目になればどれだけ役に立つのやら…。
「…戻ったわ。」
「あ、おかえりなさい。」
第一位が帰ってきた。
「やはりこちら側の映像はダウンしてたか。」
「どうしますか?私が無理やり視ようとすれば出来ますが。」
「いや、良いでしょう。貴方のそれは消耗が激しいし、他にやることもある。アリウスについてはエトに任せるわ。」
「了解です。」
数少ない常識人との会話は楽ですねぇ…。
ふむふむ、反応を見るとあの二人の所もどうやらも終わった様子。
さて、大きな山は超えました。
引き続き警戒しつつ事態を終わらせにいきましょうか。
-同時刻 魔女の集いし空間-
数人の少女が集まって会話をしている。
少女達からは魔力を感じるが、しかし少し違う。
彼女達は魔法少女ではない、魔女だ。
「これは…間違い無い。」
「研究の被害者だろうな。」
「ふーん…つまり私と同じ…いや違う?」
「少なくともアレが最後までされたと考えてそれ以上か…気に入らない。」
「まあなんとも面白そうな話題になってきたねぇ…。」
「しかし少なくとも今回ので一気に見過ごせなくなった。」
「何とかこの魔女会に引き込めたら…。」
魔女会、悪に落ち、敵とされている者達の集う組織。
「彼女が、魔法少女アリウスが同じ境遇だと言うのならその可能性はあるわ。」
彼女達はある一人の魔法少女、アリウスについて話している。
推測があっていればきっと彼女も世界を憎悪して、滅ぶ事を少なからず望んでいる筈。
もしかしたら仲間に出来るかもしれない。
元よりその研究によって此方に来た者はいる。
彼女ならきっと…。
「それと報告、調停者を殺そうと向かった赫銀の魔女、シーラだけど、死亡を確認したとのこと。」
「正確には消失だねー。マークしてた魔力反応が無くなったから分かったけど〜。」
「えーっと…その子って…確かリーダーが育てた子だったよな。」
視線が向く。
中央に居座る少女が口を開く。
「…そうだね。私が少しだけ共に過ごし、力の使い方を教えた子だ。あの憎悪の強さには見所があったが…少し性急過ぎた。もう少し、もう少しだけ抑えていれば或いは…。いや、しかしあの子はもう終わったのだ。残念だった。唯それだけでしかないだろう。」
「まあそうよ。死んだ者を気にしても仕方無いわ。」
「いずれ私達も其方に向かう定め。先に行っただけ。」
「死人に口なし〜…彼女は弱かったのだよぉ…。」
「さて、今回は会議はここらにしようかな。今は先に調べたい事が山程だ。」
「分かった。それでは解散。」
魔女達は動く。
密かに、唯、密かに。
そして全てを望む未来にする為。
こんなどうしようも無い世界を、滅ぼす為に。
-同時刻 ???ラボ-
「フフッ……」
「フッ…フフッ…フフフッ………クフッ…!」
「フフフ…フフフフフッ…!アハッ、アハハハハハハハッ!!!!」
静寂に満ちた空間で一つ、狂ったような笑い声が響く。
たった一人しかいないその部屋の中、その少女は嗤う。
「まさかこんなコトがあるとはネェ…。全く、予想外に程があるだろうサァ…。」
その声はなんだか纏わり付く様な不快で、それ以上にどこか不安を感じさせる声。
その姿は限り無く色褪せた長髪、そして得体の知れない奇妙な灰色の瞳。
白衣のコート、そしてその裏にちらりと見える青紫の色彩をした装束。
所々赤や黒などの色のアクセサリーを身に付けている。
そのゾッとするような雰囲気を持つ奇妙で不気味な少女の周囲からは僅かに魔力が満ち出ていた。
彼女は魔法少女だ。
そう、魔法少女だ。
「嗚呼…面白い…!愉快で痛快!なんて傑作!非常に興味深い…!一体どうしたらアレを使えるようになった…!?身に宿して無事でいられるようになったのさ…!?このワタシですらもまだ出来ないというのにだ!!不可解…!そして神秘…!世界に一つとない稀有な不完全で完全の不可思議!まさしく理解不能の超常存在だよ…!凄い!凄いよ…!彼女は!ほんっとうに凄まじい…!」
その興奮のまま語る。
「何をしたのサ!?何に至って…、何が至って其れに成ったんだろうか!?キミは最高に不思議で堪らない…!嗚呼、是非とも知りたい…!知らない解らない理解りたい解き明かしたい全て識り尽くしたい…!!その体をバラバラにして細胞の一つまで、魂の一欠片まで観察してキミのことを調べ尽くしたい…!」
狂ったように語る。
「嗚呼…ワタシはキミに惹かれているよ。ヘェ?アリウスって言うのかい?キミの神魔を扱う時の名は…!フフッ…そうだ、全て聞きたい…!キミに聞きたい…!何を持ってして、何を想ってして其処に在るのか教えてくれ!」
白髪のその少女はまるで恋する乙女のように浮かされた表情で語る。
語る。語る。
そして、ひたすらに希う。
「知りたい知りたい識りたいシリタイ…。嗚呼…知りたいよ。キミは…一体何なんだい…。」
少女は唯、知りたかった。
解き明かしたかった。
「でも、現時点で収穫はあったさ。少なくともソレに至れたモノがあると言うなら…。それは確立、明確な証拠。ワタシの目標も可能性帯びてくる。フフッ、どうしようもない無理難題からは少し進展があっただろう…!きっと彼女なら…!ワタシの探し求める究明に、不可解の解を見つけれる…!!」
彼女が目指すその終着点は遥か先、遠い彼方。
「あの力…神力を手にするコトが…操るコトが出来てしまえれば…!」
少女は知っている。
アレが何の力か。
その存在の本質も。
そして、其の次元、その超越的存在に成る、辿り着く方法も。
「ワタシはネェ…?唯、識りたいのだよ。そして成ってみたいの、サ。」
誰よりも強く、そして単純な想い。
願い、希うのだ。ワタシの視たあの光景を。
故に彼女なら辿り着くだろう、彼女だからこそ至れる可能性があるソレに。
「必ず辿り着くよォ…?例え全てを置き去りにしてでも。だから……」
少女は願う。希う。
ずっと、歪まないままの純粋の想いを。
それ以外など、もはやどうでも良いから。
-??? ??? ???-
-黒と白-
「うんうん。面白くなってきたでしょ?」
「…あの時はまさかこうなるとは思って無かったけど。」
「良いじゃんね。君の望んだソレも少なくともそうなったんだし。」
「ん…。そっちは?…いや、愚問だった。」
「当たり前よ!こんなわたしに合う様な事になるとは。ホント愉快だよ。」
「でも、全ては変わらない。」
「当たり前だ。“だからこそ”なんだよ。」
二人の相反する少女は唯、其処に或る。
「次を、待とうか。」
「次は、変われる?」
彼女達は確定された結末を巡るに過ぎない故に。
色々とめっちゃ伏線出せた
やっぱり狂人を書く時が一番楽しいよな
まあ、そろそろ雰囲気を戻すか
あ、あと総合ポイント2500とユニーク3万あり!!