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TS魔法少女の曇らせ愉悦系ロールプレイ  作者: 夢瀬離或
一章・曇らせ好きTS魔法少女爆誕
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永久の調停の罪禍・下

この子、なんかさ、思わん?

アレだよね絶対、うん。



「お前が、姉さんを殺したんだろうが…!」



嗚呼、成程。


()()()()()ね。


思い出したわ。


たしか2年程前に、狂った魔女を討伐した事があった。


そしてその子には妹がいた。


小さく、無垢な妹が。


あの時、そうなってしまったのか。


「絶対に許さない…!お前が…お前が姉さんを…!」

「貴方にどうしてそこまで恨まれているのかは知らないけれど、私かやるのは基本的に“正しい”ことよ。」

「姉さんを殺したことが正しいだと!?」


家族なら違うのだろうか?


いや、違うのだろうな。


「彼女は魔女になっていた。何人も人を傷つけ、奪って、殺した。そんな“悪”になっていた。そうでしょう?」

「だから殺したと…!?」

「ええ、それが“必要”だったから。歪み、狂い、壊れてしまった彼女はどうしようもない、もう元に戻せないと理解していたからよ。」


ただの小悪党なら魔法少女協会の更生室に送り込んどけばいいのだけどね。


魔女と認定されるレベルなら駄目だ。


魔女は滅ぼさなければいけない。


「それに、貴方の両親も彼女は殺したのでしょう?」


そう、本当ならむしろその姉を恨みそうだけど。


「あんなクソ親はどうだっていい。姉さんは…あたしにとって姉さんは全てだったんだ…。たとえ魔女になっても…、あたしを虐げた奴を、見るだけの何もしなかった奴らを、でも殺ってはいけないとはいえ殺してしまったとしても…、そしてあたしを殺そうとしていても…でも、それでも…あたしは…あたしは…!なのに!」


そう。


そこまで依存していたのね。


そうならざるを得ない環境だったのかしら。


でも、


「だからって貴方が魔女になる必要はあったかしら?」


そうじゃなきゃ私だって今手を下さずに済んだでしょう。


たとえ話だけでも聞けたのに。


「後悔はしてない。姉さんの死を嗤った奴らが許せなかった。それに、お前もだ。これは魔女になってまでもしないといけないんだ。例え悪だとしても。」


復讐。


そうか…。


…………分かった。


「何がどうあれ魔女は死するの。それが“正義”だから。」

「お前を殺し、それで終わりだ。」



もう、言葉は要らなかった。



互いに納得する事の無い虚しき信念のぶつかり合い。


殺意と殺意の殺し合い。


それは、たった一瞬で終わった。


「死ねぇぇぇぇーー!!!!」


彼女が大量のナイフ、そして様々な武器を私の周囲に素早く展開する。


そして、凄まじい速度、膨大な魔力を伴って発射された。


この一瞬で全魔力を消費する勢いだ。


これは…瞬間火力だけならS級魔法少女にも引けを取らないだろう。


当たれば私をも殺せるかもしれない。


でも、既に()()()()()


「さようなら、小さな魔女。」


刹那、赫の少女は目の前から消滅した。


そこに意思も、理解も、反応も、無いだろう。


せめて、痛みなく死ねる様に。


これで、よかったのだ。



うん?


あっ。


彼女のいた所に何かが残っている。


かなり小さな小物だ。


取り敢えず拾う。


くま…?


これは…古いぬいぐるみだろうか。


おそらくあの姉が正常だった頃、貰ったものだったのだろうか。


最後まで大切に持っていたのね。


はぁ…どうしようか。


また、私が保管しないと行けないものが増えてしまった。


そろそろ溢れてきそうなのに。


まあ仕方ない。


物としてでも私がしてきた罪の記憶を覚えておく事が、こんな私に出来る事だ。


それが必要な罪で、忘れてしまってもいい無意味なものだとしても。


もう長い事変わらない行為。


百年以上、ずっと。


私の能力により寿命も止まって、一生幼き少女、永遠の魔法少女となってもずっと。


変わる事など無い。唯…



少し、思っている。



正直、かなり辛い。


疲れてしまうのだ。


魔法少女としても、魔女を滅ぼす事も。


その以外にもひたすらに冷静に、合理的に判断して、冷酷なまでに行って来た人や魔法少女の切り捨て、見捨てる行為。


それを実行する事。命令する事。


尽きない魔物の脅威。


殺し、殺されの世界。


苦しくて、疲れてしまって、もう全部辞めてしまいたい。


ああ…この世は真っ黒…。


でも、それでも私は、“調停者”としてやらないといけないから。


私はずっと“正しく”在らないといけないのだ。


私がまだ“必要”だから。


私がまだ“絶対”だから。


この役目だけはいつかの終わりまで辞めるつもりはない。


じゃなきゃ全部無駄になる。


全部背負って、全てを受け入れて、それで最後に…私は…。



いや、ここまでにしよう。


意識を切り替えよう。


第一位がこんな所見せたら駄目だ。


ずっと他者が視る私は、強いまま、最強の、絶対でないといけないのだから。


例え弱い私を無理矢理偽ってでも…。



さてと、あと一つのS+は…。


あ、消えてる。


じゃあ倒せたのか。


おそらくアリウスだろう。


凄いな。


例のあの力なら納得でもあるが。


でもその分彼女もきっと…。


いや、そういうのは後にしよう。


それについてはエトの報告を待ちましょう。


じゃあ…他にやる事…。


取り敢えずアレを倒せたなら後は残りを狩りつつ帰りましょうか。


うん、それが良いわね。












……


ー私は望む。


ー私は希う。


ーいつかその全てが果てに終わる時……





圧 倒 的 前 作 主 人 公 感



この元主人公みたいなやつ良すぎない?

てかこの子の方が曇らせ最適だろ

まあでも他の子に一切それを悟らせてないからね

性質がたぶん原◯のフリーナと似てる

違うのは本当に最強なところとかかな

むしろ最強だからこそ前作主人公感が増えてる気がする




常に絶対的最強だった。故に沢山の選択をしてきた。

どんな事ですらも。世界の正義として。

そこに迷いも、あっただろうに。

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― 新着の感想 ―
[一言] この圧倒的秩序・善感。某英霊を召喚するゲームなら間違いなくルーラーですな
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